ボブ・ディランが2001年以来、9年ぶりに来日した。しかも今回の来日公演は小さな会場だけを回るライヴ・ハウス・ツアーだった。ZEPP大阪(2200人収容)で3月11、12、13、15、16日の5回。ZEPP名古屋(1800人収容)で18、19日の2回。ZEPP東京(2700人収容)で21、23、24、25、26、28、29日の7回、計14公演を日本で行ったディランは、3月31日の韓国ソウル公演で2010年ネヴァーエンディング・ツアーの第1期を終了した。
当初発表されたスケジュールでは、日本公演の後、4月2日台北、4日北京、6日上海、8日香港、10日頃ソウルの日程が組まれていたが、実際にはソウルのコンサートだけが前倒しで実現した。香港のサンデー・モーニング・ポスト紙は、2年前にビョークが上海公演で「チベット!」と連呼して以来、中国文化庁は外国人アーティストのコンサートにかなり過敏になっていて、ディランの北京公演と上海公演の許可を出さなかったと伝えている。別の情報によると、ディランの中国公演の権利を持つ台湾のプロモーターが、北京と上海の公演を法外な値段で売ろうとしたために実現しなかったという。はたしてディランが中国本土でコンサートを行える日はいつになるのだろうか。
ディランは1回のステージで17曲、日本と韓国を含めた15回のコンサートでのべ257曲、異なる歌にかぎると66曲を歌った。つまり、毎日セットリストが大きく変わる。さらに同じ曲でも、日によって歌い方が変る。これがディランのライヴの大きな魅力だ。
ぼくは過去のディランの来日公演はすべて見てきたし、毎年、アメリカにも見に行くようにしている。昨年のアメリカ・ツアーは、11月にボストンとニューヨークで6公演を見たが、今回の日本公演もそれらとほぼ同じ形でおこなわれた。したがってぼくには内容面での新鮮さはあまりなかったが、9年ぶりの日本、しかもライヴ・ハウス&スタンディングということで、大きな感動と興奮を覚えた。ディラン自身の調子も、昨年より良かったと思う。ギターにチャーリー・セクストンが戻ってから演奏を重ねたことで、バンドのまとまりもよくなった。ディランが1988年にスタートさせたネヴァーエンディング・ツアーを20年近く毎年見てきたが、そのなかでも今回の日本公演は上位にランクされる出来だった。
今回の日本公演の感動はこの先何年も続く。でも9年は待てない。できる限り早い時期に、戻って来てほしいと願っている。その時は、中国を含むアジア・ツアーが実現すると信じている。
メンバーは・・・
*BOB DYLAN,
*TONY GARNIER (bass),
*DON HERRON (steel guitar / mandolin / violin / trumpet),
*STUART KIMBALL (guitar),
*GEORGE RECILE (drums / percussion),
*CHARLIE SEXTON (guitar)
●3月11日 ZEPP OSAKA
ボブは上下黒の衣装、パンツのサイドに赤色のストライプ。黒のスペイン帽子。ピンクのシャツ。
1. Watching The River Flow
ボブ:キーボード。注目の2010年の幕開きは、09年秋のツアーでもオープニングでよく歌われた「河の流れを見つめて」。
2. Girl From The North Country
ボブ:ギター。トニー:ウッドベース。ステージを包むように設置された黒幕に美しい雪模様のように照明が当てられた。ボブとチャーリーがツイン・リードで絡み合う。
3. Things Have Changed
ボブ:ギター。ドニー:ペダルスティール。スチュ:アコースティックギター。ボブのリードギターが冴える。
4. To Ramona
ボブ:キーボード。ドニー:マンドリン。トニー:ウッドベース。ボブが艶やかなヴォーカルを聴かせる。
5. High Water (For Charlie Patton)
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:バンジョー。ボブは両手を広げ、セクシーなポーズを決める。エンディング近くでハーモニカを演奏。
6. Spirit On The Water
ボブ:キーボード&ハーモニカ。ドニー:ペダルスティール。トニー:ウッドベース。「ピークが過ぎたと思っているのかい?」と歌う最後の部分では、日本の観客も「ノー!」と反応した。
7. The Levee's Gonna Break
ボブ:キーボード。ドニー:マンドリン。トニー:ウッドベース。照明が効果をあげる。
8. I Don't Believe You (She Acts Like We Never Have Met)
ボブ:ステージ中央、ハンドマイク。ドニー:ペダルスティール。鍵盤のような縦縞の模様の照明がバックの黒幕にあてられる。
9. Cold Irons Bound
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ペダルスティール。両手を広げ、決めのポーズを何度もとる。
10. A Hard Rain's A-Gonna Fall
ボブ:キーボード。トニー:ウッドベース。ドニー:マンドリン。スチュ:アコースティックギター。スタッカートのリズムで美しいメロディを刻む。最後にボブは「どうだった」と問いただすかのような仕草を見せる。
11. Highway 61 Revisited
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。こんがらがった輪っかのような照明が当てられ、ボブは上半身を上下に揺するノリノリ・ダンスを披露。ステージ上でミュージシャンたちがエネルギーをぶつけ合う。ジャム・バンドの極みを観た。
12. Can't Wait
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:。マンドリン。バックの黒幕に映し出されたシルエットが幻想的でドラマチックなムードを高める。
13. Thunder On The Mountain
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。スチュ:アコースティックギター。この夜初めてステージ全体に明るい照明が当てられた。ボブのリード・オルガンに呼応するようにチャーリーのギターが絡み合う。
14. Ballad Of A Thin Man
ボブ:ステージ中央、ハンドマイク&ハーモニカ。黒幕にシルエットが映し出され、ボブは腰を深くかがめて得意ポーズを何度も決める。
メインセットが終わり、10分後にアンコールセットが始まる。バックに大きなアイロゴの幕が飾られる。
15. Like A Rolling Stone
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。コーラス部分で、客席にスポットライトが当てられる。
16. Jolene
ボブ:キーボード&ハーモニカ。トニー:ウッドベース。リード・キーボードといわんばかりに、ボブがみんなを引っ張る。
(メンバー紹介)
この夜、歌以外でボブが声を発したのは、このときだけ。
17. All Along The Watchtower
ボブ:キーボード。スチュ:リードギター。ボブが5人のミュージシャンをぐいぐいと引っぱり、エネルギーのほとばしる自由な絡み合いがステージで展開。究極のジャム・バンドの演奏をバックに、自由に歌うボブは、まさにことばの魔術師のようだ。
場内の明かりがついても、アンコールを求める拍手と歓声は静まらなかったが、ボ
ブは戻ってこなかった。
●3月12日 同
ボブは上下黒の衣装、パンツのサイドに白のストライプ。黒のスペイン帽子。グリーンのシャツ。バンドはグレーの上下。
1. Leopard-Skin Pill-Box Hat
ボブ:キーボード大阪2日目のオープニングが変わったことで、今夜は大幅なセットリストの変化の予感。
2. Lay, Lady, Lay
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ(1小節ごとに歌とハーモニカを交互にくりかえす)。初日と同様、ステージを包むように設置された黒幕に美しい雪模様のように照明が当てられた。セットリスが変わっても、ライティング
までは変更できない。
3. Beyond Here Lies Nothin'
ボブ:キーボード、ドニー:トランペット。昨年秋よりもトランペットがより強調される。
4. Don't Think Twice, It's All Right
ボブ:ステージ中央、ギター。トニー:ウッドベース。ボブはデューセンバーグではなく、サンバーストのストラトでチョーキングを多様するリードギターを演奏。
5. The Levee's Gonna Break
ボブ:キーボード、トニー:ウッドベース、ドニー:マンドリン。5曲目にして、初めて初日のセットリストと重なる。
6. Just Like A Woman
ボブ:キーボード、曲の終わりはステージ中央に移動、ハーモニカ。最後にハーモニカを投げた。
7. Tweedle Dee & Tweedle Dum
ボブ:キーボード、曲の終わりはステージ中央に移動、ハンドマイク&ハーモニカ。
8. Make You Feel My Love
ボブ:キーボード、ハーモニカ。ハーモニカのイントロ、途中はリード・ハーモニカと言えるほど、今夜はハーモニカ・ナイト。
9. Honest With Me
ボブ:キーボード。パワフルなヘヴィー・ブルースの仕上がり。
10. Po' Boy
ボブ:キーボード&ハーモニカ、トニー:ウッドベース(弓で演奏)。
11. Highway 61 Revisited
ボブ:キーボード。ジャム・バンドのパワーを発散。
12. I Feel A Change Comin' On
ボブ:キーボード。初日のメインセットでは『トゥゲザー・スルー・ライフ』から1曲も歌わなかったのに、今夜ははやくも2曲目だ。
13. Thunder On The Mountain
ボブ:キーボード。
14. Ballad Of A Thin Man
ボブ:ステージ中央、 ハーモニカ。
メインセットが終わり、10分後にアンコールセットが始まる。バックに大きなアイロゴの幕が飾られる。
15. Like A Rolling Stone
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。観客は初日以上にもりあがる。コーラス部分で、客席にスポットライトが当てられる。
16. Jolene
ボブ:キーボード&ハーモニカ。トニー:ウッドベース。
(メンバー紹介)
この夜、歌以外でボブが声を発したのは、このときだけ
17. All Along The Watchtower
ボブ:キーボード。スチュ:リードギター。
●3月13日 同
ボブは上下黒の衣装、パンツのサイドに白色のストライプ。
黒のスペイン帽子。黒地に白の水玉模様のスカーフ襟シャツ。
1. Stuck Inside Of Mobile With The Memphis Blues Again
ボブ:キーボード。スチュ:アコースティックギター。ドニー:ペダルスティール。3夜連続でオープニング曲が違う。こんなアーティストはほかにいない。今夜もセットリストの大幅変更が期待できる。
2. The Man In Me
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:トランペット。予想していた雪模様の照明は使われなかった。
3. I'll Be Your Baby Tonight
ボブ:ステージ中央、ストラトキャスター。スチュ:アコースティック・ギター。ドニー:ペダルスティール。昨夜と同様、デューセンバーグではなく、ストラトでリードを演奏
4. Love Sick
ボブ:キーボード。ドニー:マンドリン。
5. Rollin' And Tumblin'
ボブ:キーボード。ドニー:マンドリン。チャーリー:ボトルネック。
6. The Lonesome Death Of Hattie Carroll
ボブ:キーボード&ハーモニカ。ドニー:マンドリン。ボブがヴォーカルで伸びのある艶やかな低音を聴かせる。
7. Tweedle Dee & Tweedle Dum
ボブ:キーボード。スチュとチャーリーが掛け合いでリードをとる
8. I Don't Believe You (She Acts Like We Never Have Met)
ボブ:キーボード&ハーモニカ。ドニー:ラップトップ。スチュ:リード。
9. Ballad Of Hollis Brown
ボブ:ステージ中央ハンドマイク、ハーモニカ。ドニー:バンジョー。トニー:ウッドベース(弓)。薄暗いステージ、バックに映し出されるシルエット。サウス・ダコタの亡霊がうろついているような幻想的なムードに包まれる。
10.Shelter From The Storm
ボブ:キーボード。トニー:ウッドベース。ドニー:ペダルスティール。めずらしくジョージがきざむドラムだけを残し、チャーリー、スチュ、ドニーと順にソロをとるという新アレンジだ。この歌が登場するのは約2年ぶり。
11.Highway 61 Revisited
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。ボブのオルガン・リフに呼応してチャーリーがギター・リフを演奏。ノリノリのジャム・バンド。
12.Not Dark Yet
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ラップトップ。スチュ:アコースティック・ギター。雪模様の照明がここで使われた。今夜のハイライトの1曲。
