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ミュージカル「アニー」日本版上演30周年・・・・・・本田悦久(川上博)
日本テレビ制作のミュージカル「アニー」が初めて上演されたのは1986年。今年はそれから30年という、記念すべき年になった。
東京公演は4月25日~ 5月17日、新国立劇場 中劇場で行われた (筆者の観劇日は5月8日)。アニー役は黒川桃花と前田優奈のダブル・キャストで、この日は黒川嬢だった。演出は2001年以来15年目のジョエル・ビショップ。
舞台は1933年のニューヨーク。ダウンタウンにある孤児院で、女の子たちが、アル中で意地悪なミス・ハニガン (青木さやか) と暮らしている。12月初めのある夜のこと、幼いモリー (宮島瑠南) が亡くなったママの夢を見て泣いている。やさしいアニーは、モリーにせがまれるまま、両親が生まれたばかりのアニーを孤児院の前に置いていった時の「必ず迎えに行きますから・・・」との置手紙を読んで聞かせる。
11年待っても両親が現れないので、アニーは孤児院を脱出、親探しの旅に出る。途中、野犬狩りに追われた犬を助けサンディと名づけるが、警察にみつかって、孤児院に戻されてしまう。そこへ大金持ちのウォーバックス氏 (三田村邦彦) の秘書のグレース (木村花代) が現れ、クリスマス休暇に孤児を屋敷に招いて一緒に過ごしたいというウォーバックス氏のために、明るい笑顔のアニーを選んでサンディも一緒に豪邸に連れて帰る。
どんな環境にあっても、明るさを忘れないアニーは、仕事一筋だったウォーバックス氏の心をつかみ、やがて彼はアニーを養子にしたいと思い始めるが、実の両親を待つアニーは喜ばなかった。アニーの心を知ったウォーバックス氏は、、両親が現れたら、5万ドルの賞金を渡すとラジオ放送して、吉報を待つことにする。1930年代初め、アメリカは不況で、ルーズベルト大統領 (篠塚勝) はじめ政治家たちが悩んでいた。大統領に呼ばれたウォーバックス氏と一緒に、ホワイトハウスに来たアニーは、「夢見るだけでトゥモロウ・・・」と歌いだすと、「そうだ、歌うんだ、アニーのように・・・」と大統領に言われて、全員が歌い、希望を持ち始める。
さて、豪邸の前は5万ドル目当ての偽親が大勢集まった。ミス・ハニガンの弟ルースター (崎本大海) とその彼女リリー (甲斐まり恵) も、アニーの両親に化けて現れる。しかし、危機一髪ルーズベルト大統領の調査で、両親は亡くなっていたことが分かり、ミス・ハニガンたち三人は逮捕される。
一方、共にアニーの世話をするうちに、グレースの魅力に気づいたウォーバックス氏は、グレースにプロポーズ、一気にアニーには素敵なパパとママが。今日はクリスマス、孤児たちも招待され、賑やかにパーティが開かれる。
チャールス・ストラウス作曲の「メイビー・トゥマロー」「ハード・ノック・ライフ」「イージー・ストリート」等のミュージカル・ナンバーが素晴らしい。
アニー役だけでなく、孤児たちのパワーが光る舞台に、そして、続くタップキッズのタップを満喫した30周年記念公演だった。
なお、東京の後、大阪 (8月13日~19日シアター・ドラマシテイ)、福岡 (8月22~23日 福岡シンフォニーホール)、名古屋 (8月28~30日 愛知県芸術劇場大ホール)、新潟 (9月6日 新潟テルサ) での公演が予定されている。
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(余談) 筆者は1986 年から 2015年までの30年間に、2005年と2014年を除く28回観ている。また、日本テレビ制作以前の1978年の日生劇場、国外では1978年にブロードウェイ・アルヴィン劇場、1983年にロンドン・アデルフィ劇場、アルゼンチン・ブエノスアイレスのローラ・メンブリーヴス劇場、1985年に韓国ソウルの現代芸術劇場、1991年にメキシコ・シティ・ロス・インサージェンテス劇場、1999年にスエーデン・ストックホルムのゴータ・レジョン劇場等で色々な言語の「アニー」に出会っている。今でも耳に残っているのは、「マニャーナ、マニャーナ・・・」(トゥマロー、トゥマロー) のブエノスアイレス版だ。1920年代の新聞連載漫画だった「アニー」は、ミュージカルとなって、今でも世界中で楽しまれている。
<写真提供: 日本テレビ>
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