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「ヴァンガード-ジャズ・オーケストラ」 11月16日 ビルボードライブ東京
秋の来日公演がすっかり定着したニューヨークのトップ・オーケストラが、今年もやってきた。昨年の東日本大震災の直後には現地でベネフィット・コンサートを主催し、1年前の東京公演では楽団と所縁の深いボブ・ブルックマイヤーの訃報を受けて、急遽追悼曲を演奏したことも記憶に新しい。今回の話題は楽団の編曲家で、ヨーロッパを含めて斯界の最重要人物であるジム・マクニーリー(p)が、本楽団で初来日したこと。ブルックマイヤー作曲のバラード「ザ・ファースト・ラヴ・ソング」では、美しいピアノ・ソロを聴かせてくれた。本楽団の前身であるサド・ジョーンズ=メル・ルイス楽団の創立メンバーで最古参のジェリー・ダジオン(as,ss,fl)は、今年80歳とは思えないほどの力強い演奏で収穫。本編最後は代表曲「ザ・グルーヴ・マーチャント」のサックス・ソリで、楽団の伝統を輝かせたのだった。(杉田宏樹)
撮影:Masanori Naruse
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