13.Thunder On The Mountain
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。スチュ:アコースティックギター。
14.Ballad Of A Thin Man (Bob on center stage on harp)
ボブ:ステージ中央、ハンドマイク&ハーモニカ。ドニー:ラップトップ。ボブはを広げ、得意ポーズをきめる。
メインセットが終わり、10分後にアンコールセットが始まる。バックに大きなアイロゴの幕が飾られる。
15. Like A Rolling Stone
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。コーラス部分で、客席にスポットライトが当てられる。
16. Jolene
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。トニー:ウッドベース。
(メンバー紹介)
この夜、歌以外でボブが声を発したのは、このときだけ。
17. All Along The Watchtower
ボブ:キーボード。スチュ:リードギター。今夜は、連日聴かせてくれた階段を昇降するようなメロディーが登場しなかった。
●3月15日 同
ボブは上下黒の衣装、パンツのサイドにラインストーンの輝くストライプ。グレーのスペイン帽子。ブルーのラメ入りシャツ。バンドはグレーの上下。チャーリーだけ黒。
1. Watching The River Flow
ボブ:キーボード。3日サイクルのローテーションなのだろうか、あるいは会場の横を流れる咲州キャナルに刺激されたのだろうか、4日目は初日と同じ曲で始まった。
2. Senor (Tales Of Yankee Power)
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ラップトップ。黒幕に美しい雪模様のように照明が当てられ、2010年初登場の「セニョール」。「リンカーンカウンティロードでもハルマゲドンに向かうのでもいい、どこまでもボブについていくよ」と、心の中で叫びたくなるほどの感動を覚える。早くも今夜のハイライトの1曲だ。ボブは両手を広げ、セクシーなポーズを決める。
3. I'll Be Your Baby Tonight
ボブ:ステージ中央、ストラトキャスター。スチュ:アコースティック・ギター。ドニー:ペダルスティール。デューセンバーグではなく、今夜もストラトでリードを演奏。ドニーのペダルスティールが13日よりも強調され、ボブのギターにチャーリーも加わって3人が展開するジャム演奏に興奮させられる。
4. High Water (For Charlie Patton)
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:バンジョー。
5. The Levee's Gonna Break
ボブ:キーボード。ドニー:マンドリン。トニー:ウッドベース。今年、早くも3度目の登場。
6. Tryin' To Get To Heaven
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。薄暗い照明のなかで、2010年初登場の「トライン・トゥ・ゲット・トゥ・ヘヴン」が歌われる。「天国への扉が閉じられる前に、たどりつきたい」という願いが心に突き刺さるほどの好演。
7. Cold Irons Bound
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ラップトップ。
8. Desolation Row
ボブ:キーボード。ドニー:マンドリン。トニー:ウッドベース(弓)。スチュ:アコースティック・ギター。ボブの物語を伝えるパワーに圧倒される。廃墟の街から送られてきた手紙。そこにはシンデレラ、ロビンフッドに扮したアインシュタイン、カサノバが登場する。さまざまな奇妙な光景が、まるで現実のように浮かび上がる。
9. Stuck Inside Of Mobile With The Memphis Blues Again
ボブ:キーボード&ハーモニカ。スチュ:アコースティックギター。ドニー:ペダルスティール。3日目の1曲目がここで登場。前曲の不思議な世界がそのまま続いているような世界が広がる。ボブは、1小節、あるいは1単語ごとにヴォーカルとハーモニカを交互にくりかえす。
10. Man In The Long Black Coat
ボブ:ステージ中央、ストラト。ドニー:ラップトップ。ビートを効かせ、スピードを速めたヴァージョン。薄暗い照明の中で不気味な雰囲気が生まれる。今夜のハイライトの1曲。
11. Highway 61 Revisited
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。こんがらがった輪っかのような照明が当てられ、ボブは上半身を上下に揺するノリノリ・ダンスを披露。客席の後方から「ハード・ロックや」と驚く声が聞こえてきた。確かにジャム・バンドのような激しい演奏が繰り広げられる。
12. Spirit On The Water
ボブ:キーボード&ハーモニカ。ドニー:ペダルスティール。トニー:ウッドベース。ジョージ:ブラシ。初日は「ピークが過ぎたと思っているのかい?」と歌う最後の部分で観客「ノー!」と反応したが、今夜は残念ながら僕には聞こえなかった。
13. Thunder On The Mountain
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。スチュ:アコースティック・ギター。ステージ全体が明るい照明に照らされ、ボブのリード・オルガンに呼応するようにチャーリーのギターが絡み合う。
14. Ballad Of A Thin Man
ボブ:ステージ中央、ハンドマイク&ハーモニカ。黒幕にシルエットが映し出され、ボブは腰を深くかがめて得意ポーズを何度も決める。気が早すぎるかもしれないが、この曲は2010年ツアーのハイライトの1曲になるだろう。
ニュー・アルバム『トゥゲザー・スルー・ライフ』の収録曲は1曲も歌わなかった。メインセットが終わると、バックに大きなアイロゴの幕が飾られ、10分後にアンコールセットが始まる。
15. Like A Rolling Stone
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。コーラス部分で、客席にスポットライトが当てられる。
16. Jolene
ボブ:キーボード&ハーモニカ。トニー:ウッドベース。リード・キーボードといわんばかりに、ボブがみんなを引っ張る。
(メンバー紹介)
この夜、歌以外でボブが声を発したのは、このときだけ。メンバー紹介の途中で、客席からボブにギターが贈られる。後で聞くと、とあるギター工房の人が、ボブのために作ったギターだという。ボブはうれしそうな表情で受け取った。
17. All Along The Watchtower
ボブ:キーボード。スチュ:リードギター。ボブが5人のミュージシャンをぐいぐいと引っぱり、エネルギーのほとばしる自由な絡み合いがステージで展開。ニール・ヤングの「ライク・ア・ハリケーン」を連想するリフも演奏される。今夜は、階段を昇降するようなヴォーカルはなかった。
●3月16日 同
ボブは上下黒の衣装、パンツのサイドに赤のストライプ。黒のスペイン帽子。赤いシャツ。バンドはグレーの上下。チャーリーだけ黒。
1. Cats In The Well
ボブ:キーボード。ドニー:ヴァイオリン。前日、3日サイクルのローテーションなのだろうかと書いたのは、間違いだった。5回のショーを終えた時点でオープニング曲だけでも4つの違った曲の登場。この曲でヴァイオリンが初めて演奏された。
2. This Wheel's On Fire
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ペダルスティール。ボブは両手を広げるポーズを何度もとる。ハーモニカの演奏に圧倒される。今夜は、ハーモニカ・ナイトの予感。
3. Summer Days
ボブ:キーボード。トニー:ウッドベース。ドニー:ペダルスティール。トニーがウッドベースをぐるりと回す乗りのポーズを見せるまでにはいたらなかったが、曲の後半は興奮のジャム大会。
4. I Don't Believe You (She Acts Like We Never Have Met)
ボブ:ステージ中央、ハンドマイク。ドニー:ペダルスティール。11日、13日に続いて3度目の登場。
5. Forgetful Heart
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。スチュ:アコースティックギター。ドニー:ヴァイオリン。トニー:ウッドベース(弓)。ジョージ:ボンゴ。「ドアは永遠に閉じられたままなのか、そもそもドアがあるとしたなら」暗すぎると思うほどの薄暗いステージ、物悲しさが倍増される。今夜のハイライト。
6. Most Likely You Go Your Way (And I'll Go Mine)
ボブ:キーボード。スチュ:アコースティックギター。ドニー:ラップトップ。鍵盤を連想させる照明がここで使われる。
7. John Brown
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。スチュ:アコースティックギター。ドニー:バンジョー。トニー:ウッドベース。ジョージ :ブラシ。ボブのハーモニカに圧倒される。たしかに今夜はハーモニカ・ナイトだ。
8. Under The Red Sky
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。スチュとチャーリーがツイン・リードを披露。
9. Honest With Me
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。張りつめたジャムを展開。
10. Masters Of War
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。スチュ:アコースティック・ギター。トニー:ウッドベース。ボブがオルガンで昇降メロディーを弾きながら説得力あふれるヴォーカルを聴かせる。50年近く経ってもメッセージは色褪せない。改めて歌の持つパワーに感動させられる。
11. Highway 61 Revisited
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。ボブのオルガンがミュージシャンをあおるように鳴り響き、自由奔放なジャムがくりひろげられる。
12. Po' Boy
ボブ:キーボード&ハーモニカ。ドニー:ペダルスティール。スチュ:アコースティックギター。トニー:ウッドベース。雪模様の照明が登場。
13. Thunder On The Mountain
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。 スチュ:アコースティック・ギター。明るい照明に照らされ、今夜もノリノリのジャムが繰り広げられる。
14. Ballad Of A Thin Man
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ラップトップ。ボブはブリッジでみごとなハーモニカを演奏、後半はハンドマイクで歌う。黒幕にシルエットが映し出され、ボブは腰を深くかがめて得意ポーズを何度も決める。間違いなく2010年ツアーのハイライトだ。
メインセットが終わり、10分後にアンコールセットが始まる。バックに大きなアイロゴの幕が飾られる。
15. Like A Rolling Stone
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。コーラス部分で、客席にスポットライトが当てられる。
16. Jolene
ボブ:キーボード&ハーモニカ。トニー:ウッドベース。リード・キーボードといわんばかりに、ボブがみんなを引っ張る。
(メンバー紹介)
この夜、歌以外でボブが声を発したのは、このときだけ。
17. All Along The Watchtower
ボブが5人のミュージシャンをぐいぐいと引っぱり、エネルギーのほとばしる自由な絡み合いがステージで展開。今夜も階段を昇降するようなヴォーカルはなかった。
大阪5日間で48曲のナンバーを披露。こうして大阪のミラクル5日間は終わった。
●3月18日 ZEPP NAGOYA
ボブは上下黒の衣装、パンツのサイドに白色の太い2本のストライプ。黒のスペイン帽子。紫色のシャツ。バンドは黒のラメ入りスーツ。
1. Rainy Day Women #12 & 35
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。小雨が降る夜にふさわしい初登場のオープニング曲。みんなぶっ飛んだにちがいない。
2. The Man In Me
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:トランペット。大阪3日目よりも派手に両手を広げるジェスチャーをり返す。エンディングに向うハーモニカが感動的。
3. Beyond Here Lies Nothin'
ボブ:キーボード、ドニー:トランペット。大阪2日目よりもトランペットが効果的に響く。
4. A Hard Rain's A-Gonna Fall
ボブ:キーボード。トニー:ウッドベース。ドニー:マンドリン。スチュ:アコースティック・ギター。大阪初日のようなスタッカートで刻む歌い方ではなく、昇降メロディーもない、かなり自然な仕上がり。
