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「トゥゲザー・スルー・ライフ/ボブ・ディラン」
(ソニー・ミュージックジャパン インターナショナル/ SICP2235〜36) レコード・デビューから47年、ディランの33枚目のスタジオ・アルバム、英米のアルバム・チャートで初登場1位を記録した。今年68歳を迎えたディランの人気とパワーに驚かされる。イギリスでは70年以来のアルバム・チャート1位獲得だ。アメリカでは06年夏の前作『モダン・タイムズ』が初登場1位を記録したので、2作連続。日本ではどうだろう、総合チャートは疑問だが、洋楽アルバム・チャートの上位にランクされるだろう。この新作は、テックス・メックスの味付けをしたエレクトリック・ブルースの傑作だ。チェス・レコードやサン・レコードの名盤を現代によみがえらせたと言ってもいいかもしれない。デビュー以来ディランはブルース・シンガーを目指していた。さまざまなジャンルの音楽に取り組み、長いキャリアを積み、いまその想いを達成させたのだと思う。ツアー・バンドの3人のリズム・セクションをベースに、ギターにトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのマイク・キャンベル、アコーディオンにロス・ロボスのデヴィッド・イダルゴを加えた5人をバックにしてディランの新曲が10曲収められている。最近のディランのアルバムに共通するが、これらの新曲の多くは過去の名曲を土台に、つまり、ブルースやフォークの世界の伝統的曲作りを踏襲している。ただし、作詞は1曲を除いてすべてグレイトフル・デッドの作詞家として知られるロバート・ハンターと共作している。ディランは76年のアルバム『欲望』のほとんどを、オフブロードウェイの劇作家のジャック・レヴィーと共作していた。また、最新インタビュー(ローリング・ストーン誌)では、ポール・マッカートニーと共作したいと発言している。共作によって、歌詞がかなり整理されるのかもしれない。この新作でのディランは、簡潔でわかりやすい歌が目立つし、10分に迫るような大作もない。10曲のテーマをひとことで表現するなら、≪愛≫ということになるのだろう。ただし、愛にはさまざまな種類がある。ディランは過去20年間、世界各地で年間100回のコンサート、ベスト・セラーとなった自伝の執筆、映画製作、ラジオ番組のDJ、絵画の展覧会を開催など驚くほど多方面で活躍している。年輪を積んだディランがうたう愛に深みを感じるのは当然だ。収録曲すべてがおすすめだが、「フォゲッタフル・ハート」「アイ・フィール・ア・チェンジ・カミング・オン」「イッツ・オール・グッド」を聴かないと悔いが残るだろう。(菅野 ヘッケル)
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「ライヴ・フロム・マディソン・スクエア・ガーデン/エリック・クラプトン&スティーヴ・ウィンウッド」(ワーナーミュージック・ジャパン/WPCR-13545〜46) *DVD(WPBR-90690〜91)
2007年に発表された自叙伝にも書かれていたことだが、クラプトンはブラインド・フェイスをいい思い出としてはとらえていない。作品への取り組みも中途半端だったし、勝手に離脱したことなどから、とりわけウィンウッドに対しては、申しわけないことをしたという想いを長く抱いてきたようだ。さらに彼は、当時の二人の関係は友情と呼べるものではなく、長い歳月をへて、ようやく近年、互いに大切な友人だと意識するようになったとも語っている。個人的には、クリームの再結成公演で、たまたま近くの席にいたウィンウッドがじつに楽しそうな表情でステージを見つめていたことが忘れられないのだが、その後、フェスティバルなどでの共演をへて、2008年2月、NYのマジソン・スクエア・ガーデンのステージに立った彼らが、多くのファンの期待に応えてライヴ・アルバムとDVDを届けてくれた。
プラインド・フェイス、トラフィック、ドミノス、ソロ作品、ブルース・クラシック、ジミ・ヘンドッリクスやJ.J.ケイルの作品で構成された2時間超のライヴからは、細かいことにはあまりこだわらず、ふたりでステージに立つことの喜びや、彼らの音楽的遍歴をあらためて深く掘り下げていこうという想いが強く伝わってくる。お互いのレパートリーのなかから「これをやったら」と勧めあうこともしたという選曲が効果的に働いたようだ。
ハイライトは、つづけて演奏されるヘンドリックスの「リトル・ウィング」と「ヴードゥー・チャイル」。呆れてしまうほど力強く、味わい深い。ヘンドリックス関連ではバディ・マイルスの「ゼム・チェンジ」も素晴らしかった。病床にあったマイルスは初日の演奏を携帯電話で聴き、翌日、他界している。クラプトンは、結局、こういう人生を生きることを運命づけられた人なのだろう。
CDとDVDはほぼ同内容だが、DVD版には、「マジソンへの道」と題された上質なドキュメインターと、ボーナス・トラックとして「クロスロード」などCD未収録の曲も収められている。(大友 博)
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「21世紀のブレイクダウン/グリーン・デイ」
(ワーナーミュージック・ジャパン/WPCR-13377)
グリーン・デイ、5年ぶりとなるニュー・アルバム。従来の持ち味である疾走感溢れるナンバーや、呆れるほどに美しいバラードなどが有機的に絡み合いながら、グロリアとクリスチャンという2人の若者を主人公にしたストーリーを3部構成で紡ぎ出していく。そんな内容からは、ザ・フーのロック・オペラ『トミー』を連想するかもしれないが、あながち間違いではないと思う。メロコアとかポップ・パンクとか、グリーン・デイを形容する言葉はたくさんあったが、それらを総括し、超越したところに、この新時代ロック・オペラとも言うべき方法論を彼らは見つけ出したのだと思うし、これまでの活動はここへ行き着くための助走だったとすら言えるかもしれない。それは、ザ・フーにとっての『トミー』の位置付けに非常に似ている気がするのだ。そして、10年、20年経ってから振り返ったときに、ここが彼らの偉大なターニング・ポイントだったと認識されることになるだろうと思える点も同じだ。(細川 真平)
