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「ロバータ・ガンバリ—ニ」 (2月11日 ファースト・ステージ・丸の内コットン・クラブ)
久し振りのガンバリ—ニは、一月末にブルー・ノートで公演したトランペットのロイ・ハーグローブのクインテットからハーグローブが抜けたサイドメン、ジャスティン・ロビンソン(alt)サリヴァン・フォートナー(p)エイミ—ン・サリーム(b)ジェレミー・クレモンズ(ds)を伴ってのステージだった。ヴァレンタイン・スペシャルというので先ずは、愛の歌、「Where Is Love?」をアカペラでしっとりと歌い上げ、アップ・テンポの「That Old Black Magic」へと続く。ブルーベックの「In Your Own Sweet Way」では、トランペットの様なスキャットでアルトのクレモンスと渡り合う。名盤「Sonny Side Up」のガレスピーとソニー・ステイット、ソニー・ロリンズのソロをヴォーカライズした十八番の「On The Sunny Side Of The Street」は、相変わらず素晴らしい。失恋の歌だというフランス語でピアノとマレットによるドラムスで歌ったバラード「Oblivion」は、今回初めて聞いた歌だが、印象に残るものだった。ボサ・ノヴァの「No More Blues」は、ポルトガル語から英語,そして延々とスキャットでアルトと絡むお得意のパターンだ。一転してピアノとデュオによる「A Time For Love」とメドレーで全員参加してくる「Never Let Me Go」そしてベースとのデュオから入り盛り上げてゆく「This Masquerade」、ジミー・ヒースとの最新アルバムからの「Without A Song」,ドラムスとのデュオから入る「From This Moment On」と歌の構成がワン・パターンになりがちなのが気になる。アンコールは、やはりピアノとのデュオで入る「Fly Me To The Moon」だった。彼女の歌は、スキャットなどテクニックは抜群で第一級品なのに、聴衆の心に訴えてくるものが希薄なのが残念だ。期待が大きすぎるのだろうか。(高田敬三)
写真:米田泰久
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