5. The Levee's Gonna Break
ボブ:キーボード。ドニー:マンドリン。トニー:ウッドベース。早くも4度目の登場。ボブは右手でキーボードを弾きながら、時折左手で客席を指差す動作を繰り返す。ボブのキーボードがリードをとり、奔放なジャムを展開。
6. Girl From The North Country
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。スチュ:アコースティックギター。ドニー:ペダルスティール。トニー:ウッドベース(弓)。ジョージ:ブラシ。大阪初日はボブがギターを弾いたが、今夜はヴォーカルとハーモニカに専念。雪模様の照明の下、ワン・フレーズごとにハーモニカをはさみこむ。
7. Tweedle Dee & Tweedle Dum
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ペダルスティール。大阪ではキーボードを弾きながら歌っていが、今夜は最初からステージ中央で歌う。みだれスポットライトが初登場。
8. Can't Wait
ボブ:キーボード、ハーモニカ。ドニー:マンドリン。大阪初日とちがってボブは前半をキーボードを弾きなが歌い、後半はステージ中央に移動。鍵盤模様の照明がここで使われる。
9. I Don't Believe You (She Acts Like We Never Have Met)
ボブ:キーボード&ハーモニカ。ドニー:ラップトップ。スチュ:リード。
10. Love Sick
ボブ:キーボード。ドニー:マンドリン。
11. Highway 61 Revisited
ボブ:キーボード&ハーモニカ。ドニー:ラップトップ。これまでと違って今夜はハーモニカのイントロで始める。こんがらがった輪のような照明に新たに濃淡の揺れも加わる。
12. Shelter From The Storm
ボブ:キーボード。トニー:ウッドベース(弓)。ドニー:ペダルスティール。ボブのキーボードとジョージがきざむドラムだけを残し、チャーリー、スチュ、ドニーと順にソロをとる新アレンジ。
13. Thunder On The Mountain
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。スチュ:アコースティックギター。ボブが腰をくねらせるダンスを披露。
14. Ballad Of A Thin Man
ボブ:ステージ中央、ハンドマイク&ハーモニカ。ドニー:ラップトップ。黒幕にシルエットが映し出され、ボブは腰を深くかがめて得意ポーズを何度も決める。メインセットの最後に、めずらしく客席に向かっておじぎをして去って行った。
メインセットが終わり、10分後にアンコールセットが始まる。
バックに大きなアイロゴの幕が飾られる。
15. Like A Rolling Stone
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。コーラス部分で、客席にスポットライトが当てられる。
16. Jolene
ボブ:キーボード&ハーモニカ。トニー:ウッドベース。ボブがミュージシャンをあおるようにキーボードを演奏。
(メンバー紹介)
この夜、歌以外でボブが声を発したのは、このときだけ。
17. All Along The Watchtower
ボブ:キーボード。スチュ:リードギター
名古屋初日は、初登場曲こそ1曲だけだったものの、1800人の小さな会場ということもあり、甲乙つけがたい盛り上がりをみせた。
3月19日 同
ボブは上下黒の衣装、パンツのサイドに白色のストライプ。黒のスペイン帽子。緑色のシャツ。バンドはグレーのスーツ。
1. Leopard-Skin Pill-Box Hat
ボブ:キーボード。オープニングは大阪2日目と同じだったが、照明が変わった。ばらばらに向いていたスポットライトが一瞬でステージに集められ、観客の意識も音楽に吸い込まれる。
2. Lay, Lady, Lay
ボブ:ステージ中央、ストラトキャスター。スチュ:アコースティックギター。ドニー:ペダルスティール。2曲目も大阪2日目と同じだったが、今夜はギターを弾きながら歌った。ハーモニカの演奏も、雪模様の照明もない。
3. Things Have Changed
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。スチュ:アコースティックギター。大阪初日はギターを弾きながら歌った曲だが、今夜はキーボードで歌った。ほんとに変わった人だ。ドローン効果のようにコードを奏でるキーボードに変わったことで、手の動きがリズムから解放されて、より歌い方が自由になったように聴こえた。最後のオルガン、ギター、ペダルスティールによるトリプル・リードに興奮。
4. Just Like A Woman
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。スチュ:アコースティックギター。大阪2日目は最後にステージ中央に移動しハーモニカを演奏したが、今夜はキーボードに専念。客は大声でコーラス部分を歌うが、ボブの歌い方とあう訳もない。それでも、互いに楽しむかのようにチャレンジし続けた。
5. The Levee's Gonna Break
ボブ:キーボード、トニー:ウッドベース、ドニー:マンドリン。5曲目にして、初めて昨夜のセットリストと重なる。
6. Every Grain Of Sand
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。スチュ:アコースティックギター。2010年初登場曲。今夜ハーモニカが登場したのも初めて。このツアーから観せ始めているヴォーカルとハーモニカを交互に入れる器用な歌い方も披露。薄暗い照明の下で、間奏で感動的なハーモニカを聴かせた。
7. Cold Irons Bound
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ラップトップ。ストップ&スタートを効果的に組み込み、熱のこもったハーモニカ演奏を披露。ジョージのパワフルなドラミングに圧倒される。
8. Sugar Baby
ボブ:キーボード、トニー:ウッドベース、ドニー:ペダルスティール。スチュ:アコースティックギター。ジョージ:ブラシ。2010年初登場曲。ボブの優しい歌い方に感動。最後はトニーが弓でベースを演奏して締めくくる。
9. Honest With Me
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。スチュがリード・ギターをとるパワフルなヘヴィー・ブルース。
この曲で鍵盤(竹林)のような照明が使われる。
10. Desolation Row
ボブ:キーボード&ハーモニカ。ドニー:マンドリン。トニー:ウッドベース(弓)。
スチュ:アコースティック・ギター。ジョージ:ボンゴ。15日の大阪同様、ボブの物語を伝えるパワーに圧倒される。オルガン、マンドリン、ハーモニカが印象に残る熱演を繰り広げる。
11. Highway 61 Revisited
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。信頼できるドラム&ベースのリズムセクションに支えられた
ジャム演奏が繰り広げられる。毎回欠かすことのない曲だが、聴くたびに興奮する。飽きることはない。
12. Spirit On The Water
ボブ:キーボード&ハーモニカ。ドニー:ペダルスティール。トニー:ウッドベース。ジョージ:ブラシ。初日は「ピークが過ぎたと思っているのかい?」と歌う最後の部分で観客「ノー!」と反応したが、3度目の登場となる今夜は残念ながら聞こえなかった。
13. Thunder On The Mountain
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。スチュ:アコースティックギター。ステージ全体が明るい照明に照らされ、ボブのリード・オルガンに呼応するようにチャーリーのギターとドニーのラップトップが絡み合う。インプロヴィゼーションあふれるジャムを展開。
14. Ballad Of A Thin Man
ボブ:ステージ中央、ハンドマイク&ハーモニカ。黒幕にシルエットが映し出され、ボブは腰を深くかがめて得意ポーズを何度も決める。この曲は2010年ツアーのハイライトだ。
ニュー・アルバム『トゥゲザー・スルー・ライフ』の収録曲は1曲も歌わなかったメインセットが終わると、バックに大きなアイロゴの幕が飾られ、10分後にアンコールセットがはじまる。
15. Like A Rolling Stone
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。コーラス部分で、客席にスポットライトが当てられる。
16. Jolene
ボブ:キーボード&ハーモニカ。トニー:ウッドベース。ボブがミュージシャンをあおるようにキーボードを演奏。
(メンバー紹介)
この夜、歌以外でボブが声を発したのは、このときだけ。
17. All Along The Watchtower
ボブ:キーボード。スチュ:リードギター
ツアー初登場曲は2曲だったが、名古屋公演にかぎると2日間で27曲の異なる曲を歌った。この夜で2010年日本ツアーの半分が終わった訳だが、あいかわらず『トゥゲザー・スルー・ライフ』収録曲はあまり歌われない。東京公演で登場するのだろうか。
●3月21日 Zepp TOKYO
東京セヴン・デイズの初日。22年目に突入したネヴァーエンディング・ツアーだが、同一会場で連続7回の公演は新記録だ。ボブは上下黒の衣装、パンツのサイドに白色のストライプ。白のスペイン帽子。黒地に白の水玉模様のシャツ。バンドは黒の上下。13日大阪と同じ。
1. Watching The River Flow
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。11日大阪、15日大阪に続いて、オープニング曲として3度目の登場。ディランはステージ右端・横向きでキーボード演奏。チャーリーど真ん中。
2. Don't Think Twice, It's All Right
ボブ:ステージ中央・ストラトキャスター。トニー:ウッドベース(弓)。ドニー:ラップトップ。12日大阪に続いて2度目の登場。ボブはサンバーストのストラトを演奏。今回の日本ツアーでは、初日はデューセンバーグ・ギターを演奏したが、2日目以降はすべてストラトを演奏している。味のあるディランのギター・ソロ。チャーリーは時折なぜか座って弾く。最後のほうでディランの合図でミッド・テンポのブルーズに。
3. I'll Be Your Baby Tonight
ボブ:ステージ中央、ストラトキャスター。スチュ:アコースティックギター。ドニー:ペダルスティール 。13日大阪、15日大阪に続いて3度目の登場。
4. Sugar Baby
ボブ:キーボード&ハーモニカ。トニー:ウッドベース(弓)。ドニー:ペダルスティール。スチュ:アコースティック・ギター。ジョージ:ブラシ。19日名古屋に続いて2度目の登場。ディランはハーモニカのみ持ってステージ中央で(楽器なし)。ちょっとしたしぐさ、ポーズをつけるのもカッコイイ。最後はハープ・ソロも。
5. Tweedle Dee & Tweedle Dum
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。12日大阪、13日大阪、18日名古屋に続いて4度目の登場。
6. Shelter From The Storm
ボブ:キーボード&ハーモニカ。トニー:ウッドベース。ドニー:ペダルスティール。スチュ:アコースティック・ギター。13日大阪、18日名古屋に続いて3度目の登場。もちろん2010年版の新アレンジ。キーボード弾きながら時折両腕を伸ばし「ヤ~」って感じのポーズも。
7. Summer Days
ボブ:キーボード。トニー:ウッドベース。ドニー:ペダルスティール。16日大阪に続いて、2度目の登場。
8. Tryin' To Get To Heaven
ボブ:キーボード&ハーモニカ。ドニー:ペダルスティール。15日大阪に続いて2度目の登場。
9. Cold Irons Bound
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ラップトップ。11日大阪、15日大阪、19日名古屋に続いて4度目の登場。
10. Mr. Tambourine Man
ボブ:キーボード。トニー:ウッドベース。ドニー:ラップトップ。スチュ:アコースティック・ギター。2010年初登場曲。
11. Highway 61 Revisited
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。
12. Not Dark Yet
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ラップトップ。スチュ:アコースティック・ギター。13日大阪に続いて2度目の登場。
13. Thunder On The Mountain
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。スチュ:アコースティックギター。ここからアンコールの最後までの5曲はどうやら固定されているようだ。11日大阪初日から東京初日の今夜まで、不動の5曲が演奏される。チャーリーのギター・ソロ、ディランのキーボード・ソロとソロの掛け合い!ディランがキーボードを押すようなしぐさ。ノッてる感じ!