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「プレリミネール/イギー・ポップ」(EMIミュージック・ジャパン/TOCP-66888)
「くだらないロックや下手クソなギターはもう聴き飽きた」。そんなことを言うヤツがいたら、「ふざけんなよ」のひと言でも返したくなるのが普通だが、それがイギー・ポップの言葉となると納得せざるを得ない。本作で彼は、シャンソン(「枯葉」)やボサ・ノヴァ(「ハウ・インセンシティヴ」)や戦前ブルース(的なもの)などに挑戦している。挑戦? いや、違う。それらを呑み込んだというのがいちばん近い。もっとキッチュなものになっているかと想像したが、純粋に音楽的に優れているところがまた憎らしい。なんと濃密な前戯(プレリミネール)だろうか。(細川 真平)
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「ライヴ・イン・ロンドン/レナード・コーエン」
(ソニー・ミュージックジャパン インターナショナル/SICP-2232〜33)
2008年5月、満年齢73歳のレナード・コーエンは15年ぶりのツアーをスタートさせた。カナダと欧州各国を回り、ほぼすべてのファンを満足させ、納得させたに違いないプログラムを滋味深いパフォーマンスで聞かせたそのツアーから、ロンドンO2アリーナでのステージがライヴ作品として届けられた。仕立てのいいスーツを着て帽子をかぶり、エレクトリック・アコースティック・ギターを抱えたジャケット写真が、その夜の空気を物語っているようだ。コーエンは洒脱なMCでオーディエンスを楽しませながら、ゆったりとしたペースで歌いつづけていく。繰り返すが、選曲は文句なし。大好きな「ア・サウザンド・キッセズ・ディープ」が朗読の形で収められていることも嬉しかった。(大友 博)
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「BIBLE BELT/DIANE BIRCH」(S-CURVE/X-1511012)*輸入盤
ラジオ番組で1曲紹介するや当方の思い入れも伝わったのか、リスナーから即、熱い反応が返って来た♪このサウンド、この曲調、そしてこの‘たたずまい’(とでも言おうか)。。。にわかには信じがたいほどだが今どきの若手のデビュー作である。アメリカ出身の26歳。1970年代のキャロル・キング(歌唱が匂わせる)がR&B(それもサザン・ソウル系)を意識しているかのような。あの若年ブルー・アイド・ソウル・レディ、ジョス・ストーンも手掛けたスタッフの制作だが昨今流行のレトロ風を狙ったというミエミエな印象が全くなく、スムーズに曲が流れて耳に心地好く馴染む。加えてこのルックス♪♪日本ではEMIミュージックが折りを見て国内発売の予定。(上柴 とおる)
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「オーヴァー・ザ・レインボー/コニー・タルボット」(キングレコード/KICP-1331) タレント・サーチTV番組からは一夜でニュー・スターが生まれる。只今8歳のコニー・タルボットは6歳で人気者になった。英国『ブリテンズ・ゴット・タレント』に出場。ファイナリストとなったが、惜しくもポール・ポッツに優勝をさらわれた。が一躍有名になり、レコード・デビューし、各国で大ヒット。最年少記録保持者としてギネスブックに登録される。オーケストラをバックに子供らしいいい声で実にのびのびと素直に歌っているのがいいし、音程の確かさ、歌心を持っていることにも感心する。「イマジン」はしっかり中身が訴えかけてくる。「スマイル」は情感豊か。「ワンダフル・ワールド」はまさにタイトル通り。レゲエもいける。(鈴木 道子)
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「パッシオーネ〜燃ゆる想い/ポール・ポッツ」(BMG JAPAN/BVCP-40012)
天才少女コニー・タルボットをあっさり抜きさってコンサートに優勝したポール・ポッツも、今月第2弾が出る。彼は歌うことで、悩み多い人生を乗り切ってきたという。自費でイタリアへオペラ修行に行き、携帯電話のセールスマンから一躍TVで人気爆発しレコード界へ。その成功物語は、アメリカで映画化されることになった。100万枚売れたデビュー・アルバムに続き、オペラのアリアやポピュラーの名曲が中心。どれも美声を生かした好唱だが、中でもショパンの「別れの曲」のイタリア語版は圧巻。スケールが大きく感動的だ。ただ朗々と歌う「愛は面影の中に」は、超スローで美しく抑えた歌声のロバータ・フラックのうまさ、味わいが懐かしくなる。(鈴木 道子) |
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「ソー・イン・ラヴ/ロバータ・ガンバリー二」
(フィフティ・ファイヴ・レコード/FNCJ5529) ロバータ・ガンバリー二の新作(2001年録音の2曲も含む)。今回は、タミール・ヘンデルマン(p)ニール・スウェンソン(b)ジェイク・ハナ(ds)に曲により、ジェームス・ムーディ(ts)ロイ・ハーグローブ(tp)参加の伴奏陣の好サポートを得て、スローなテンポでじっくりと歌う曲が多い。自分の経験に基づいた解釈で、それぞれの曲の元メロディの美しさを大切にして歌に生命を与えたい,と言っていたが、彼女は、着実に進歩している。特に母国語のイタリア語で歌う「エスターテ」が素晴らしい。(高田 敬三) |
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「マイ・ハート・ウドゥ・ハヴ・ア・リーズン/インガー・マリエ」
(T.A.C.S Records/TACM-0006)
