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「スウィート・ドリームズ/西藤ヒロノブ」(キング KICJ-770)
ニューヨーク、ハワイ、日本を拠点に世界各地のジャズ祭やライヴ活動している西藤ヒロノブも、着実に実力と知名度を高めてきた。バークレー在学中にスペインの名門ジャズ・レーベル、フレッシュ・サウンドからデビューして13年。今回初めてキングから第7作を発表した。自称であるアイランド・ジャズが基調ではあるが、広々とした穏やかな音楽世界はより生き生きとし、まろやかさと清涼感を増し、一段と高みに上った。バンドも録音場所も様々だが統一感があり、じつに美しい音で再現されている。その一端は世界最高峰テッド・ジェンセンのマスタリングによるところが大きい。西藤(g,ukulele),日野賢二(b)、マイロン・ウォルデン(sax)、ミルトン、マルコ等よき仲間に囲まれた好演で、大半が自作。新たな愛をたたえた「スウィート・ドリームズ」はじめ聞きやすく尚且つ底 が浅くない佳曲ばかりだ。スパニッシュほか多様な音楽性を取り入れたアーバン・ジャズ”Moving"も聴きごたえがある。(鈴木道子)
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