14. Ballad Of A Thin Man
ボブ:ステージ中央、ハンドマイク&ハーモニカ。ドニー:ラップトップ。
メインセットが終わり、10分後にアンコールセットが始まる。バックに大きなアイロゴの幕が飾られる。
15. Like A Rolling Stone
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。コーラス部分で、客席にスポットライトが当てられる。
16. Jolene
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。トニー:ウッドベース。
(メンバー紹介)
この夜、歌以外でボブが声を発したのは、このときだけ。
17. All Along The Watchtower
ボブ:キーボード。スチュ:リード・ギター。
今夜、ツアー初登場曲は1曲だったが、東京公演はあと6回続く。はたしてどんな歌が初登場するのだろうか。期待は高まるばかりだ。
●3月23日 同
会場で開演前に流されているBGMが、東京初日の21日から音楽ではなく本の朗読に変わった。正確かどうか定かでないが、情報によるとジャック・ケルアックの『路上』だという。今夜もおなじ朗読テープが流れていた。さらに、アーロン・コープランドの『ホーダウン』に変わることなく、突然、19時10分に場内の明かりが落とされ、ステージにミュージシャンたちが姿を現し、紹介アナウンスがはじまった。ボブは黒の上下。しかも上着丈の長いロング・ブラック・コートだ。パンツのサイドに赤のストライプ。黒のスペイン帽子。赤いシャツを着ている。バンドは黒の上下。
1. Cats In The Well
ボブ:キーボード。ドニー:ヴァイオリン。16日大阪に続いて2度目の登場。ボブがめずらしく歌の途中で、キーボード脇に設置されていたマイクスタンドの位置をずらし、足下のスペースを広くした。踊りやすくするためだろう。1曲目からから熱のこもったキーボード演奏を披露。
2. It's All Over Now, Baby Blue
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ペダルスティール。スチュ:アコースティックギター。2010年初登場曲。フレーズの最後を高音で終えるアップシングも少し聴かせたが、全体的にはオリジナル・ヴァージョンをそれほど崩さずに歌った。エンディングはハーモニカ演奏でしめる。
3. Summer Days
ボブ:キーボード。トニー:ウッドベース。ドニー:ペダルスティール。16日大阪、21日東京に続いて3度目の登場。トニーもかなり大きな動きを見せるほどのジャムを展開。
4. I Don't Believe You (She Acts Like We Never Have Met)
ボブ:キーボード→ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ラップトップ。スチュ:リード。11日大阪、16日大阪、18日名古屋に続き4度目の登場。1番はキーボードで、2番以降はステージ中央で歌った。
5. Forgetful Heart
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。スチュ:アコースティックギター。ドニー:ヴァイオリン。トニー:ウッドベース(弓)。ジョージ:ボンゴ。16日大阪に続いて2度目の登場。薄暗いステージに、頭の中を歩き回る影が映し出されたようなシルエットが投影され、物悲しさが漂う。ハーモニカの響きがもの悲しさを倍加させる、感動の1曲。
6. Stuck Inside Of Mobile With The Memphis Blues Again
ボブ:キーボード&ハーモニカ。スチュ:アコースティックギター。ドニー:ペダルスティール。13日大阪、15日大阪に続いて3度目の登場。大阪で聞かせたような、1小節、あるいは1単語ごとにヴォーカルとハーモニカを交互にくりかえす驚きの奏法は聞けなかったが、エンディングに向かうハーモニカ演奏はみごと。鍵盤(竹林)模様の照明が使われる。
7. John Brown
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。スチュ:アコースティックギター。ドニー:バンジョー。トニー:ウッドベース(弓)。ジョージ :ブラシ。16日大阪に続いて2度目の登場。ボブのストーリーテラーのパワーに圧倒される。
8. Under The Red Sky
ボブ:ギター。ドニー:ペダルスティール。16日大阪に続いて2度目の登場。大阪ではキーボードで歌ったが、今夜はギターで歌った。ボブはストラトキャスターでリードギターを演奏、途中チャーリーとのツイン・リードも披露。まさにギター弾きまくりだった。
9. Honest With Me
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。12日大阪、16日大阪、19日名古屋に続いて4度目の登場。かなり崩したヴォーカルをまじえながら、階段を降りるようなリフを繰り返すジャムを展開。
10. Masters Of Warr
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。 スチュ:アコースティックギター。トニー:ウッドベース(弓)。16日大阪に続いて2度目の登場。ボブの説得力あふれるヴォーカルによって、50年近く経ってもメッセージはまったく色褪せない。
11. Highway 61 Revisited
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。11曲目は「追憶のハイウェイ61」に固定されたようだ。チャーリーがときおりボトルネック奏法をはさむ。ボブのオルガンがミュージシャンをあおるように鳴り響き、自由奔放なジャムがくりひろげられる。
12. Shelter From The Storm
ボブ:キーボード&ハーモニカ。トニー:ウッドベース。ドニー:ペダルスティール。スチュ:アコースティックギター。13日大阪、18日名古屋、21日東京に続いて4度目の登場。雪模様の照明、エンディングはハーモニカでしめる。
13. Thunder On The Mountain
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。 スチュ:アコースティックギター。明るい照明に照らされ、今夜もノリノリのジャムが繰り広げられる。ここからアンコールの最後まで不動の5曲が演奏される。
14. Ballad Of A Thin Man
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ラップトップ。ボブはブリッジ部分でハーモニカを演奏しながら数歩だけだったが、ファン・サービスのつもりなのか、左右に歩いた。後半はハンドマイクで歌う。黒幕にシルエットが映し出され、ボブは腰を深くかがめて得意ポーズを何度も決める。
メインセットが終わり、10分後にアンコールセットが始まる。バックに大きなアイロゴの幕が飾られる。
15. Like A Rolling Stone
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。コーラス部分で、客席にスポットライトが当てられる。今夜のキーボードはすごい。アップシングもすこし聴かせた。
16. Jolene
ボブ:キーボード&ハーモニカ。トニー:ウッドベース。ドニー:ラップトップ。リード・キーボードといわんばかりに、ボブがみんなを引っ張る。いままでよりも、ヴォーカルを崩して歌った。
(メンバー紹介)
この夜、歌以外でボブが声を発したのは、このときだけ。
17. All Along The Watchtower
ボブ:キーボード。スチュ:リードギター。ドニー:ラップトップ。ボブが5人のミュージシャンをぐいぐいと引っぱり、
エネルギーのほとばしる自由な絡み合いがステージで展開。
2010年新登場は1曲だったが、東京初日とくらべると9曲が入れ替わったセットリストとなった。
●3月24日 同
会場で開演前に流されているBGMが、東京初日の21日から変わったと書いたのは間違いだった。正確には18日名古屋からジャック・ケルアックの『路上』を朗読したテープに変わったのだ。ちなみに大阪ではアーサー・アレキサンダーの音楽が流されていた。今夜もおなじ朗読テープが流れていた。
19時15分に場内の明かりが落とされ、アーロン・コープランドの『ホーダウン』が流れると同時に、ステージにミュージシャンたちが姿を現し、紹介アナウンスがはじまった。ボブは黒の上下。パンツのサイドに黄色のストライプ。白のスペイン帽子。黄色のシャツを着ている。バンドはベージュの上下。
1. Stuck Inside Of Mobile With The Memphis Blues Again
ボブ:キーボード、ハーモニカ。スチュ:アコースティックギター。ドニー:ペダルスティール。昨夜6曲目に歌った曲が、今夜はオープニング曲。だれも予測できない。やはりボブは変わった人だ。13日大阪、15日大阪、23日東京に続いて4度目の登場。
2. It Ain't Me, Babe
ボブ:ギター。スチュ:アコースティックギター。ドニー:ペダルスティール。2010年初登場曲。イントロからボブのリードギターが冴える。前回の来日公演ではファンが「ノー、ノー、ノー」と大合唱したが、今夜はそれを許さないアレンジで歌った。ボブといっしょに歌うのは至難の業だ。いや、不可能だ。
3. Rollin' And Tumblin'
ボブ:キーボード。ドニー:マンドリン。チャーリー:ボトルネック。13日大阪に続いて2度目の登場。
4. Mr. Tambourine Man
ボブ:キーボード。トニー:ウッドベース。ドニー:ラップトップ。スチュ:アコースティックギター。ジョージ:ブラシ。21日東京に続いて2度目の登場。雪模様の照明をバックに、しっとりと聴かせる。スタッカートを効かせたり、「タンーブーリーンマン」とことばを伸ばしたり、下降メロディーを何度も繰り返したり、ボブの自由なヴォーカルに聴き入ってしまう。
5. Cold Irons Bound
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ラップトップ。11日大阪、15日大阪、19日名古屋に続いて4度目の登場。ストップ&スタートを効果的に組み込み、ボブは深く膝を曲げながら
熱のこもったハーモニカ演奏を披露。ジョージのヘヴィーなドラミングに圧倒される。
6. Sugar Baby
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。トニー:ウッドベース、ドニー:ペダルスティール。スチュ:アコースティックギター。ジョージ:ブラシ。19日名古屋に続いて2度目の登場。ボブは最初キーボードの位置でハーモニカを演奏したが、すぐにステージ中央に移動。両手を大きく広げたりしながら、すばらしいヴォーカルを聴かせる。最後はトニーが弓でベースを演奏して締めくくる。
7. Desolation Row
ボブ:キーボード。ドニー:マンドリン。トニー:ウッドベース(弓)。スチュ:アコースティックギター。ジョージ:ボンゴ。15日大阪、19日大阪に続いて3度目の登場。ストーリーテラーとしてのボブの魅力がほとばしる好演。オルガン、マンドリン、ギターが絡み合って印象に残る熱演を繰り広げる。
8. Blind Willie McTell
ボブ:最初キーボード、すぐにステージ中央に移動、ハーモニカ。スチュ:アコースティックギター。ドニー:バンジョー。2010年初登場曲。80年代の最高傑作といわれる歌だが、近年のライヴではあまり歌っていない。昨年は7回歌っただけだ。今夜、この「ブラインド・ウィリー・マクテル」を聴いた人は幸せだ。5番の出だしの歌詞「神は天国にいる」を「窓の外を眺めている」と歌ったのは、単なるミスなのだろうか、それとも意図的にかえたのだろうか。いずれにしても、まちがいなく今夜のハイライトだ。
9. Most Likely You Go Your Way (And I'll Go Mine)
ボブ:キーボード、ハーモニカ。スチュ:アコースティックギター。ドニー:ラップトップ。16日大阪に続いて2度目の登場だが、鍵盤(竹林)を連想させる照明の下、今夜はボブのハーモニカのイントロではじまった。さらに、交互にハーモニカとヴォーカルを器用に入れ替える歌唱法をこの曲で披露。