グローバル化したジャズの多様性についてはいまさら申すまでもないが、北欧となるとやはり特有の雰囲気を漂わせる。しばしばそれは≪透明感≫という言葉で表現される。ノルウェー出身の女性歌手インガー・マリエもその中の一人だろう。やや低めにコントロールされ、独特のつややかさを備えた声質とリラックスした歌唱はとても個性的で、一口に透明感と言う言葉でくくるには無理がある。アルバム全体を包み込む開放感が、彼女の魅力を倍加するので、一度耳にすると、たしかに癖になる。ジャズ歌手が一般的に取り上げるレパートリーとは一線を画し、例えばジミー・クリフの「I Can See Clearly Now」、ロバータ・フラックの名唱で大ヒットした「The First Time Ever I Saw Your Face」などにスティング、ヴァン・モリソン、ボブ・マーリーらの作品、さらにはオリジナル曲を加えて構成している。選曲の魅力もさることながらスウェーデン出身のギタリスト、Georg Wadeniusのプロデュース手腕も見逃せない。6月には再び来日する予定だ。(三塚 博)
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「スティッキー・フィンガーズ/ローリング・ストーンズ」
(ユニバーサルミュージック/UICY-91480)
「山羊の頭のスープ/ローリング・ストーンズ」
(ユニバーサルミュージック/UICY-91481)
「イッツ・オンリー・ロックン・ロール/ローリング・ストーンズ」
(ユニバーサルミュージック/UICY-91482)
「ブラック・アンド・ブルー/ローリング・ストーンズ」
(ユニバーサルミュージック/UICY-91483)
「女たち/ローリング・ストーンズ」
(ユニバーサルミュージック/UICY-91484)
「エモーショナル・レスキュー/ローリング・ストーンズ」
(ユニバーサルミュージック/UICY-91485)
「刺青の男/ローリング・ストーンズ」
(ユニバーサルミュージック/UICY-91486)
「アンダーカヴァー/ローリング・ストーンズ」
(ユニバーサルミュージック/UICY-91487)
ローリング・ストーンズ・レコードの発売権がユニバーサルミュージック・グループに移行したのにともない、1970年代以降のRSレコードの作品が改めてファンの前に・・。我が国においては、RSR作品集として初となるSHM-CDでの登場が早くのファンの間で大きな話題を呼んでいる。まず6月24日にRSR第一弾の『スティッキー・フィンガーズ』以降の8タイトルがリリースされる(ストーンズ初の2枚組ニュー・スタジオ・レコーディング・アルバム/LP、72年作品『メイン・ストリートのならず者』は、年内に拡張版で登場するとのことで、今回のシリーズには含まれていない)。『スティッキー・フィンガーズ』にはRSスタンダードと化した「ブラウン・シュガー」はじめ「ワイルド・ホース」、元々はスピリチュアルのブルース「ユー・ガッタ・ムーヴ」、カントリー・フレーヴァーをダイレクトに感じさせる「デッド・フラワーズ」などが収録。ジャマイカ・レコーディングの『山羊の頭のスープ』では「悲しみのアンジー」ほか、「シルヴァー・トレイン」「ウィンター」「スター・スター」などが聴きどころ。ミック・テイラー最後のアルバムとなったのが74年の『イッツ・オンリー・ロックン・ロール』。アルバム・タイトル・チューン、テンプテーションズ・カヴァー「エイント・トゥ・プラウド・トゥ・ベッグ」、「イフ・ユー・キャント・ロック・ミー」などお馴染みの作品が登場する。76年の『ブラック・アンド・ブルー』からは元フェイセズのロニー・ウッドがグループにジョイントした。「愚か者の涙」「ホット・スタッフ」「クレージー・ママ」、レゲエの「チェリー・オン・ベイビー」、ビリー・プレストンがキーボードの「メロディ」ほか佳曲が多い。そして何といってもアルバム中、最高は「メモリー・モーテル」だ。『女たち』はディスコ全盛の78年作品集、ダンサブル・ナンバー「ミス・ユー」をフィーチャー。そしてここでも「ホエン・ザ・ウリップス・カムズ・ダウン」「ファーラウェイ・アイズ」「レスペクタブル」「ビースト・オブ・バーデン」「シャッタード」など名作がずらりと並ぶ。『エモーショナル・レスキュー』は80年作品集、「ダンス(パート1)」から始まり、キースのリード・ヴォーカルによる説得力あふれた「オール・アバウト・ユー」で終わる。81年の大々的なUS ツアーにあわせてリリースされたのが『刺青の男』、アメリカ公演中ということもあって大ベスト・セラーを記録、9週連続でアルバム・チャートの1位を記録した。「スタート・ミー・アップ」から始まり、PVも人気を呼んだ「友を待つ」で終わる。『アンダーカヴァー』は、プロデュースでザ・グリマー・トゥインズ(ミック&キース)にクリス・キムジーが加わった。RS伝統のサウンド・クリエイトの中で、80年代前半という時代をも感じさせる。ファースト・シングル「アンダーカヴァー・オブ・ザ・ナイト」はダンス・ディスコ・チャートでベスト10入り。(Mike M. Koshitani)
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「テキサス・フラッド〜ブルースの洪水/スティーヴィー・レイ・ヴォーン」
(ソニー・ミュージック ジャパンインターナショナル/EICP-1173)
「テキサス・ハリケーン/スティーヴィー・レイ・ヴォーン」
(ソニー・ミュージック ジャパンインターナショナル/EICP-1174)
「ソウル・トゥ・ソウル/スティーヴィー・レイ・ヴォーン」
(ソニー・ミュージック ジャパンインターナショナル/EICP-1175)
「イン・ステップ/スティーヴィー・レイ・ヴォーン」
(ソニー・ミュージック ジャパンインターナショナル/EICP-1176)
「ライヴ・アライヴ/スティーヴィー・レイ・ヴォーン」
(ソニー・ミュージック ジャパンインターナショナル/EICP-1088〜9)
「ザ・スカイ・イズ・クライング/スティーヴィー・レイ・ヴォーン」
(ソニー・ミュージック ジャパンインターナショナル/EICP-1178)
「イン・ザ・ビギニング/スティーヴィー・レイ・ヴォーン」
(ソニー・ミュージック ジャパンインターナショナル/EICP-1179)
「ライヴ・アット・カーネギーホール/スティーヴィー・レイ・ヴォーン」
(ソニー・ミュージック ジャパンインターナショナル/EICP-1180)
「ファミリー・スタイル/ヴォーン・ブラザーズ」
