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「ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲 第1番 変ホ長調 Op.1-1、第2番 ト長調 Op.1-2 (WPCS-23317)、ピアノ三重奏曲 第3番 ハ短調 作品1-3、アレグレット 変ロ長調 Wo039(遺作)、ミュラーの私は”仕立屋のカカドゥ”による10の変奏曲 作品121a(カカドゥ変奏曲)、クラリネット三重奏曲 変ロ長調 作品11「街の歌」 (WPCS-23318)、ピアノ三重奏曲 第5番 ニ長調 作品70-1「幽霊」、第6番 変ホ長調 作品70-2、アレグレット 変ホ長調 Hess48、(WPCS-23319)、ピアノ三重奏曲 第7番 変ロ長調 作品97「大公」、14の変奏曲 変ホ長調 作品44、ピアノ三重奏曲 変ホ長調 Wo038、(WPCS-23320)/ ダニエル・バレンボイム(ピアノ)、ピンカス・ズーカーマン(ヴァイオリン)、ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) (ワーナー ミュージック・ジャパン、ワーナー・クラシックス/WPCS-23317,23318,23319、23320,但し23318の⑦〜⑨(クラリネット三重奏曲「街の歌」)のみピンカス・ズーカーマン(ヴァイオリン)ではなく、ジェルヴァーズ・ド・ペイエ(クラリネット)。全4枚は分売、全て1970年の録音で、海外マスター音源使用の再発盤)
このベートーヴェンのピアノ・トリオは演奏家にとっては致命的な中枢神経が犯され四岐が麻痺する難病、多発性脳脊髄硬化症のため夭折した天才女性チェリストのジャクリーヌ・デュ・プレ(1945年生まれ)が、難病に罹る以前の最盛期に当時の夫であったピアニストのダニエル・バレンボイム(1942年生まれ)、そして彼等の仲間だったピンカス・ズーカーマン(1948年生まれ)と共に当時のEMIに録音した貴重な全曲集である。彼等はほぼ同世代であり、録音当時最年長であったバレンボイムが28歳、デュ・プレ25歳、そして最も若いズーカーマンは22歳で世界でもトップ・クラスの若手として活躍しており、若さに溢れたエネルギッシュで音楽的にも素晴らしい演奏を聴かせてくれる。そして「街の歌」でクラリネットを吹いたペイエも当時44歳でロンドン交響楽団の首席であり、若い二人をリードする脂の乗りきった演奏を聴かせてくれる。この4枚の小品を含めた全集は非常に高い価値を持っている。 (廣兼 正明)
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