わずか27歳で去ってしまったギタリストのプライベートなプロフィールが見る事ができる。よく見ると、マッシュルームカットのボーイッシュな顔、しかしいつも哀(かな)しみと何かに取り憑(つ)かれた風貌(ふうぼう)が撮られている。ジャレッドは、ブライアンは写真嫌いだったと言っていたそうだ。しかし、アルバム『Between The Buttons』の撮影をスタジオ収録のあとに、ブライアンが一台の車にメンバー乗り込ませて、ロンドン郊外に誘い撮影した思い出があるという。そのブライアンの写真には、来るべき影が映っている。そして、愛車アストン・マーティンの前で足を組んで座っているミック・ジャガーの何と可愛らしい事か。この2人の他にメンバーもまさに、まだ顔のシワも刻まれてない、初々しい、しかし先行き不安のある当時のストーンズのフェイスが写っている。
写真家ジャレッド・マンコーウイッツは、1945年ロンドンに生まれ。ファッション、舞台写真を学び19歳でスタジオオープン。 かのストーンズと因縁の深い歌手、マリアンヌ・フェイスフルを撮った事がきっかけで、ストーンズのマネージャーに認められ、20歳そこそこでオフィシャル・カメラマンとなる。初期ストーンズのアルバム『Out Of Our Heads』『Got Live If You Want It』『Big Hits』『Between The Buttons』を手がける。