ミュージック・ペンクラブ・ジャパン
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エッセイ

最新号

「声とビジネス」

久道りょう

私たちは日々、言葉を使って仕事をしている。
会議で方針を伝え、部下を動かし、取引先と交渉し、未来を語る。
だが、その「言葉」は、本当に相手に届いているだろうか。

先日、ロータリークラブで「声とビジネス」というテーマで話をする機会をいただいた。
経営者の方々を前に、私はひとつの問いを投げかけた。
「同じ言葉でも、声が変わると、相手の受け取り方はまったく変わります」と。

私は音大の声楽を出て、長年、歌や声を専門に扱ってきた。歌手の声を分析し、一般の方やビジネスパーソンの声を聴き続けてきた中で、確信していることがある。
それは、声は、“その人の思考、感情、人生の履歴をそのまま映し出す”ということだ。

実際、ロータリーの場でも、ほんの少し声の出し方を変えるだけで、場の空気が変わる瞬間があった。
強く言わなくても伝わる声。
説得しなくても信頼される声。
声は、無意識のうちに「この人を信じていいか」を判断させている。
但し、そこには、必ず「声にチカラがある」という共通項がある。

この視点は、音楽の世界でも同じだ。
昨年12月に発売した拙著『なぜ、J-POPは世界の心をつかむのか』では、藤井風、Ado、YOASOBIなどの声を通して、日本の音楽がなぜ国境を越えるのかを分析した。
言葉が完全に理解できなくても、声のニュアンスや息遣いが感情を動かす。
そこにこそ、日本の音楽の強さがあるからだ。その理由は本に詳しく書いた。
それぐらい「声」というアイテムは、“人の心を動かす強い力”を持っている。

ビジネスも同様だ。戦略や数字だけでは、人は動かない。
最後に相手の背中を押すのは、声のチカラである。
声を磨くことは、話し方を整えることではない。自分自身の在り方を整えることなのだ。

声に意識を向けたとき、ビジネスの景色は確実に変わり始める。

◆物故者(音楽関連)敬称略

まとめ:上柴とおる

【2025年12月下旬~2026年1月下旬までの判明分】

・12/23:トム・グライド(フランス出身のディスコ・プロデューサー。DJ)64歳<日付は公表日>
・12/24:ケン・ホワイト(英壁画家、画家、イラストレーター。XTCのジャケットなども担当)82歳
・12/24:キム・ヨンデ(韓国の音楽評論家。米ワシントン大学で音楽人類学の博士号取得。韓国大衆音楽の解説者としてK-POPの裾野を広げた。著書に「BTSを読む なぜ世界を夢中にさせるのか」など)48歳
・12/25:ペリー・バモンテ(ザ・キュアーのギター、キーボード)65歳
・12/25:エイモス・ポー(パンク・ロックのドキュメンタリー映画「ブランク・ジェネレーション」の共同監督)76歳
・12/26:ドン・ブライアント(米メンフィスのR&Bシンガー・ソング・ライター)83歳
・12/28:ブリジット・バルドー(フランスの俳優。愛称‘ベベ’)91歳<日付は公表日>
・12/28:高田敬三(ジャズ評論家。「ミュージック・ペンクラブ・ジャパン」会員)86歳
・12/29:デニー・ツァオ(台湾のシンガー)66歳
・12/29:秋山隆(元NHKアナウンサー。「新日本紀行」「サンデージョッキー」「ラジオ深夜便」などを担当)88歳
・1/01:久米宏(フリー・アナウンサー。「ザ・ベストテン」「日本レコード大賞」の司会も担当。元TBS)81歳
・1/04:イ・スジョン(韓国のジャズ・サックス奏者。作曲家。22歳で米バークリー音大修士課程修了。‘ジャズの神童’。)27歳
・1/06:アンドリュー・ボドナー(グラハム・パーカー&ザ・ルーモアのベーシスト)71歳<日付は公表日>
・1/06:スマイリー原島(ミュージシャン、音楽プロデューサー、ラジオ・パーソナリティー。「フジロックフェス」のMCも担当)65歳
・1/07:天野裕之(映画ライター。雑誌「映画秘宝」社員)56歳
・1/09:福田時雄(「サンミュージック」名誉顧問)95歳
・1/09:テレンス・サリヴァン(元ルネッサンスのドラマー)87歳
・1/10:ボブ・ウィアー(グレイトフル・デッドの創設者)78歳<日付は公表日>
・1/15:ケニー・モリス(スージー・アンド・ザ・バンシーズの初期ドラマー)68歳
・1/15:長沢純(タレント。司会者。俳優。元スリー・ファンキーズ)84歳
・1/16:吉川洋一郎(作曲家。舞踊カンパニー「山海塾」やNHK「地球大紀行」の音楽などを担当)68歳
・1/17:ロジャー・アラーズ(米アニメーション映画監督。「ライオン・キング」の共同監督。「アラジン」「美女と野獣」「リトル・マーメイド」「オリバー/ニューヨーク子猫ものがたり」「リトル・マーメイドII ~RETURN TO THE SEA」「トロン」などにも参加)76歳
・1/19:ヴァレンティノ・ガラヴァーニ(イタリアを代表するオートクチュールのデザイナー)93歳
・1/22:フランシス・ブッフホルツ(元スコーピオンズのベーシスト)71歳