ミュージック・ペンクラブ・ジャパン
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Popular Review

- 最新号 -

ALBUM Review

Nicole Henry
TIME TO LOVE AGAIN

Banister Records BAN1029

 ニコール・ヘンリーは、2004年に発表したデビューCD,「Nearness Of You」が日本でヒットして一躍人気になったソウル系のジャズ・シンガー。2005年に日本のヴィーナス・レコーズから発表の2枚目の「Teach Me Tonight」も人気で発表以降、何度か来日公演も行っている。本アルバムは、2015年の「Summer Sessions」以来久方ぶりの彼女の8枚目になる新作。ピアノ、キーボーズのピート・ウォレスが彼女と共にプロデューサーとなり、彼を中心にエリック・イングランド、デヴィッド・クック等の5人のアレンジャーによるR&B系のアレンジでフロリダのトップ・ミュージッシャン達をバックにヴァ―サタイルなスタイルの彼女らしい「I Didn’t Know What Time It Was」、「Until It’s Time For You To Go」、「Wild Is The Wind」等のジャズ・スタンダート・ナンバーにジェームス・テイラーの「Your Smiling Face」、スティビー・ワンダーの「Overjoyed」等などを加え全9曲、ヴァラェティに富んだレパートリーをスイートでソウルフルな若い頃ダンス・ミュージックをやっていたという彼女らしい乗りの良い歌で披露、健在ぶりを示している。(高田敬三)

ALBUM Review

Don Thompson Trio
LAZY AFTERNOON, A Place That’s Quiet

Five Stars Records FSY 520

 カナダを代表するジャズ・ピアニスト、ドン・トンプソンは、ヴァンクーバーの上の方に位置するパウエル・リヴァーの出身でテナー・サックスのパット・ラバーベラとは1968年に彼がバデイ・リッチのバンドでヴァンクーヴァ―公演を行った時、知り合って以来の長い付き合いだという。その後、パットは、エルヴィン・ジョーンズとドンは、ジム・ホールやジョージ・シアリングと活躍するが、パットがトロントへ居を移して以来、二人は、再び頻繁に共演するようになりビリー・ホリデイに捧げる「Time And Time Again」等何枚かの共演CDも出してきた。新作の本アルバムは、二人のデュエット、ドンのソロ、それに歌手のケィティ・ジョージー(Caity Gyorgy)も参加してスタンダード曲を中心にビル・エヴァンスの「Peace Peace」やジョニーマンデルの「Seascape」を交えて11曲を演奏するバラード・アルバム。ドンの流麗なピアノとパットのメロディアスなサックスが心地よい。歌のケイティは、まだ20代の若手美人ジャズ・シンガー。彼女は、作詞作曲も行いMP3ダウンロードで幾つかEPやシングルを発表している。自ら歌を書くだけに歌詞の表現が素晴らしい。本アルバムでは、「Lazy Afternoon」、「My Foolish Heart」、「I Should Care」と「Scarlet Ribbons」の4曲を歌っているが歌の世界に入り込んだような「My Foolish Heart」は絶品だ。(高田敬三)