アトリエ・ダンカン制作の「女子高生チヨ」の宣伝用チラシを見て驚いた! 何と木の実ナナが女子高生姿で写っている。確か還暦を過ぎたナナさん、いくら若々しいとはいえ、高校生役をやるとは・・・と早トチリ。実は、ひうらさとるの漫画を原作にしたミュージカルで、そのモデルとなったおばあちゃん高校生藤井千代江さんが実在すると知り、二度びっくり。 |
劇場に着いて手にしたプログラムは大学ノート状になっていて、観る前からちょっぴり学生気分。さて、65歳のチヨ(木の実ナナ)は3年前に夫(大和田獏)に先立たれ、寂しさを紛らわす為に、夜学高校に入学する。それを知ったアメリカにいるシングル・マザーでキャリア・ウーマンの娘は驚いて、日本に残している娘(チヨの孫)の鞠子(高橋愛)に様子を見守るように頼む。 |
鞠子は音大の受験に失敗、約束では嫌っている母親の元に行くことになっていたので、日本に留まり、お祖母ちゃんを見守る役を喜んで引き受ける。チヨは張り切って入学したものの、やはり、若者に交じって勉強についていくのは、至難の業でかなり落ち込み、鞠子はやきもきする。夫の幽霊が現れて励ましてくれたり、学校の理事に元同級生のツネ吉(大和田獏の二役)がいて昔話に話が弾んだりと、そこは漫画が原作なので、自由な展開で見ていて楽しい。 |
チヨは仕事熱心な先生(新納慎也)に助けられて補習を受けて何とかやっていかれるようになる。働きながら学ぶ他の生徒たちとも、段々溶け込み始め、オバアチャン高校生は、本来の明るさを取り戻していく。働きながら夜学に通う他の学生たちも、様々な問題を抱えながら、チヨの前向きな生き方に少しずつ影響を受け、学園祭には普通科の学生に負けまいと、夜学生だけでなく、父兄(?)の鞠子も特別参加で舞台を盛り上げる。
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この公演は、16歳でデビューした木の実ナナの祝デビュー50周年記念ミュージカルとのことで、懐かしい既製曲を使い、脚本・斎藤栄作、演出・板垣恭一、他の若い出演者、馬場徹、大山真志、才川コージ、大橋ひろえ、窪塚俊介等も、若い!ナナさんの刺激を受けて、大いにハッスル、生き生きとした楽しい舞台となっていた。
〈写真提供: アトリエ・ダンカン〉 |