10. Can't Wait
ボブ:キーボード。ドニー:マンドリン。11日大阪、18日名古屋に続いて3度目の登場。大阪と名古屋では
ステージ中央で歌ったが、今夜はキーボードを演奏しながら、ストップ&スタートを組み入れて歌った。
11. Highway 61 Revisited
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。不動の11番。初日の大阪から連日かならず歌われる。チャーリーが
ときおりボトルネック奏法をはさむ。ボブはヴォーカルにアドリブを加え、オルガンでミュージシャンをあおりながら、自由奔放なジャムをくりひろげる。
12. If You Ever Go To Houston
ボブ:キーボード。スチュ:アコースティックギター。ドニー:ペダルスティール。2010年初登場曲。不思議なことに、ボブは最新作『トゥゲザー・スルー・ライフ』収録曲を積極的に歌おうとしない。通常は、新作をプロモートするために、むしろ積極的に新曲を歌うのだが、ボブは違う。この曲を含めてようやく4曲目だ。
13. Thunder On The Mountain
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。 スチュ:アコースティックギター。明るい照明に照らされ、今夜もノリノリのジャムが繰り広げられる。ここからアンコールの最後まで不動の5曲が演奏される。今夜はボブのオルガンとチャーリーのギターの掛け合いがみごと。ベースのトニーが珍しくステージ中央まで出てきて、ボブと何かことばを交わした。
14. Ballad Of A Thin Man
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ラップトップ。ボブはキーボードを離れるとき、ハーモニカを持っていくのを忘れそうになり、すこしあわてた様子で急ぎ足で移動。後半はハンドマイクで歌う。黒幕にシルエットが映し出され、ボブは腰を深くかがめて得意ポーズを何度も決める。
メインセットが終わり、10分後にアンコールセットが始まる。バックに大きなアイロゴの幕が飾られる。
15. Like A Rolling Stone
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。コーラス部分で、客席にスポットライトが当てられる。スタッカート歌唱、アップシングもすこし聴かせた。
16. Jolene
ボブ:キーボード&ハーモニカ。トニー:ウッドベース。ドニー:ラップトップ。リード・キーボードといわんばかりに、ボブがみんなを引っ張る。
(メンバー紹介)
この夜、歌以外でボブが声を発したのは、このときだけ。
17. All Along The Watchtower
ボブ:キーボード。スチュ:リードギター。ドニー:ラップトップ。スチュが鋭いリード・ギターを聴かせ、ストップ&スタートも組み込まれた。エネルギーのほとばしる自由な絡み合いがステージで展開。不動のアンコール3曲だが、毎回、少しずつ変えられている。
今夜で東京3公演が終わったが、東京ではすでに34曲の異なる歌を歌ったことになる。しかも今夜は最新作『トゥゲザー・スルー・ライフ』からの初登場曲もあった。公演後、「最高!」「すごくよかった!」というファンの声が聞こえてくる。確かに、今回の日本公演は素晴らしい出来だ。どの日が最高と言えない。毎日が最高だ。
●3月25日 同
開演前のBGMは、アーサー・アレキサンダーの音楽に続いて、ジャック・ケルアックの『路上』の朗読テープが流された。19時10分に場内の明かりが落とされ、アーロン・コープランドの『ホーダウン』が流れると同時に、ステージにミュージシャンたちが姿を現し、紹介アナウンスがはじまった。ボブは黒の上下だが、ジャケットは23日とおなじロング・ブラック・コート。パンツのサイドに紫色の2本のストライプ。白のスペイン帽子。紫色のシャツを着ている。バンドはグレーの上下。
1. Watching The River Flow
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。
11日大阪、15日大阪、21日東京に続いて、オープニング曲として4度目の登場。今夜はイントロが長い。チャーリーのギターが冴える。
2. It's All Over Now, Baby Blue
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ペダルスティール。スチュ:アコースティック・ギター。23日東京に続いて2度目の登場。今夜もオリジナル・ヴァージョンをそれほど崩さずに歌った。ステージ中央、スタンドマイクの前で斜に構えたボブの姿がとてもセクシーだ。エンディングに向かって、みごとなハーモニカを聴かせた。
3. The Levee's Gonna Break
ボブ:キーボード。ドニー:マンドリン。トニー:ウッドベース。11日大阪、12日大阪、15日大阪、18日名古屋、19日名古屋に続いて6度目の登場。固定曲以外では最多登場だ。ボブは上半身を前後に大きく揺らしながらキーボードでリードをとり、奔放なジャムを展開。ステージ上のミュージシャンたちの視線はボブに集中している。
4. Just Like A Woman
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。キーボード、曲の終わりはキーボードに移動。スチュ:アコースティック・ギター。ドニー:ペダルスティール。12日大阪、19日名古屋に続いて3度目の登場。12日のボブはキーボードを弾きながら最後だけステージ中央に移動、19日はキーボードに専念したが、今夜は逆にステージ中央でほとんどを歌い、最後にキーボードをすこし弾いた。コーラス部分では、1番は早口で一気に「ジャスト・ライク・ア・ウーマン」とワン・ワードのように歌ったが、2番以降はゆったりと歌った。これならファンもいっしょに歌える。
5. Things Have Changed
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。スチュ:アコースティックギ
ター。11日大阪以来となる2度目の登場。大阪ではギター(デューセンバーグ)を演奏しながら歌ったが、今夜はキーボードで歌った。スタッカート風にメリハリを効かせたリズムにのせ、ボブはていねいな、みごとなヴォーカルを聴かせた。最近のライヴでもよく歌われる曲だが、今夜のパフォーマンスはとびきりだ。アンプの上に飾られたオスカー像も微笑んだにちがいない。
6. Girl Of The North Country
ボブ:ステージ中央。スチュ:アコースティックギター。ドニー:ペダルスティール。
トニー:ウッドベース(弓)。ジョージ:ブラシ。昨年は8回しか歌わなかった曲だが、11日大阪、18日名古屋に続いて早くも3度目の登場。大阪ではギター、名古屋ではヴォーカルとハーモニカだったが、今夜はギターに専念。雪模様の照明の下、ヴォーカルではアップシングを、ギターでは低音を主とするリードを披露した。
7. High Water (For Charley Patton)
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:バンジョー。トニー:ウッドベース。11日大阪、15日大阪に続いて3度目の登場。鍵盤(短冊)模様の照明の下、ボブはハンドマイクで歌った。ベースが手を休め、ハーモニカとバンジョーだけのソロも聴かせた。
8. A Hard Rain's A-Gonna Fall
ボブ:キーボード。トニー:ウッドベース。ドニー:マンドリン。スチュ:アコースティックギター。
11日大阪、18日名古屋に続いて3度目の登場。ちなみに昨年は10回しか歌っていない。今夜の階段を昇降するような自由なヴォーカルに大歓声がわき起こる。降り続く雨の影響だろうか、今夜は水に関係する歌が多く登場する。
9. I Don't Believe You (She Acts Like We Never Have Met)
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ラップトップ。スチュ:リード。11日大阪、16日大阪、18日名古屋、23日東京に続き5度目の登場。ボブはこの歌の新しいアレンジが気に入っているようだ。歌の冒頭でボブは両手を高々と上に上げるポーズをとる。
10. Love Sick
ボブ:キーボード。ドニー:マンドリン。13日大阪、18日名古屋に続いて3度目の登場。ヘヴィーなサウンドにのせてボブのヴォーカルが悲痛に響く。チャーリーも悲しみに満ちたリード・ギターを弾いた。
11. Highway 61 Revisited
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。毎日歌われる不動の11番。チャーリーがときおりボトルネック奏法をはさむ。ボブはヴォーカルにことばの頭をのばすアドリブを加えたり、オルガン・ソロを披露したり、激しさが倍増したジャムをくりひろげる。毎日、少しずつ違う。だから何度聴いても飽きない。
12. When The Deal Goes Down
ボブ:キーボード、ハーモニカ。スチュ:アコースティックギター。ドニー:ペダルスティール。トニー:ウッドベース(弓)。ジョージ:ブラシ。2010年初登場曲。イントロはボブのハーモニカ。スタッカートでリズムを刻むオルガンにのせ、ボブはやさしさあふれるヴォーカルを聞かせた。エンディングではトニーが弓でベースを弾いた。
13. Thunder On The Mountain
ボブ:キーボード。ドニー:ラップトップ。 スチュ:アコースティックギター。明るい照明に照らされ、今夜もノリ乗りのジャムが繰り広げられる。ここからアンコールの最後まで不動の5曲が演奏される。今夜はボブがかなりアヴァンギャルドなオルガン・ソロを聴かせながら、チャーリーと掛け合い演奏を繰り返した。
14. Ballad Of A Thin Man
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ラップトップ。いつものように黒幕にシルエットが映し出され、ドラマチックな効果を生み出す。ボブは腰を深くかがめて得意ポーズを何度も決める。途中、みごとなハーモニカ・ソロを披露した。
メインセットが終わり、10分後にアンコールセットが始まる。バックに大きなアイロゴの幕が飾られる。
15. Like A Rolling Stone
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。いつものようにコーラス部分で、客席にスポットライトが当てられる。
16. Jolene
ボブ:キーボード&ハーモニカ。トニー:ウッドベース。ドニー:ラップトップ。
(メンバー紹介)
この夜、歌以外でボブが声を発したのは、このときだけ。
17. All Along The Watchtower
ボブ:キーボード。スチュ:リードギター。ドニー:ラップトップ。スチュが鋭いリードギターを聞かせ、今夜もエネルギーのほとばしる自由な絡み合いがステージで展開。階段を降りるような下降メロディーに崩したヴォーカルも聴かせた。
不動のアンコール3曲だが、毎回、少しずつ変えられている。
●3月26日 同
開演前のBGMについて訂正しなければならない。アーサー・アレキサンダーの音楽と、ジャック・ケルアックの『路上』の朗読テープが流されたあと、開演を告げる音楽をアーロン・コープランドの『ホーダウン』と書いたが、これは間違いだった。正しくはチェコの作曲家レオシュ・ヤナーチェクが1926年に作った『グラゴル・ミサ』の第8曲「イントラーダ」だった。
ステージにミュージシャンたちが姿を現し、紹介アナウンスがはじまった。今夜のボブは黒の上下、パンツのサイドに白色のストライプ。黒のスペイン帽子。黄緑色のシャツを着ている。バンドも黒の上下。
1. Leopard-Skin Pill-Box Hat
ボブ:キーボード。ドニー:ラップスティール。12日大阪、19日名古屋に続いて3度目の登場。ネヴァーエンディング・ツアーではめずらしい4日間連続コンサートの夜だったので、疲れているんじゃないかと心配していたが、始まってみるとまったく問題なかった。最初からまとまりのあるサウンドをバックに、ボブは力強いヴォーカルを聴かせてくれた。