(ソニー・ミュージック ジャパンインターナショナル/SICP-2234) 1983年にデビューし、世界中をブルースの洪水で溢れ返らせたスティーヴィー・レイ・ヴォーン。彼のアルバム9タイトルが、紙ジャケット仕様で再発される。4タイトルに計7曲のボーナス・トラックが収録され、5タイトルが初めてリマスタリングされた(これで今回発売の全タイトルが最新リマスター盤ということになる)。90年に亡くなった彼が、音楽シーン/ギター・シーンに遺したものの大きさを再認識するとともに、改めて身震いするほどの感動を与えてくれる作品群だ。『テキサス・フラッド〜ブルースの洪水』は83年のデビュー・アルバム。デヴィッド・ボウイの「レッツ・ダンス」に参加して名を売ったあとの絶好のタイミングでリリースされ、世界中を時ならぬブルース・ブームに巻き込んだ大傑作だ。『テキサス・ハリケーン』は84年のセカンド・アルバム。人気を決定づけるとともに、ロック色が濃くなったことで幅広い層へもアピール、大ヒットとなった。「ヴードゥー・チャイル」では、ジミ・ヘンドリックスへの傾倒、敬愛ぶりを前面に押し出した名演が聴ける。『ソウル・トゥ・ソウル』は85年のサード・アルバム。ドラッグ/アルコール依存による体調不良の中で制作された。デビュー時の衝撃が薄れたこともあってか、当時の評価はけっして高くなかったが、いま聴くとスティーヴィーの魂がしっかりとこもっているのが分かる。中でも、ジミのカヴァー「カム・オン」、亡くなった友人へ捧げた名バラード「ライフ・ウィズアウト・ユー」は必聴だ。『イン・ステップ』は89年リリースの、スティーヴィー・レイ・ヴォーン&ダブル・トラブル名義としては生前最後のアルバム。ドラッグ/アルコール依存を乗り越え、心機一転して作り上げただけあって、楽曲・演奏ともに力強く、生き生きとしている。ファンの間では、これを最高傑作と推す声も強い。『ライヴ・アライヴ』は86年にリリースされた初のライヴ・アルバム。ただし、スティーヴィーの体調が最悪な時期だったため、スタジオでかなりの部分がオーヴァーダビングされている。それを分かった上でひとつの作品として判断するならば、非常に優れた内容だと思う。スティーヴィー・ワンダーの(そしてベック・ボガート&アピスの)カヴァー「迷信」は、最大の聴きどころだ。『ザ・スカイ・イズ・クライング』は91年にリリースされた追悼盤。兄のジミー・ヴォーンが選曲・編集に携わった。基本的にスタジオ・アウトテイク集なのだが、ボツになったのが信じられないほどの優れた音源で構成されている。中でもジミの「リトル・ウィング」のインストでのカヴァーは、今ではスティーヴィーの代表的名演のひとつとして名高い。『イン・ザ・ビギニング』は92年リリース。メジャー・デビュー前、80年の演奏が聴けるライヴ・アルバム。後の演奏と比べると、表現力の幅や深さなどにはまだ足りない部分があるものの、勢いや熱さは満点。この不世出のギタリストの軌跡をたどる意味でも、貴重な音源だ。『ライヴ・アット・カーネギーホール』は97年リリース。84年、30歳の誕生日の翌日に行った、カーネギー・ホールでの記念すべきライヴの模様を収録。兄のジミーやドクター・ジョン、ホーン・セクションなどをゲストに迎え、クラシックの殿堂をブルース・クラブに一変させた熱い演奏が聴ける。『ファミリー・スタイル』はスティーヴィーが亡くなった翌月(90年9月)にリリースされ、期せずして遺作となってしまった、兄・ジミーとの初めて(にして最後)のコラボレーション・アルバム。彼にとって、幼いころから敬愛し続けた兄と共演することは、それ自体に意味があった。作品としてはそれほど優れたものではないが、スティーヴィーの嬉々とした様子が音になって伝わってくる。そして、それだけで、十分だ。(細川 真平)
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「グレース+EPs/ジェフ・バックリー」
(ソニー・ミュージック ジャパンインターナショナル/SICP-2245〜47) 『グレース』のリマスター盤に2002年にアメリカで発売された5枚組シングル・ボックス『グレースEPs』の音源(15曲)を2枚のCD にまとめた日本独自企画の作品。愛、怒り、絶望、喜び、夢がジェフの音楽の源であるというが、このCDに収められた歌を聞いていると果てしない可能性と将来性を感じてしまう。しかし、ジェフはもういない。持ち合わせていたいくつもの才能の一面しかぼくたちに見せてくれなかった気がしてならない。ほんとうに生きていてほしかった。どんな風に変っていったのか、見たかった。ジェフはそんなアーティストだ。(菅野 ヘッケル)
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「オン・ザ・ビーチ〜グレイテスト・ヒッツ/クリス・レア」
(インペリアル=テイチクエンタテインメント/TECI-24556) 1978年に「青春のいたずら(Fool)」でデビュー後今日まで30余年、ず〜っと現役で歌い続けている英国の重鎮が新たなベスト盤をリリース。日本では残念ながら夏(オン・ザ・ビーチ)とクリスマス(ドライビング・フォー・クリスマス)に定番のように曲がオン・エアされるだけの懐メロのAOR歌手といったイメージが一般化してしまっているが往年のヒット曲の新録音ヴァージョンを多数含むこの新作ベストが彼の誇るべきキャリアと実績、精力的な活動ぶり、キャリアを経たいぶし銀の歌唱、そして本来の持ち味でもあるブルージーなギタリストとしての魅力などを改めて認識してもらえる契機になれば、とデビュー時から贔屓にする身としては切に願うばかり。(上柴 とおる)
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「ソングス・フロム・ジ・アンダーグラウンド/リンキン・パーク」
(ワーナーミュージック・ジャパン/WPCR-13468) 彼らは毎年、公式ファンク・クラブ会員のみにライヴ音源、未発表曲、新曲などを提供してきた。本作は、その幻の音源群の中から8曲を収めたミニ・アルバム。デビュー作である『ハイブリッド・セオリー』あたりに録音された、ラップ・ヴォーカルをフィーチャーしたナンバーは、彼らの原点を改めて確認させてくれる。メロディックな方向性へと路線変更したのちの、'08年のライヴ音源との対比ぶりも鮮やかだ。'06年の“サマー・ソニック”で演奏されながらも公式発表されていなかった「クワーティ」の収録も、ファンにはうれしいところ。この荒々しさこそがリンキンだ! と感じる人も多いだろう。(細川 真平)
