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「COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック」(NBCユニバーサル GNXF-1908)
商業ロック全盛の時代に風穴を空け、日本のロックにも大きな影響を与えたニルヴァーナのリーダー、カート・コバーンの誕生から27歳の死までを追ったドキュメント。離婚した父母双方との不和、鉄道自殺を試みた孤独な少年時代。ライフルの代わりにギターを手にしバンドを結成した後はギグに明け暮れる日々。そしてメジャーデビューと目の眩むような成功。
生前のコバーンについて語る父母、かつての恋人達、バンドのメンバー。誰もがまだ老人でなく元気でリッチ。本人だけが「いない」のが痛ましい。記録映像とインタビュー中心なので画質はそれなりだが、少年時代の出来事をアニメで描いたりコアなファンならずとも引き込まれる映像作品の工夫がある。
ニルヴァーナの音源やインタビュー音声が中心だが、コバーンが駆け抜けた時代(ドラッグ文化)を再現するためにSEをサラウンドでパンさせたり、音響の工夫が映像に奥行きを生む。(大橋伸太郎) |