2. Lay, Lady, Lay
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。スチュ:アコースティックギター。ドニー:ペダルスティール。2曲目も12日大阪、19日名古屋に続いて3度目の登場。名古屋ではギターを弾きながら歌ったが、今夜は大阪と同じように何も持たずにステージ中央のスタンドマイクで歌った。ペダルスティールの甘く切ない響きをバックに、ボブは左半身の決めポーズで立ち、両手を何度も広げる。雪模様の照明の下、セクシーなボブに魅了される。
3. Just Like Tom Thumb's Blues
ボブ:キーボード、ハーモニカ。ドニー:ラップスティール。2010年初登場曲。1番はアップシングを多用して歌い、2番以降は最近のお気に入りの下降メロディーに崩して歌った。ボブはスタッカートの歯切れの良いオルガン・ソロを聴かせ、チャーリーは腰を落として美しいリード・ギターを弾いた。珍しくトニーがドラムの前まで出てきてベースを弾く。エンディングはボブの素晴らしいハーモニカ。
4. Every Grain Of Sand
ボブ:キーボード→ステージ中央、ハーモニカ。スチュ:アコースティックギター。ドニー:ペダルスティール。19日名古屋に続いて2度目の登場。最初はスタッカートで演奏するキーボードで歌ったが、後半はステージ中央のスタンドマイクに移動し、このツアーから見せ始めているヴォーカルとハーモニカを交互に入れる器用な歌い方を披露。それにしてもステージは照明が暗すぎるんじゃないかと感じるほど薄暗い。
5. Summer Days
ボブ:キーボード。トニー:ウッドベース。ドニー:ペダルスティール。16日大阪、21日東京、23日東京に続き4度目の登場。早口で歌う時のボブのリズム感の良さに脱帽。誰にもまねできない。後半は興奮のジャム大会。前屈みの体を上下に揺らしながらキーボードを熱演するボブに、客席から大歓声が何度も沸き上がる。
6. Sugar Baby
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。トニー:ウッドベース(弓)。ドニー:ペダルスティール。スチュ:アコースティックギター。ジョージ:ブラシ。19日名古屋、21日東京、24日東京に続いて4度目の登場。今夜はキーボードを弾かずに、最初からスタンドマイクで歌った。ボブの優しい歌い方に感動。最後はトニーが弓でベースを演奏して締めくくる。
7. Tweedle Dee & Tweedle Dum
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。12日大阪、13日大阪、18日名古屋、21日東京に続いて5度目の登場。名古屋ではステージ中央のスタンドマイク歌ったが、今夜は大阪の時と同じキーボードを弾きながら歌った。スチュとチャーリーがリード・ギターで掛け合いバトルを展開。ジョージが叩くヴードゥー風リズムに心が躍る。
8. Make You Feel My Love
ボブ:ギター。ドニー:ペダルスティール。スチュ:アコースティックギター。12日大阪に続いて2度目の登場だが、大阪ではキーボードを弾きながら歌い、美しいハーモニカも聴かせたが、今夜はギターを弾きながら歌った。ボブの特徴であるシングル・ノートで展開するリード・ギターが魅力的に響く。それにしても元来ピアノ曲なのに、わざわざギターで歌ったのはなぜだろう。やはり不思議な人だ。
9. Honest With Me
ボブ:キーボード。ドニー:ラップスティール。12日大阪、16日大阪、19日名古屋、23日東京に続いて5度目の登場。崩したヴォーカルをまじえ、下降メロディーを繰り返すジャムを展開。短冊型の照明の下、ヘヴィー・ドラムを強調した仕上がり。
10. Po' Boy
ボブ:キーボード&ハーモニカ。ドニー:ペダルスティール。スチュ:アコースティックギター。トニー:ウッドベース。12日大阪、16日大阪に続いて3度目の登場。
11. Highway 61 Revisited
ボブ:キーボード。ドニー:ラップスティール。毎日歌われる不動の11番だが、今夜は18日名古屋で聴かせたのとおなじように、ハーモニカのイントロではじまった。毎日歌われるが、少しずつ違う。だから何度聴いても飽きない。
12. I Feel A Change Comin' On
ボブ:キーボード。ドニー:ラップスティール。12日大阪に続いて2度目の登場。『トゥゲザー・スルー・ライフ』の曲をあまり歌わないのは、アコーディオンがないからなのだろうか。普通のアーティストなら、最新アルバムの収録曲を中心に歌うのに。
13. Thunder On The Mountain
ボブ:キーボード。ドニー:ラップスティール。 スチュ:アコースティックギター。明るい照明に照らされ、チャーリーが弾く派手なイントロで始まった。今夜も興奮のジャムが繰り広げられる。トニーもドラムの前に出てきて演奏する。ボブが上昇メロディーを多用したアヴァンギャルドなオルガン・ソロを聴かせてくれた。
14. Ballad Of A Thin Man
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ラップスティール。いつものように黒幕にシルエットが映し出され、ドラマティックな効果を生み出す。ボブは腰を深くかがめて得意ポーズを何度も決める。まるで66年のステージを再現するかのように、一度だけ両手を型より高く上げてポーズを決める。みごとなハーモニカ・ソロに、観客が大歓声を上げる。
メインセットが終わり、10分後にアンコールセットが始まる。バックに大きなアイロゴの幕が飾られる。
15. Like A Rolling Stone
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。コーラス部分で、客席にスポットライトが当てられる。ボブのヴォーカルはどんどん自由度を増している。
16. Jolene
ボブ:キーボード。トニー:ウッドベース。ドニー:ラップスティール。チャーリーがギターで、ボブがオルガンで素晴らしいソロを聴かせる。ジャズ・バンドのインプロヴィゼーションのようなジャムがクールだ。
(メンバー紹介)
この夜、歌以外でボブが声を発したのは、このときだけ。
17. Blowin' In The Wind
ボブ:キーボード→ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ヴァイオリン。メンバー紹介の時ドニーがヴァイオリンを持っていたので、もしかして曲目変更かと思ったが、結果はその通りだった。2009年7月以降、コンサートを締めくくる曲は「見張り塔からずっと」に固定されていたが、今夜、突然2009年7月まで歌われていた「風に吹かれて」に戻った。アレンジも、2009年前半とほぼ同じ。ロック・ビートを強調したメリハリのあるヴァージョンだ。
3月28日 同
ボブは考え方を変えたのだろうか。日本公演13日目、東京公演6日目となる今夜のセットリストには、2010年初登場曲が5曲も含まれる。驚きだ。
19時8分、ステージにミュージシャンたちが姿を現し、紹介アナウンスが始まった。今夜のボブは黒の上下、パンツのサイドにゴールドのストライプ。白のスペイン帽子。白色のシャツを着ている。バンドも黒の上下。
1.Gonna Change My Way Of Thinking
ボブ:キーボード。ドニー:ラップスティール。2010年初登場曲。09年秋の全米ツアーでもオープニング曲として登場したゴスペル時代のレアな曲が、東京でも登場した。ヘヴィー&ファンキーなリズムをバック、ボブのヴォーカルにはパワーがあふれている。昨日の休みがよかったのだろう、オープニングから伸びのあるヴォーカルだ。
2.Love Minus Zero/No Limit
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。スチュ:アコースティックギター。ドニー:ペダルスティール。2010年初登場曲。昨年は1回(11月5日)しか歌っていないレアな曲。ペダルスティールが「新しい夜明け」を連想させるリフを繰り返し、ゆったりとしたテンポでボブはやさしいヴォーカルを聴かせる。3番の歌詞まで歌い終わると、続いてハーモニカで美しい間奏をたっぷり聴かせたあと、4番の歌詞に移った。ハーモニカとヴォーカルの素晴らしさに、ただ酔いしれるしかない。
3.I'll Be Your Baby Tonight
ボブ:ステージ中央、ストラトキャスター。スチュ:アコースティックギター。ドニー:ペダルスティール 。13日大阪、15日大阪、21日東京に続いて4度目の登場。間奏でボブとチャーリーがツイン・リードを披露。ボブがロー・ポジションで弾くギター・ソロは魅力的だ。ボブのようなギターを弾く人はいない。
4.Simple Twist Of Fate
ボブ:ステージ中央→キーボード、ハーモニカ。スチュ:アコースティックギター。ドニー:ペダルスティール 。2010年初登場曲。ペダルスティールのイントロが流れた瞬間、耳を疑った。予想しなかった「運命のひとひねり」の登場だ。2009年は3月29日に1度歌っただけのレアな曲。ヴォーカルとハーモニカのインタープレイをはさみながら、曲の後半はキーボードに移った。
5.Tweedle Dee & Tweedle Dum
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。12日大阪、13日大阪、18日名古屋、21日東京、26日東京に続いて6度目の登場。ステージ中央のスタンドマイクで歌ったり、今夜のようにキーボードを弾きながら歌ったり、日によって違う。ジョージが叩くヴードゥー風リズムのドラムが体に響くなか、スチュとチャーリーがリード・ギターで掛け合いバトルを展開する。
6.Shelter From The Storm
ボブ:キーボード&ハーモニカ。トニー:ウッドベース(弓)。ドニー:ペダルスティール。スチュ:アコースティックギター。13日大阪、18日名古屋、21日東京に続いて4度目の登場。もちろん2010年版の、チャーリー、スチュ、ドニーがソロパートをとる新アレンジ。
7.Summer Days
ボブ:キーボード。トニー:ウッドベース。ドニー:ペダルスティール。16日大阪、21日東京、23日東京、26日東京に続き5度目の登場。早口で歌う時のボブのリズム感の良さに脱帽。誰にも真似できない。チャーリーが素晴らしいギターを聴かせる。後半のジャム大会では、ボブが3連音を強調したオルガン・ソロを披露。客席から大歓声が沸き上がる。
8.Workingman's Blues #2
ボブ:キーボード、ハーモニカ。ドニー:ペダルスティール。スチュ:アコースティックギター。2010年初登場曲。スチュがアコースティックギターでイントロを弾き始めた瞬間、熱望していた曲だとわかる。ボブはていねいな歌い方でことばをクリアに伝える。後半はステージ中央に移り、ハーモニカを演奏。ボブの低音のヴォーカルが艶やかに響く。
9.High Water (for Charlie Patton)
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:バンジョー。トニー:ウッドベース。11日大阪、15日大阪、25日東京に続いて4度目の登場。ジョージが叩くフロアタムがパワフルに響く。ベースが手を休めて演奏されたバンジョー・ソロも素晴らしかった。センター・ステージのマイクの前で歌うボブはじつに魅力的だ。
10.Tryin' To Get To Heaven
ボブ:キーボード、ハーモニカ。ドニー:ペダルスティール。15日大阪、21日東京に続いて3度目の登場。雪模様の照明の下、スローなテンポで歌われる「天国への扉が閉じられる前に、たどりつきたい」ということばが身にしみる。エンディングはハーモニカで決める。
11. Highway 61 Revisited
ボブ:キーボード。ドニー:ラップスティール。チャーリー:ボトルネック。毎日歌われるが、少しずつ違う。だから何度聴いても飽きない。今夜は炸裂するリズムのジャム大会だ。ボブが聴き応えのある素晴らしいオルガン・ソロを披露。
12. Nettie Moore
ボブ:キーボード。ドニー:ヴァイオリン。スチュ:アコースティックギター。ジョージ:ブラシ。2010年初登場曲。イントロが始まった瞬間、「エイント・トーキン」かと早とちりしたが、すぐに「ネッティ・ムーア」と判明した。ボブのリズム感の良さと、早口で言葉を入れる歌い方に感激させられる好演だ。後半には、まるで踊っているような自由なヴォーカルを聴かせてくれた。トニーのスライドベースも効果的。