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「ヘヴィ・メタル・エクスペリエンス/UFO」
(EMIミュージック・ジャパン/TOCP-70741)
「ワイルド/ウィリング/イノセント/UFO」
(EMIミュージック・ジャパン/TOCP-70742)
「メカニックス/UFO」
(EMIミュージック・ジャパン/TOCP-70743)
昨年8月に発売されたマイケル・シェンカー在籍時のUFO 3作リマスター盤に続き、マイケル・シェンカー脱退後のUFO 3作のリマスター盤が届いた。『ヘヴィ・メタル・エクスペリエンス』は、新ギタリストにポール・チャップマンをそしてプロデューサーにジョージ・マーティンを迎え、全く新しいバンドと進化したUFOの意欲作である。『ワイルド/ウィリング/イノセント』は、キーボード奏者がポール・レイモンドからニール・カーターに変わり、大胆なストリングス導入と10年振りとなるセルフ・プロデュースで一段とパワーを増し、バラードの名曲「プロフェッション・オブ・ヴァイオレンス」など佳曲の揃った作品となった。『メカニックス』は、ヒットに恵まれずバンドの方向性を模索した結果、原点回帰とも言うべきミディアム・テンポとメロディにこだわった全曲聴き応えのあるUFO版ヘヴィ・メタルの集大成だ。今回の3作品には、貴重なライヴ演奏がボーナス・トラックとして収録されている。(上田 和秀)
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「神(帰ってきたフライング・アロウ)/The Michael Schenker Group」
(EMIミュージック・ジャパン/TOCP-70744)
「神話/The Michael Schenker Group」
(EMIミュージック・ジャパン/TOCP-70745)
「飛翔伝説MSG武道館ライヴ/The Michael Schenker Group」
(EMIミュージック・ジャパン/TOCP-70746〜47) 昨年8月に発売されたマイケル・シェンカー在籍時のUFO 3作リマスター盤に続き、MSG3作のリマスター盤が登場。70年代前半から80年代前半ロック小僧達から最も愛され、リスペクトされ、≪神≫にまで登り詰めたギタリスト、マイケル・シェンカーが最も輝いていた時期の作品である。『神(帰ってきたフライング・アロウ)』は、ソロ・プロジェクト色が強いものの、ボーナス・トラックは、MSGのメンバーとして予定していた、ビリー・シーン(b)、デニー・カーマッシー(ds)、2作目からバンドのメンバーに収まるコージー・パウエル(ds)とゲストも多彩である。『神話』は、バンド・メンバーも固まり、「アタック・オブ・ザ・マッド・アクスマン」、「ルッキング・フォー・ラブ」など名曲も多く、ボーナス・トラックには、「ライヴ・アット・マンチェスター・アポロ 9/30/80」の模様も収録されている。『飛翔伝説MSG武道館ライヴ』は、空中分解寸前の鬼気迫る演奏と「テイルズ・オブ・ミステリー」「コージー・パウエル・ドラム・ソロ」が新しく収録された、ファン必聴の最強ライヴだ。HR/HMファンよ、伝説のフライングVは、未だに健在である。(上田 和秀)
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「ベスト・スイング・ジャズ 100」(EMIミュージック・ジャパン/TOCJ-66501〜05)
今年はベニー・グッドマンの生誕100年ということで、彼やスイングに関するCDの発売が相次いでいるが、スイングの楽しさやビッグ・バンド・エイジの演奏やヴォーカルを知るには絶好のCD 5枚組である。1枚目『シング・シング・シング』はベニー・グッドマン楽団、ハリー・ジェイムス楽団、ライオネル・ハンプトン楽団とグッドマンにまつわる演奏が収められており、スイングのエッセンスが楽しめる。2枚目『イン・ザ・ムード』はグレン・グレイ&カサ・ロマ、ビリー・メイ、アーティ・ショウ、レス・ブラウンという白人スイング・バンドの明るいスインギーな演奏が収められている。3枚目は『ハーバー・ライツ』でガイ・ロンバード、フレディ・マーティン、レイ・アンソニーというダンス・バンドが収められているが、聴いても楽しめることはいうまでもない。4枚目『A列車で行こう』はデューク・エリントン、カウント・ベイシーという黒人バンドとスタン・ケントン、ウディ・ハーマンの各バンドとジャズとして充実したプレイが堪能できるし、1950年代の彼らの演奏はレベルが高い。5枚目は『ドリーム』でスイング・ヴォーカル・スタンダードを20曲集めている。このセクションはぼくも選曲に少し、かかわった。パイド・パイパーズ、ジョー・スタフォード、アンディ・ラッセル、マーサ・テイルトン、ヘレン・フォレスト、ケイ・スター、ジューン・ハットン、トニー・ベネット、アニタ・オデイ、ヘレン・オコーネル、ビリー・ホリデイらのなつかしいヒット曲やスタンダード曲が収められており、グット・オールド・デイズのスイング・ヴォーカルの粋でキュートな歌がスインキーなバンド演奏と一緒に楽しむことができる。最近のBig Bandは美人バンド・シンガーがいないのが淋しい。(岩浪 洋三)
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「ヴォヤージュ/ルノー・ガルシア・フォンス」(キングレコード/KICJ-560) ≪低音≫シリーズの最新作。パリ音楽院で学び、フランソワ・ラバト直系にして、オルケストラ・ド・コントラバスの元メンバー、ルノー・ガルシア・フォンスは、ヨーロッパでは既に名実ともに確固たる地位を築いているアップライト・ベース・プレイヤーである。『ヴォヤージュ』は、1993年から2009年までの間にドイツのエンヤ・レーベルから発表された9枚のアルバムから12曲を選りすぐり、日本独自に編集した初の国内盤で、通常の4弦にハイC弦を加えた5弦アップライトという、特殊な楽器を用いているばかりでなく、多彩な超絶テクを駆使して、ときに繊細に、ときにダイナミックに、ルノーの自由闊達な音楽観と演奏スタイルを明示した傑作である。「ライク・サムワン・イン・ラヴ」以外はすべてオリジナルだが、国境や文化の違いを越え、クラシックからジャズ、地中海、東洋、ラテンの民族音楽まで、ルノー自身のさまざまな音楽体験を結びつけるベースの旅はどこか懐かしく、心地いい。(横堀 朱美)
