ミュージック・ペンクラブ・ジャパン
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Popular Review

- 最新号 -

ALBUM Review

Anthony Jefferson
ALL I AM

Anthonyseverejefferson.com/music/

  アンソニー・ジェファーソンは、ニューオリンズ出身のシンガー。ドミニカが気に入って過去10数年、ドミニカ共和国で活躍している。本アルバムは、2013年に発表した「But Beautiful」 に続く第二作目で、「Night And Day」,「Summertime」等スタンダード・ナンバーに合わせてキャロル・キングの「You’ve Got A Friend」等ポップ・ナンバーや「Me and Mrs. Jones」,[Rainy Night In Georgia]等のソウル・ナンバー、そして自作の「In the Presence Of」をコーリー・アレンのアレンジによるドミニカのミュージッシャンによるオーケストラをバックに歌う。子供の頃から教会で歌い、カリフォルニア・インスティテュート・オブ・アーツでクラシックとジャズを習い後にバークレー音楽院でジャズを勉強したという彼は、何といってもナット・キング・コールを思わせるような滑らかで艶のあるバリトン・ヴォイスが魅力だ。アメリカ人だが、本国では未だあまり知られていない歌手で、現地の歌手、パトリシア・ペレイラとのデユエットなど、そのロマンチックで広く受け入れられそうなスタイルからポップ畑で人気が出てきそうなシンガーだ。(高田敬三)

ALBUM Review

ジャッキー・ワシントン
The World of Jackie Washington

BSMF Records BSMF 7600

  ジャッキー・ワシントンは、2002年にカナダのジャズ&ブルースの殿堂入りした伝説的ギターの弾き語りシンガー。1948年から50年にかけて自分のラジオ番組をもっていたカナダ初の黒人ディスク・ジョッキーでもあった。そんな関係もあるのかブルース、ジャズ、カントリーと1300曲からの幅広いレパートリーを持っていたといわれる。デュ―ク・エリントン、ライオネル・ハンプトンやジョニ・ミッチェル等の録音に参加したこともある。本アルバムは、2009年に亡くなったそんな彼の没後10周年を記念してラジオ放送など未発表音源から作られた22曲入りのコンピレーション。「All Of Me」、「Them There Eyes」,「On The Sunny Side Of The Street」等ジャズのスタンダード・ナンバーをスキャットを交えたり、歌詞を少しいじったりして歌ったり、ファッツ・ワラーの「The Joint Is Jumpin’」やグレン・ミラー楽団の「When , Re-Bop-Boom-Ban」の意外な歌を歌ったり、彼を崇拝して「Jackie Washington」という曲を作ったコリン・リンデンやキャッシ―・フィンクとマーシー・マークサーをゲストに迎えたりと大変ヴァラエティに富んだ内容だ。ハスキーでちょっと哀調を帯びた声と、はっきりしたディクションの彼の弾き語りは人を引き付ける力を持っていて、何故カナダで人気があったかが分かる。残念ながら日本での知名度は、低いが、2005年のTV放送の彼のドキュメンタリーのDVD付きの本アルバムは、ジャッキー・ワシントンを知るのには、最適なアルバムだろう。(高田敬三)