13. Thunder On The Mountain
ボブ:キーボード。ドニー:ラップスティール。スチュ:アコースティックギター。明るい照明に照らされ、今夜も興奮のジャムが繰り広げられる。ボブが「これならどうだ」とでも言いたげに、オルガンソロでミュージシャンたちを駆り立てる。6分間、わくわくしっぱなしだ。
14. Ballad Of A Thin Man
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ラップスティール。いつものように黒幕にシルエットが映し出され、ドラマティックな効果を生み出す。ボブは一瞬左手を頭上高く上げて歌い始める。3番からは、ハンドマイクで歌う。見事なハーモニカ・ソロに、観客が大歓声を上げる。
メインセットが終わり、10分後にアンコールセットが始まる。バックに大きなアイロゴの幕が飾られる。
15. Like A Rolling Stone
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。コーラス部分で、客席にスポットライトが当てられる。ボブのヴォーカルの崩しは少なかった。これなら観客もいっしょにコーラス部分を合唱できる。
16. Jolen
ボブ:キーボード。トニー:ウッドベース。ドニー:ラップスティール。チャーリーがギターで、ボブがオルガンで素晴らしいソロを聴かせる。今夜もクールなジャムを展開。
(メンバー紹介)
この夜、歌以外でボブが声を発したのは、このときだけ。
17. Blowin' In The Wind
ボブ:キーボード→ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ヴァイオリン。今夜もメンバー紹介の時、バックでドニーがヴァイオリンを弾いていたので、26日に続いて「風に吹かれてだと、すぐに分かった。ロック・ビートを強調したメリハリのあるヴァージョン。
アンコールが終わって、全員がステージ前方に整列して不動のポーズをとっているとき、ボブは珍しく小さくガッツポーズをするように何度も両腕を振り、最後にお辞儀をして去っていった。14公演の日本ツアーは残すところあと1日となってしまった。早く明日のコンサートを観たいという気持ちと、明日が来なければいいという気持ちが入り交じり、複雑な心境だ。
●3月29日 同(日本ツアー最終日)
ついに日本ツアー最終日。19時。ボブは上下黒の衣装、パンツのサイドに白色のストライプ。グレーのスペイン帽子。ブルーグレーのシャツ(ラインストーンの装飾?)とスカーフ。バンドは黒の上下。
1.Rainy Day Women #12 & 35
ボブ:キーボード。ドニー:ラップスティール。18日名古屋に続いて2度目の登場。オープニングから客席は大興奮。「エヴリバディ・マスト・ゲット・ストーンド」の大合唱がわき起こる。チャーリーのギターも全開。
2.It's All Over Now, Baby Blue
ボブ:ギター。ドニー:ペダルスティール。スチュ:アコースティックギター。23日東京、25日東京に続いて3度目の登場。過去2回はステージ・ハーモニカを持って歌ったが、今夜は違う。ボブはギターを弾いて歌った。間奏部分ではボブがチャーリーとツイン・リードを披露。ロー・ポジションを中心に弾くボブのギターは魅力的だ。後半では崩したヴォーカルで自由にギター・リフを交錯させた。エンディングの指示もボブが出した。
3.Most Likely You Go Your Way (And I'll Go Mine)
ボブ:キーボード。スチュ:アコースティックギター。ドニー:ラップスティール。16日大阪、24日東京に続いて3度目の登場。24日はボブのハーモニカのイントロで始まり、交互にハーモニカとヴォーカルを器用に入れ替える歌唱法を披露してくれたが、今夜はハーモニカは演奏しない。代わりにチャーリーがギターでおなじみのリフを繰り返す。ボブは笑顔を見せ、後半はヴォーカルを自由に操っていた。とても楽しそうだ。
4.My Wife's Home Town
ボブ:ギター。トニー:ウッドベース。ドニー:マンドリン。雪模様の照明が灯り、ボブがふたたびギターを持ってステージ中央に立った。何を歌ってくれるのかと緊張したが、すぐに判明した。2010年初登場となる「マイ・ワイフズ・ホーム・タウン」だ。ヘヴィー・ブルースに仕上げたこの曲で「わたしはただこう言いたいだけ、地獄とはわたしの妻のふるさとの町のことだと」と歌うボブの声がよく出ていることに改めて気づいた。キャスターのネックを顔に近づけず、かなり水平にして演奏した。
5.I Don't Believe You (She Acts Like We Never Have Met)
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ラップスティール。スチュ:リード11日大阪、16日大阪、18日名古屋、23日東京、25日東京に続き6度目の登場。ボブはこの曲がとても気に入っているのだろう。ボブはいつもと逆の姿勢、めずらしく右半身のポーズをとる。この曲が始まる前に、客席の男性が「愛してるよ!」と大声で叫んだが、たしかにボブのポーズを見ていると、愛らしく感じる。セクシーだ。途中、みごとなリード・ハーモニカを聴かせ、さらにヴォーカルとハーモニカを交錯させる離れ業も披露した。
6.Spirit On The Water
ボブ:キーボード、ハーモニカ。ドニー:ペダルスティール。トニー:ウッドベース。ジョージ:ブラシ。11日大阪、15日大阪、19日名古屋に続く4度目の登場。4ビート・ジャズを連想するようなスタッカート・リズムのバックに乗せて、チャーリーがしぶいギター・ソロを聴かせる。エンディングはハーモニカで締めくくった。
7.Cold Irons Bound
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ラップスティール。11日大阪、15日大阪、19日名古屋、24日東京に続いて5度目の登場。ストップ&スタートを効果的に組み込み、今夜もドラマティックな仕上がり。ボブは右手を高々と上げて決めポーズを取った後、熱のこもったハーモニカ演奏を披露。すごい。ジョージのヘヴィーなドラムにも圧倒される。
8.Desolation Row
ボブ:キーボード。ドニー:マンドリン。トニー:ウッドベース(弓)。スチュ:アコースティックギター。ジョージ:ボンゴ。15日大阪、19日大阪、24日東京に続いて4度目の登場。様々な人物が登場するこの曲では、10分間の短編映画を見ているようにストーリーテラーとしてのボブの魅力がほとばしる。ボブはオルガンで下降メロディーのリフを奏でると、それに答えるようにヴォーカルも自由にメロディーを変える。オルガン、マンドリン、ギターが絡み合って印象に残る熱演を繰り広げる。最後はトニーが弓でベースを弾いた。
9.The Levee's Gonna Break
ボブ:キーボード。ドニー:マンドリン。トニー:ウッドベース。11日大阪、12日大阪、15日大阪、18日名古屋、19日名古屋、25日東京に続いて7度目の登場。固定曲以外では最多登場だ。ボブは上半身を前後に大きく揺らしながらキーボードでリードをとり、調子の良いシャッフルと言えるような奔放なジャムを展開。ステージ上のミュージシャンたちの視線はボブに集中している。ボブはインプロヴィゼーションにあふれる自由なヴォーカルを披露。会場は大興奮。
10.When The Deal Goes Down/
ボブ:キーボード、ハーモニカ。スチュ:アコースティックギター。ドニー:ペダルスティール。トニー:ウッドベース(弓)。ジョージ:ブラシ。25日東京に続いて2度目の登場。25日のイントロはボブのハーモニカだったが、今夜は違う。スチュがアコースティックギターで美しいリフを奏でると、チャーリーも負けじとセミアコでおなじように美しいメロディーを演奏。ボブはやさしさあふれるヴォーカルを聴かせた。エンディングではトニーが弓でベースを弾いた。
11 Highway 61 Revisited
ボブ:キーボード。ドニー:ラップスティール。チャーリー:ボトルネック。毎日歌われるが、少しずつ違う。だから何度聴いても飽きない。今夜はボブのオルガンがしつこいぐらいに同じリフを繰り返し、あおりまくるジャム大会だ。ボブは両手を振り回す動きさえ見せる。もちろん観客は大歓声を上げる。
12.Can't Wait
ボブ:キーボード。ドニー:マンドリン。11日大阪、18日名古屋、24日東京に続いて4度目の登場。大阪と名古屋ではステージ中央で歌ったが、東京ではキーボードを演奏しながら、ストップ&スタートを組み入れて歌う。ドラマティックな仕上がり。
13.Thunder On The Mountain
ボブ:キーボード。ドニー:ラップスティール。 スチュ:アコースティックギター。明るい照明に照らされ、今夜も興奮のジャムが繰り広げられる。チャーリーのギターによるイントロに始まり、ボブがオルガン・ソロでミュージシャンたちを駆り立てる。軽快なジャムはいつまでも聴き続けたい。曲が終わるとボブがステージ中央に歩いて出てきた。すぐにトニーが近寄り、ふたりで何やら相談しているように見える。「もしかすると、セットリストの曲目を変えるのかな?」と思ったら、その通りとなった。
14.Forever Young
ボブ:キーボード、ハーモニカ。ドニー:ペダルスティール。スチュ:アコースティックギター。2010年初登場曲。しかも2009年に2回、2008年にも2回しか歌っていないレアな曲だ。ゆったりと、やさしく歌うボブを観ていると、東京の観客は幸せだと思った。歌の後半は、キーボードを離れ、ステージ中央に出てきてスタンドマイクで歌い、ハーモニカも演奏。曲の最後はふたたびキーボードに戻って続けた。
メインセットが終わり、10分後にアンコールセットが始まる。バックに大きなアイロゴの幕が飾られる。
15.Like A Rolling Stone
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。コーラス部分で、客席にスポットライトが当てられる。ボブのヴォーカルの崩しは少なかった。これなら観客もいっしょにコーラス部分を合唱できる。
16.Jolene
ボブ:キーボード。トニー:ウッドベース。ドニー:ラップスティール。チャーリーがギターで、ボブがオルガンで素晴らしいソロを聴かせる。トニーもウッドベースを回して乗りまくる。
(メンバー紹介)
この夜、歌以外でボブが声を発したのは、このときだけ。しかし、昨夜とちがって、ドニーはヴァイオリンを持っていないので、「見張り塔からずっと」の復活だと分かった。
17.All Along The Watchtower
ボブ:キーボード。スチュ:リード・ギター。ドニー:ラップトップ。25日東京以来の登場。スチュが鋭いリード・ギターを聴かせ、今夜もエネルギーのほとばしる自由な絡み合いがステージで展開。ドラマティックで突き抜けるような鋭い歌と演奏に、観客は大歓声を上げる。
曲が終わると、いつものようにボブを中心にミュージシャンたちが一列に整列した。ついに14公演の日本ツアーがこれで終了したのか、と寂しさが湧いてくる。同時に素晴らしいステージを届けてくれたボブに感謝したい気持ちも高ぶってくる。
会場を埋め尽くした2700人も同じ気持ちだった。ボブたちがステージを去っても、拍手と歓声は止みそうもない。いつもなら、すばやく点灯される場内の明かりも点きそうにない。やがて奇跡が起きた。ボブがミュージシャンといっしょにステージに戻ってきた。
ボブが2度目のアンコールをすることは、ほとんどない。奇跡としか言いようがない。ファンの熱意がボブを動かしたのだ。また、ボブも日本が大好きなんだろう。
18. Blowin' In The Wind
ボブ:キーボード→ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ヴァイオリン。26日東京、28日東京に続いて3度目の登場。ロック・ビートを強調したメリハリのあるヴァージョン。約半世紀も前に作られた歌が、今も衰えることなく聞き手の心に突き刺さる。