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「ジャズ・イン・スウェーデン 1949-1961/メトロノーム・ザ・レジェンダリー・イヤーズ」(ワーナーミュージック・ジャパン/WPCR-13365-73) ヨーロッパの中では先陣を切ってモダン・ジャズを演奏し、充実した録音を世に送ったスウェーデンのレーベルのジャズを集大成した9枚組のCDで、米ライノ・プレミアム・エディションである。1950年代には多くのアメリカン・トップ・ジャズメンがスウェーデンを訪れ、現地のミュージシャンと共演したり、現地で録音されたのものも収録されている。有名なトミー・フラナガンの「オーバー・シーズ」はディスク・ユニオンでも同じものが発売されている。ボックス入りの本アルバムの裏を見ると、やたらアメリカのトップ・ミュージシャンばかりが数多く列挙されているが、ぼくは、このアルバムを通してスウェーデンの傑出したプレイヤーの演奏をこそ聴いてほしいし、特別すべきだとおもう。アメリカのジャズメンはほかでも聴けるのだから。
ラース・ガリン、ヤン・ヨハンソン、ロルフ・エリクソン、グナー・ヨンソン、オキ・ペルソン、ルネ・グスタフソン、ハリー・アーノルドといった実力あるスウェーデン・ミュージシャンの演奏はいま聴いても、そのレベルの高さに驚かされる。尚、アメリカ陣ではスタン・ゲッツ、クインシー・ジョーンズ、クリフォード・ブラウン、アート・ファーマーらのプレイも収められているが、改めて言わせていただくがスウェーデンのプレイをこそ聴いてほしい。総監修は後藤誠。(岩浪 洋三)
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「Where I Live, There are Rainbows/Na Leo 」(Onehawaii Music 3025)*輸入盤
ハワイの女性人気グループ、ナレオのハワイアン・ソング集。ピーター・ムーンの名曲「ハワイアン・ララバイ」 をタイトルトラックに「ソフィスティケイテッド・フラ」「小さな竹の橋で」「可愛いフラの手」「カイマナヒラ」など日本でもおなじみのフラ・ナンバーを加えた12曲を収録している。伝統的なフラの本質を見据えながらも、アダルト・コンテンポラリーに軸足を置く彼女たちならではのロマンチックでジェントルな作品に仕上がっている。ナ・ホク・ハノハノ・アワードをはじめとする数々の受賞歴、加えて20年以上のキャリアがもたらすホスピタリティは聞く者に安堵感を与えてくれる。ナレオの原点でもある、三声によるヴォーカル・スタイルがハワイアン・スタンダードに実に良くマッチしていることも息長く人気を保っている理由のひとつだろう。本CDはもともと2006年9月に発売された作品だが、今月、5月5日にハワイで再発売になった。8月には再び来日も予定されている。(三塚 博)
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Popular ALBUM Review |
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「ショー・ストッパーズ/久野綾希子」(ビクターエンタテインメント/VICP-64695)
日本ミュージカル界のトップ女優の一人、久野綾希子の天王洲/銀河劇場でのコンサート(2008年10月)のライヴ録音。彼女のデビュー作「ジーザス・クライスト・スーパースター」に始まり、出演作品「結婚物語」「コーラス・ライン」「エビータ」「キャッツ」からの歌い慣れた曲を含む全15曲を収録。「リトル・ナイト・ミュージック」「キャバレー」「アプローズ」「ドリームガールズ」「レ・ミゼラブル」「ジキル&ハイド」等のミュージカルのショー・ストップ・ナンバーに混じって越路吹雪が歌っていたシャンソン「水に流して」を取り上げている。いずれも情感を込めた歌唱が素晴らしい。(川上 博)
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「いろは詩/友香」(WAPOP GENERATION/WPSG-0001)
どこか懐かしいようでいて新しいフィーリングの持ち主、友香のファースト・アルバム『いろは詩』。純正和風ポップとでも呼びたくなるような友香の歌声と琴・三味線・尺八などの和楽器を交えた伴奏のグルーヴは、遠いいにしえから聞こえて来るかのようだ。多彩なコンポーザーとカヴァー曲のアレンジにより、究極にまで日本語の美しさを表現している作品集である。友香のオリジナリティがもう少し出て、よりバラエティにとんだ作品も出来上がることを期待したくなる、そんなニュー・フェイスの登場だ。CDのご購入は下記でどうぞ(上田 和秀)
Fax:03-5755-5701 Eメール:tomoca-sell@tomoca.net
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「MEDITATION Resmile」(ヒーリング・カンパニー未知/ATHC-001)
サックスとピアノの共演による新しいタイプのヒーリング・ミュージックが登場した。制作はパワーセラピストの美音亜 (ミネア) 。サックス演奏は西村貴行、ピアノ演奏は山田高大。西村作曲による曲は「光の輪舞曲」「流星群」「瞑想 そして 山」「山 _YAMA-」「ユニコーンの群」「湖畔 -LAKE-」「キラウエヤ火山」、山田作品は「Welcome to Resmile」「Underground」「めざめ」「Happiness」「Second Story」「眠り~destiny~」の全13曲が、聴く人の心を癒してくれる。今の時代、ストレス解消、健康維持には、このような音楽が必要だ。CDのご購入は下記ネットでどうぞ。(川上 博)
