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「トゥトゥ・プワネ/イランガ」(インパートメントAGIP 3547)
トゥトゥ・プワネは、南アフリカ出身、1979年生まれのヨーロッパで活躍する中堅ジャズ・シンガー。2007年に初アルバム「SONG」を発表、ご主人のエ—ワウト・ピエルー(p)のトリオニ曲によってトランペット、テナー、ギターが入る伴奏でボブ・ドロウの「Just About Everything」ジョニ・ミッチェルの「A Case Of You」等を歌うもので日本盤も発売され注目された。その後、「Quiet Now」、南アフリカの先輩、ミリアム・マケバに捧げる「Mama Africa」、「Breathe」,「Live In Roma」と既に4枚のアルバムを発表している。彼女は、二—ナ・シモンのように押しつけがましさは、ないが、祖国アフリカの誇りを歌に込めて歌っている事を強く感じさせるシンガーだ。本アルバムでもエーワウトのトリオにトランペットとテナー、そして曲によりコーラスも入り工夫されたアフリカらしいリズムで自作のナンバーも含めて、時にはアフリカの言葉を交えてピュアでしなやかな声で歌っている。通常歌われる歌詞とは違う1930年にルース・エッチングが録音したヴァース付きの歌詞で歌う「Body and Soul」が特に印象に残った。注目のシンガーだ。
(高田敬三)
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