思いもかけなかった6分間のボーナスが終わり、ふたたびボブを中心にミュージシャンが一列に整列する。ボブが何度も小さなガッツポーズを繰り返し、最後は深く頭を下げてお辞儀をして去っていった。「サンキュー、トーキョー」なんて言わない。言葉なんていらない。ボブの表情と動作がすべてを伝えている。ぼくは叫んだ。「ありがとう」。会場を後にする観客も、全員にこやかな笑顔をうかべている。
●3月31日 韓国/ソウル オリンピック第1体育館(15000収容)
日本ツアーと同じように、開演前のBGMはジャック・ケルアックの『路上』の朗読にバーバラ・ストライザンドの「追憶」などの音楽をかぶせたテープが流されていた。20時04分、チェコの作曲家レオシュ・ヤナーチェクが1926年に作った『グラゴル・ミサ』の第8曲「イントラーダ」が響き、場内が暗くなり、いつもの紹介アナウンスがはじまった。暗闇のステージにミュージシャンたちが姿を現す。今夜のボブは黒の上下、パンツのサイドに白色のストライプ。グレーのスペイン帽子。黄色のシャツを着ている。バンドも黒の上下。初めて生でディランの姿を見た、会場を埋め尽くした韓国のファンが大歓声を上げる。なかには、50年近く待ち続けていた人も
いるはずだ。
1. Rainy Day Women #12 & 35
ボブ:キーボード。ドニー:ラップスティール。歴史的な韓国公演のオープニングは「雨の日の女」。今回のツアーでは、3月18日名古屋、29日東京に続いて3度目の登場。もちろん、「エヴリバディ・マスト・ゲット・ストーンド」の合唱が起こる。ちなみにソウルは朝から雨が降り止まない。
2. Lay Lady Lay
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。スチュ:アコースティックギター。ドニー:ペダルスティール。 ボブが何も持たずにステージ中央のスタンドマイクの前に立つ。日本ツアーでは、雪模様の照明と書いたが、大会場の今夜は雲のように見える。12日大阪、19日名古屋、26日東京に続いて4度目の登場。名古屋のようにギターを弾きながら歌うのもいいが、何も持っていない方が自由に体を動かせる。ペダルスティールの甘く切ない響きをバックに、ボブは左半身の決めポーズで立ったり、両手を広げたりしながら、感動的なハーモニカを披露。
3. I'll Be Your Baby Tonight
ボブ:ステージ中央、ストラトキャスター。スチュ:アコースティックギター。ドニー:ペダルスティール 。今夜は、ややスピードを速めた軽快なカントリー・ロックだ。13日大阪、15日大阪、21日東京に続いて4度目の登場。今夜のボブはロー・ポジションに執着せずに、高音も弾きながら素晴らしいギター・ソロを聴かせる。何度も繰り返すが、ボブのようなギターを弾く人はいない。
4. Stuck Inside Of Mobile With The Memphis Blues Again
ボブ:キーボード、ハーモニカ。スチュ:アコースティックギター。ドニー:ペダルスティール。曲の前半はかなりオリジナルに忠実に歌っていたが、後半は崩して自由なヴォーカルを聴かせる。13日大阪、15日大阪、23日東京、24日東京に続いて5度目の登場。
5. The Levee's Gonna Break
ボブ:キーボード。ドニー:マンドリン。トニー:ウッドベース。11日大阪、12日大阪、15日大阪、18日名古屋、19日名古屋、25日東京、29日東京に続いて8度目の登場。ボブはこの曲を気に入っているようだ。スチュのリズムギターが、まるで洪水の泥水のように響く。ドニーのマンドリンを中心に、ボブのオルガンとチャーリーのギターによる大ジャム大会が展開される。ステージ上のミュージシャンたちの視線はボブに集中するなか、ボブの印象的なオルガン・ソロが響く。
6. Just Like A Woman
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。スチュ:アコースティック・ギター。ドニー:ペダルスティール。ジョージ:ブラシ。スチュがアコースティック・ギターでイントロを弾き始める。一瞬、「エヴリー・グレイン・オブ・サンド」かと早とちりしたファンもいるだろう。12日大阪、19日名古屋、25日東京に続いて4度目の登場。日本ツアーでもキーボードを弾いたり、弾かなかったり、日によって違っていたが、今夜はキーボードで始め、途中からステージ中央に移り感動的なハーモニカを聴かせた。コーラス部分を一気に「ジャスト・ライク・ア・ウーマン」とワン・ワードのように歌うので、いっしょに歌おうとしたファンは戸惑ったかもしれないが、今夜のハーモニカを聴けたのは幸せだ。
7. Honest With Me
ボブ:キーボード。ドニー:ラップスティール。天井に反射した照明によって客席もかなり明るくなる。12日大阪、16日大阪、19日名古屋、23日東京、26日東京に続いて6度目の登場。スチュがリードを演奏し、ジョージが駆り立てるようにドラムを叩く。スチュのギターとボブのオルガンの掛け合いが素晴らしい。
8. Sugar Baby
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。トニー:ウッドベース(弓)。ドニー:ペダルスティール。スチュ:アコースティック・ギター。ジョージ:ブラシ。19日名古屋、21日東京、24日東京、26日東京に続いて5度目の登場。今夜もキーボードを弾かずに、最初からスタンドマイクで歌った。ドニーのペダルスティールが美しい旋律を奏で、ボブはブレークを組み込んだ自由なヴォーカルを聴かせた。さらにこの曲でも素晴らしいハーモニカを披露。最後に余韻を残すように、トニーが感情を込めて弓でベースを弾いた。
9. High Water (For Charley Patton)
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:バンジョー。トニー:ウッドベース。11日大阪、15日大阪、25日東京、28日東京に続いて5度目の登場。日本ツアーではジョージのパワフルなドラムが目立ったが、今夜はドニーのバンジョーが際立っている。とくに間奏で聞かせたバンジョー・ソロ、ボブのハーモニカとの掛け合いは素晴らしい。
10. Desolation Row
ボブ:キーボード。ドニー:マンドリン。トニー:ウッドベース(弓)。スチュ:アコースティック・ギター。ジョージ:ボンゴ。15日大阪、19日大阪、24日東京、29日東京に続いて5度目の登場。様々な人物が登場するこの曲は、何度観ても飽きない短編映画のようだ。日本でも何度も楽しませてくれたが、今夜もボブはオルガンで下降メロディーのリフを奏でると、それに答えるようにヴォーカルも自由にメロディーを変える。インプロヴィゼーションに富んだヴォーカルこそ、ボブの最大の魅力のひとつ。チャーリーの美しいギターとボブのオルガンが絡み合いが印象に残る。
11. Highway 61 Revisited
ボブ:キーボード。ドニー:ラップスティール。チャーリー:ボトルネック。 日本ツアーでは使われなかった新しい照明が登場。日本では無数の輪がこんがらがった模様だったが、今夜は大理石、あるいは雲母のような模様の照明だ。毎日歌われるが、少しずつ違う。今夜のボブのオルガンは、アヴァンギャルドと表現したくなるほど自由だった。チャーリーもついていけないんじゃないかと感じさせるほど、ボブは自由奔放なリフを繰り返し、あおりまくる。大ジャム大会に観客は大歓声を上げる。
12. Shelter From The Storm
ボブ:キーボード&ハーモニカ。トニー:ウッドベース。ドニー:ペダルスティール。スチュ:アコースティック・ギター。13日大阪、18日名古屋、21日東京、28日東京に続いて5度目の登場。もちろん2010年版の、チャーリー、スチュ、ドニーがそれぞれソロ・パートを取る新アレンジだが、回を重ねるごとに完成度が高まる。トニーのベース・ソロが組み込まれてもいいと思うのだが。
13. Thunder On The Mountain
ボブ:キーボード。ドニー:ラップスティール。 スチュ:アコースティック・ギター。明るい照明に照らされ、今夜も興奮のジャムが繰り広げられる。チャーリーのギターによるイントロに続き、今夜のボブは歌の出だしから快調だ。さらにボブは、シャナナがリバイバルヒットさせた「At The Hop」を連想するオルガン・リフでミュージシャンたちを駆り立てる。今夜も大興奮のジャム大会だ。
14. Ballad Of A Thin Man
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ラップスティール。いつものように黒幕にシルエットが映し出され、ドラマティックな効果を生み出す。スチュがリード・ギターでイントロを弾き終えると、ボブは一瞬右手を頭上高く上げ、最初からハンドマイクで歌い始める。途中、珍しく一般的なバンドのように、ボブを中心に左側にスチュ、トニー、ジョージ、右側にチャーリー、ドニーと並んで演奏する場面があった。見事なハーモニカ・ソロに、観客が大歓声を上げる。29日東京の日本最終公演では「いつまでも若く」が歌われたが、やはりメインセットの締めくくりはこの「やせっぽちのバラッド」がいい。セクシー・ポーズを決めながら「ミスター・ジョ~ンズ」と歌うボブに観客の歓声が止まない。ボブも軽くお辞儀をしてステージを去っていった。
メインセットが終わり、10分後にアンコールセットがはじまる。バックに大きなアイロゴの幕が飾られる。
15. Like A Rolling Stone
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。総立ちの観客の前でアンコールが始まる。日本ツアーで使われた客席にスポットライトが当てられる照明はない。後方席の客が前につめて通路が人で埋まる。ソウルのセキュリティーはかなり緩い。会場のあちこちでフラッシュがたかれる。カメラ付き携帯はもちろんだが、デジカメや本格的一眼レフで撮影するファンもいる。ボブは例によってヴォーカルを崩して歌うが、観客はかまわずにコーラス部分を大合唱する。ライヴ・ハウスとは違った、大ホールの迫力に圧倒される。
16. Jolene
ボブ:キーボード。トニー:ウッドベース。ドニー:ラップスティール。ボブがオルガンでアヴァンギャルドなソロを聴かせる。ボブはまちがいなく「王様」だ。ならば観客は「女王」か。大洪水のようなジャムを展開。
(メンバー紹介)
この夜、歌以外でボブが声を発したのは、このときだけ。
17. All Along The Watchtower
ボブ:キーボード。スチュ:リード・ギター。ドニー:ラップトップ。26日と28日の東京では「風に吹かれて」を歌ったために、この「見張り塔からずっと」は歌われなかったが、この曲を聴けなかったファンは残念に思っているはずだ。アイロゴの黒幕にまだら模様の照明が当てられる。スチュが鋭いリード・ギター、エネルギーのほとばしる自由な絡み合い、ドラマティックで突き抜けるような鋭い歌と演奏に観客は大歓声を上げる。今夜のボブは、下降メロディーを多用し、今回のツアーのなかでももっとも自由な歌い方を披露。
曲が終わると、いつものようにボブを中心にミュージシャンたちが一列に整列した。ボブは小さく2回ガッツポーズをしてステージを去た。しかし拍手と歓声は止みそうもない。ある程度予想はしていたが、場内の明かりも点灯されない。そう、ソウルでも奇跡が起きた。ボブがミュージシャンと一緒に2回目のアンコールに戻ってきた。
18. Blowin' In The Wind
ボブ:キーボード→ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ヴァイオリン。26日東京、28日東京、29日東京に続いて4度目の登場。チャーリーが低音を強調したリード・ギターを弾く。ロック・ビートを強調したメリハリのあるヴァージョンが、聞き手の心に突き刺さる。キーボードを離れ、ステージ中央に移ったボブは、深くしゃがみ込みながらハーモニカを演奏。最後にお辞儀をして終えた。
ふたたびボブを中心にミュージシャンが一列に整列する。ボブは両腕を90度に曲げ、左、右、中央の順に小さくガッツポーズを繰り返し、お辞儀をし、言葉こそ発しなかったが最後にうなづいて去っていった。
ボブが去っても場内の明かりがしばらく点かない。「もしかして、まさか」と一瞬思ったが、もちろん3回目のアンコールはなかった。気を持たせたが、やがて明かりが点灯し、会場を後にする観客は全員にこやかな笑顔をうかべていた。
●登場楽曲(ソウルを除く)
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