http://www.michi-kk.com/ http://www.westernstudiovillage.com/
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Popular DVD Review |
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「ライヴ・アット・ラスト/スティーヴィー・ワンダー」
(ユニバーサル ミュージック/UIBT1003)
スティーヴィーの日本公演は1968年の初来日以来、全出席(確か一度だけだと記憶しているが、某企業のための大阪での営業公演は除く)。少々自慢させてもらうけど前回のさいたまスーパーアリーナ・コンサートの際にはちょこっと音楽談義&一緒に写真も・・。そんな、もう大ベテランの域の到達したスティーヴィーの最新ライヴ映像作品。意外なことに、彼のコンサートを纏めたオフィシャル映像は今回が初めてになる。2008年秋のロンドン/02アリーナでのステージの模様をたっぷりと楽しめる素晴らしいDVD。まずは、80年の『ア・ワンダー・サマーズ・ナイト』からのナンバーで始まり、エフェクターを使ってのヴォーカルで久々の英国公演もということもあって民謡/ビートルズ&ストーンズ・ナンバーなどを交えた「UKメドレー」〜スタイリスティックスのカヴァー、そして『インナーヴィジョンズ』収録曲。ステージと会場が一体となってのホットなステージ展開だ。半ばから後半にかけては「パートタイム・ラヴァー」「マイ・シェリー・アモール」「愛するデューク」「回想」「サンシャイン」「心の愛」・・と名作が次々に登場、ダンサブルな雰囲気、まさに“ライド・オン!”。多分、次作に収められるだろう、新楽曲「ユー・アー・ジ・オンリー・ワン」もショート・ヴァージョンで披露された。そして、もちろん「迷信」で大拍手だ。(Mike M. Koshitani)
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「グレース・アラウンド・ザ・ワールド/ジェフ・バックリー」
(ソニー・ミュージック ジャパンインターナショナル/SIBP145〜6)
美形と美声。ジェフ・バックリーを簡潔に表現することばだ。30歳の若さでこの世を去り、残したスタジオ・アルバムはわずかに1枚だけ。にもかかわらず、ジェフは伝説のアーティストとなった。父親から受け継いだDNAに起因しているのだろう、比類のない存在感を持つ声に込められた魂の叫びのような歌にだれもが衝撃を覚え、魅了されるはずだ。2枚組DVDの『グレース・アラウンド・ザ・ワールド』と題された1枚目には、ジェフの短いインタヴューをはさみながら、世界各地でのライヴ映像(10曲+ボーナス映像)が収録されている。2枚目は『アメージング・グレース』とタイトルされ、ジェフ本人のほかに友人たちの証言で構成された1時間のドキュメント映像。メンフィスの川で水死する直前に撮影された写真など、思わず涙してしまう内容だ。(菅野 ヘッケル)
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「壊れかけのテープレコーダーズ」 4月17日 東高円寺/U.F.O CLUB 話題のレーベル“ハヤシライスレコード”から『聴こえる』(録音エンジニアは“俺はこんなもんじゃない”の狩生健志)を発表した4人組バンドが発売記念ライヴをおこなった。一部で“ジャックス+フィル・スペクター”といわれていることもあり、両者のファンである僕としては行かずにはいられなかったのだ。驚くほどポップなリフ、毒の中をはいずりまわるような歌詞、エモーショナルなkomoriの歌声、yusaの感情を押し殺したようなヴォーカル&レイ・マンザレクというより昔のグループ・サウンズ(アウト・キャストのような)を思い出させる薄っぺらなキーボード。舌が痺れるほどの甘ったるい響きのなかに、ギョッとするような辛味が点在する。素敵なバンドだ。一昨年に結成されたばかりだという彼らが、今後どのように変化していくか、大いに気になる。(原田 和典)
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「ブラック・ライト・オーケストラ」 4月19日 青山/月見ル君想フ
ベルギー・ブリュッセル発。奇想天外でポップ、どこか人を食ったところのあるステージングで人気を集めるバンドが、このブラック・ライト・オーケストラだ。オーケストラと名乗ってはいるがメンバーは5人。しかし曲ごとにさまざまな楽器を持ち換え、ほぼ全員がリード・ヴォーカルをとれる技量の持ち主であるので、1度のステージで複数のバンドを堪能したような満足感に浸れる。スティーヴ・ホーヴェン(チェット・ベイカーと共演したサックス奏者)の弟子であるバリトン・サックス奏者のグレゴワール・ティルティオー以下、全員がジャズないしはクラシックの素養を持っているようだが、決してアカデミックになることがないのも彼らの魅力だ。抜群の実力者が、思いっきりバカをやる。それって、すごくイカしたことではないか。(原田 和典)
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「大野雄二&スペシャル・フレンズ」 4月24日 目黒/ブルース・アレイ・ジャパン
マエストロ、大野雄二が3日連続でクラブに出演した。最初の2日は中川昌三(フルート)と中川英二郎(トロンボーン)をフィーチャーしたユニット“プリティ・グッド”によるモダン・ジャズ、最終日はソニア・ローザ(ヴォーカル)とのブラジリアン・セッションだ。僕は2日目に出かけた。異色の組み合わせともいえるフルートとトロンボーンの響きが見事に一体化し、まろやかにスイングするのには嬉しい驚きを禁じえなかった。ジョン・コルトレーンの演奏で有名な「インプレッションズ」から「五右衛門のテーマ」まですべてを違和感なく、かっこよく聴かせるユニットは世界中さがしても彼らしかいない。最近、ほとんどのピアニストが忘れかけているブロック・コードを駆使した大野のピアノも聴きごたえがあった。“プリティ・グッド”によるレコーディングを切望したい。(原田 和典)
