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「ボーイ・ソプラノ たったひとつの歌声」(ワーナー1000595133)
パブリックスクールに馴染めず友達もなく反抗的な生活を送る少年。ある日シングルマザーの母が交通事故死してしまう。歌の才能を認めた校長の計らいで国立少年合唱団に入団、ダスティン・ホフマン演じる厳格な教授にしごかれながら、次第に音楽を通じて心を開き持てる才能を開化させていく。
主人公の孤独な心象風景を映したやや沈んだコントラストの映像だが落ち着いた色彩と暗部に豊かなニュアンスが。寄宿制音楽学校の屋内や教会は重厚な階調と油彩画的などっしりした色彩で描かれ光線描写も美しい。
少年の肌は対比的に透き通って温かく柔らかいマゼンタ系。ディスプレイ(直下型LED バックライトTV、プロジェクター)の試金石。音楽をモチーフにした日本映画は本作の整音のていねいな仕事を見倣ってほしい。
音声はPCM5.1で通常の48kだが24bit。センターCH主体だが、コーラスの中からソリストのボーイ・ソプラノが分離して浮き上がりカメラに合わせLRへパンニングするなど巧みな効果。(大橋伸太郎) |