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「プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番、チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番、他/ベフゾド・アブドゥライモフ(ピアノ)ユライ・ヴァルチュハ指揮、RAI国立交響楽団」 (ユニバーサル ミュージック、デッカ/UCCD-1397)
このところ人気上昇のアブドゥライモフ初の協奏曲CDである。ウズベキスタンに生まれたアブドゥライモフは5歳からピアノを始め、8歳でウズベキスタン国立交響楽団との協演でデビューを果たしたという早熟な子供だった。それから16年経った今、彼は世界を駆け巡る人気ピアニストに成長し、多くの音楽ファンを楽しませている。彼の作り出す音楽は若い天真爛漫さと、持って生まれた落ち着いた成熟さを併せ持っている。勿論技術の素晴らしさは彼の音楽表現にとって不可欠であることは論を俟たない。今回のチャイコフスキー、プロコフィエフとも彼自身が選んだそうだが、若さの割に音楽の大きさを感じる演奏であり、このままで行けばこのピアニストの限りなく大きな将来を予感させてくれる。
尚、指揮をしているユライ・ヴァルチュハはスロヴァキアのブラチスラヴァ出身の若手だが、協奏曲の伴奏にかけては見事なセンスを披露している。(廣兼 正明)
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