ミュージック・ペンクラブ・ジャパン
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Audio Review

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AUDIO REVIEW

「JBLブランド史上初。多芸多才なAVサラウンドアンプ」

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JBL MA9100HP

¥253,000(税込)
問い合わせ ハーマンインターナショナル
https://www.harman.com/japan

 MA9100HPが登場した背景には、サウンドバーの分野での近年のJBLの好調がある。GFKデータの2024年第一四半期累計で上位20に三機種がランクインしている。本分の家庭用スピーカーシステムの分野では9月、フロアスタンディング型、ブックシェルフからサブウーファー、イネーブルドまで擁するホームエンターテインメント用の新シリーズ、Stage2が登場した。
 いわば満を持して登場したJBLブランド初のAVサラウンドアンプは、従来のこのジャンルのどの製品にも似ていない。パワーアンプ多数個内蔵で大きく厚くなりがちな筐体は高さ135mmの薄型設計で、フロントパネルはツマミ、ダイヤル類が極限まで整理されている。リモコンも同様にユーザーが直感的操作できるようにデザインされた。これをJBLはヒューマンセンリックデザインと呼ぶ。
 電源オン時に、ボディ前面下部に仕込まれたLEDが点灯し設置面をJBLのシンボルカラー・オレンジに彩る。サブスクのストリーミング再生を重視し中央部の6.5インチ液晶ディスプレイが再生中の音源のジャケットアートや情報をカラー画像でディスプレイする。これは同じハーマングループで関係が深いマーク・レヴィンソンの伝説的AVセンターMedia Console No40Lへのオマージュだろう。
 パワー部は9チャンネル構成で増幅素子にクラスDデジタルを採用した。同社創立75周年で発売され好評のインテグレーテッドアンプSA750の実績を踏まえての採用である。定格出力は2ch駆動時140W(8Ω)、240W(4Ω)。プロセッサー部はドルビーアトモス、DTS:Xをデコード。音場調整機能EZSetEQ appに対応、スマホのマイク機能を使って手軽に部屋の音響伝送特性を補正することができる。またライセンスを別途取得(有償)すればDirac Liveのより高度なルームコレクションが運用可能だ。
 JBL PREMIUM AUDIO appを用いることでインターネットラジオを聴くことができる。ネットワーク上のオーディオサーバー内の音楽ファイルを再生することができる。またROON ReadyのためROON経由でこれらを楽しむことも可能だ。一方、フォノイコライザー(MM)を搭載、アナログレコード再生に対応。本国で本機は「レシーバー」だがAVサラウンドアンプというより、進化形ホームエンターテインメントセンターと呼ぶほうが多芸多才な本機を忠実かもしれない。なお、下位機に7.2ch構成のMA710 ¥121,000(税込)がある。(大橋伸太郎)