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「モーツァルト:後期三大交響曲〜交響曲第39番、第40番、第41番〈ジュピター〉/ニコラウス・アーノンクール指揮、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(オリジナル楽器使用)」(ソニー・ミュージックエンタテインメント、ソニー・クラシカル/SICC-30170〜1)
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス創立60周年記念リリースの第3弾である。約22年前にアーノンクールはモーツァルト没後200年記念特別演奏会でこの3曲をヨーロッパ室内管と演奏している。22年前と今回が異なるのは、オーケストラがオリジナル楽器によるウィーン・コンツェントゥス・ムジクスに代わったことと、これだけの歳月を経たアーノンクール自身の解釈で、この3曲をセットではあるが独立した曲と考えていたことと、今回は3曲を一つの統一された「器楽によるオラトリオ」との考えに至ったことである。それが明らかなのは新しいCDのライナーノーツでも彼が述べている第39番のフィナーレと第40番の第1楽章の間隔がほぼないことだ。これは如何にもアーノンクールらしい推察と確信である。前録音も当然のことながら現代楽器の弦楽器をはじめピリオド奏法だが、新録音は完全なピリオド楽器によるピリオド奏法であり、よりアーノンクールの考えが手兵のオーケストラにより見事に表現されている。(廣兼正明)
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