ミュージック・ペンクラブ・ジャパン
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Popular Review

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ALBUM Review

Roseanna Vitro
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Skyline Recordings

 グラミー賞にノミネートされた「The Music Of Randy Newman」をはじめ、レイ・チャールス、ビル・エヴァンス、スティーブ・アレン、クレア・フィッシャー等に捧げるアルバム等数多くの作品を発表してきたベテラン・シンガーのロザンナ・ヴィトロの1982年のデビュー作。最近、孫も出来て自分の人生を振り返る時期に来たという思いでアナログで出されたままになっていた作品のCD化に思い立ったという。ケニー・バロン(p)、バスター・ウイリアムス(b)、ベン・ライリー(ds)を中心に彼女が師と仰ぐアーネット・コブ(ts)も「Centerpiece」等3曲で参加してブルージーな素晴らしいテナー・ソロを披露する。「Love You Madly」、「You Took Advantage Of Me」、「Black Coffee」等、聞きなれたナンバーを12曲をガッツのあるブルース・フィーリングのソウルフルな歌で聞かせる。ケニー・バロン・トリオの良くスイングする溌剌としたバッキングと相まってデビュー作ながら、彼女のベスト・アルバムに数えたい作品だ。(高田敬三)

ALBUM Review

ジャネット・ランベル
アスク・ハー

ミューザックMZCF 1425

 人材豊富なカナダのジャズ・ヴォーカル界の中で今まで殆ど日本では知られていなかったシンガー・ソングライターの登場だ。その名は、ジャネット・ランベル、英語読にするとランバート、旦那のドラマーのミッシェル・ランべルがフランス系なのだ。彼女は、ダイアナ・パントンのグループのギターのレグ・シュワガ―の妹で十代の頃から一緒に活躍していた。1991年に自分たちのレーベル、Jazz From Rantを立ち上げ、最初に発表したのが、本アルバムだというからキャリアは古い。録音は、古いが決して内容は、古さを感じさせない。パンデミックでライヴ活動も出来ず家に閉じこもることが多いので、過去を振り返ってみたようだ。彼女は、ソングライターでレグ・シュワガ―かミッシェル・ランベルの書いた曲に歌詞をつけてレグ・シュワガー(g)ミッシェル・ランベル(ds)レグの妻、キキ・スミス(celllo)にゲストでハービー・スぺィナー(tp)マイケル・スチュアート(sax)ジョン・マクガ―ビー(vln)の参加する伴奏で歌うオリジナル作品集だ。それに今回、「All The Sad Young Men」と「Oh You Crazy Moon」をボーナスとして付けている。彼女は、この録音前にスペイン、ポルトガルを旅行していたというが、男女間の日常の出来事を歌う全体的に暗く悲しいムードの歌が多くファドの影響を受けていたことが感じられる。ダイアナ・パントンに通ずるガーリッシュで魅力的な歌声だが、ポール・ブレイやセシル・テイラーに師事したこともあるというからかなり硬派の面も隠されている非常に守備範囲の広いア―ティストだ。(高田敬三)