「Calabria Foti / In The Still Of The Night」(Moco 23-05)
ジャズ・ポップ・シンガーでバーブラ・ストレイサンドやポール・マッカ—トニー等の録音にも参加したヴァイオリニストでもあるカラブリア・フォーティーのソロとしては2012年の日本盤も出た「恋に過ごせし宵」に次ぐ3作目のアルバム。彼女は、ピーター・マーシャルやセス・マクファーレンなどともアルバムを作っている。今回は、有名なコール・ポーターのナンバー11曲をピアノのマイケル・パターソンのアレンジでインティメートな雰囲気で歌う。彼女の声は、多くの映画やTVでも使われていて、ジョニー・マティスが絶賛したというほど魅力的なものだ。エディ・ダニエルスのクラリネットやジーン・バートンシーニのギター、リチャード・ロッカーのチェロ、ボブ・マクチェスニーのトロンボーンを使った室内楽的なアンサンブルは、フォーティーの描くコール・ポーターの恋の世界を上手く色付けする。軽くスイングする「It's Alright With Me」の他は、ボサ・ノヴァもあるが、全体にゆっくりとしたテンポでしっとりと味わいのある歌を聞かせる。チェロとピアノだけのバックで歌うタイトル曲が特に印象的だ。(高田敬三)
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