2017年6月 

  

Audio Blu-ray Disc Review

「サージェントペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」 50周年記念 <スーパー・デラックス・ボックス・セット>(Universal Music)
 アップルによるザ・ビートルズ関連のアーカイブは休みなく続いているが、仕立て直しのリプロダクトである「レット・イット・ビー…ネイキッド」や「イエローサブマリン〜ソングトラック」は別として、バンドが現役時代にリリースした12作(米キャピトル編集LP「マジカル・ミステリー・ツアー」が公式オリジナルアルバムに認定され現在は13作。)のオリジナルレギュラーアルバムの一枚が単独でアーカイブされたのは、今回の「サージェント…」が初である。
 今回の「サージェント…」記念エディション、日本ではSHM-CD、同2CD仕様、輸入盤LP二枚組、DVD/BDを含む6枚組<スーパー・デラックス・ボックス・セット>まで、4種類の記念エディションが発売される。LP二枚組を除く今回全ての仕様に共通する中核となる存在が、ジャイルズ・マーティン、サム・オケルによる2017年版全曲ステレオミックスだ。モノミックスはスーパー・デラックス・ボックス・セットのCD4にのみ収録される。
 1987年初出の旧盤はステレオの分離を重視したLPステレオミックスに準拠した結果、楽器定位が不自然であることはつとに知られる通り。音質も高域寄りのバランスでやや煩い。ノイズで音が曇り量感も損なわれている。それが新盤は帯域ことにローエンドの拡大が目覚ましく、楽器定位がまともになった。
 <スーパー・デラックス・ボックス・セット>のディスク2,3は、サージェントのセッションの初期テイクを録音時期の順に収録したもので、これを一枚にダイジェストしたものが2CDセットバージョンのCD2だ。
 <スーパー・デラックス・ボックス・セット>に含まれる二種の映像ディスク(DVD、BD)は記録フォーマットが違うだけでコンテンツは同じだ。ただし音声形式が異なる。
今回筆者は<スーパー・デラックス・ボックス・セット>のプルーフ(発売前試聴盤)全てを聴いた。詳しくは、下記URLの筆者記事を参照してほしい。
(大橋伸太郎)
http://www.phileweb.com/review/article/201705/26/2545.html