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「MARU with クリヤ・マコト〜I CAN HANDLE IT」 (4月30日・武蔵野公会堂)
昨年12月にクリヤ・マコト・プロデュースのもと、初のジャズ・アルバムを発表したMARUのコンサートを吉祥寺音楽祭のステージで聴いた。自らを「新人のジャズ歌手です」と紹介するものの、R&B/ソウルの世界では10年以上のキャリアを持つ女性シンガー。豊かな声量、低域から高域までの伸びやかな声質、R&Bで培われた独特のグルーヴ感、聴衆を惹きつけるトーク、それらをバランスよく兼ね備えたステージは見ごたえ聞きごたえ十分。オープニングの「枯葉」に始まり、ジャズに生まれ変わった「Doesn't Really Matter」(ジャネット・ジャクソン)など新作アルバムの中から次々と心地よいスピート感テンポ感で曲を繰り出す。クリヤの見事なアイデアに乗せて歌う「Lover Man」「Misty」は出色だ。とても高度な歌唱技術であるスキャットは自然体の中から溢れ出てくるようだ。バックアップ・メンバーはクリヤ・マコト(p,com,arr)、早川哲也(b)、馬場孝喜(g)、松岡高廣(perc)。早川哲也は今回のレコーディング・メンバーではないが、ベテランの域に到達した息のあったプレイを聴かせた。アンコール曲「Everything Must Change」で90分のステージを締めくくった。(三塚 博)
撮影:週刊きちじょうじ
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