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Popular CONCERT Review |
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「平井庸一セプテット」 4月24日 Tokyo TUC 昨年リリースされた『レニーズ・ペニーズ』が大好評のギタリスト、平井庸一がTUCに登場した。これは行かないわけにはいかないと思い、目黒からダッシュした。アルバムはセクステット(6人編成)だったが、この日はピアノの都築猛、特別ゲストにアルト・サックスの宮野裕司を加えたナンバーが中心。ジャズ界が誇る未来永劫の秘宝“トリスターノ・スクール”(レニー・トリスターノやリー・コニッツ等)の楽曲を巧みにリメイクして鮮やかに提出する平井たちのセンスにはうっとりさせられるばかりだった。ソリストでは増田ひろみ(アルト・サックス)、橋爪亮督(テナー・サックス)が強烈。セカンド・アルバムのレコーディングに先駆けて「レベッカ」、7拍子の「サブコンシャス・リー」などを披露してくれたのも嬉しかった。今後、もっともっと彼らは支持を得ることだろう。(原田 和典)
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「アキコ・グレース ソロ・コンサート」4月25日 浜離宮朝日ホール
築地の浜離宮朝日ホール(小)でピアニスト、アキコ・グレースのソロ・コンサートが行なわれた。ソロだと、彼女のピアニズムが一層クリアーに表現され、彼女の奥深い表現を満喫することができた。とにかくピアノをフルに、美しく鳴らせる技術はずば抜けている。ソロ演奏だと、ちょっとロベルト・シューマンの曲を思わせるようなクラシカルなひびきとリリシズムを感じさせるプレイが新鮮でもあった。しかし、「キャラバン」ではリズミックでダイナミックな濃厚なジャズを聴かせてくれた。オリジナルなアレンジとプレイはさすがだった。2部には今人気(?)のNEOバレー・ダンサー、西島千博がアキコと初共演をみせた。日常的なテーマ「手紙」もユニークだったが、このステージだけでは、彼のしなやかなダンスはわかっても、天才ぶり(?)はまだ理解できなかった。(岩浪 洋三)
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Popular CONCERT Review |
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「Over The Rainbow Japan Tour 2009」 5月1日 東京厚生年金会館 大ホール
「Tarot Women」そして「Kill The King」へと続くオープニングで、ファンの気持ちを一気に掴んだ“Over The Rainbow”のライヴは、期待以上の盛り上がりとなった。今回のステージは、3代目ヴォーカリストのジョー・リン・タナーが歴代のメンバーを召集して実現できたものだが、どうしても多くの視線がギタリストに注がれる。ちょっと太めだがルックスもテクニックも親父によく似たユルゲン・ブラックモアが親父リッチーに変わりギターを弾いているからだ。多くのファンは、親が我が子のプレーを心配そうに見つめる如く、無難にこなすユンゲルにほっと胸をなで下ろす。「I Surrender」「All Night Long」で、熱きそして懐かしさも感じたロック・ナイトは終演した。しかし、超せそうで超せない虹がそこにある。(上田 和秀)
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「ジョー山中」 5月3日 クロコダイル
先日62歳となったジョーは、今でも若い時とキーは変わらないと自慢げに話していたが、正に偽り無く素晴らしい歌声を聴かせてくれた。1部は、ブルース・ロック・バラードといったセットで、歌の巧さと演奏のバランスの良さを充分に堪能させてくれたが、何と言ってもピークはジョーが子供達を抱え歌った「ララバイ・オブ・ユー」と名曲「人間の証明のテーマ」だ。国内のヴォーカリストの中でもずば抜けてノリのいいジョーだが、バラードを歌わせると天下一品の巧さだ。一転して2部は、「Going Back To Jamaica」「No Woman No Cry」と続くレゲエ・セットだ。ベテランを揃えたバンドもノリのいい演奏でジョーを盛り上げる。ラストの「Stand By Me」を会場全体で大合唱し、アンコールは「Music Loves Me」で締めくくったが、リクエスト曲「Make Up」で再度バンドに火がついた。最後まで「Moocha Koocha」いかしたライヴだった。また、ジャマイカで“ウェラーズ”のメンバーと録音した新作『レゲエ・バイブレーション4』が8月12日にリリースされる予定であり、近日中に“フラワートラベリン・バンド”の活動再開もあるとのこと、ジョーのアクションから目が離せない。(上田 和秀)
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Popular CONCERT Review |
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「ユニコーン ツアー 2009 蘇える勤労」 5月11日 Zepp OSAKA
5月11日、16年ぶりに再結成を果たしたユニコーンの“蘇える勤労”ツアーをZepp OSAKAで観た。さすがにベテラン・バンドらしく、これまで6回みたがその度にライヴの味わいが異なる。この日もそれまでのホールと違って、オール・スタンディングならではの至近距離の楽しさ。観客はアラサーやアラフォー中心で、80年代のバンド・ブームを支えた人たちが就職や出産や失恋など人生のあれこれを経験した人間ならではの自己解放をする姿が印象的だった。そんな聴衆に刺激されて、メンバーもいい意味で力んだり感激したり。終盤に歌われる大ヒット曲「大迷惑」の♪お金なんかはちょっとでいいのだ♪ という歌詞が、こんな時代に妙に心に響いたのだった。(平山 雄一)
写真:岸田哲平/4月1日の横浜アリーナ・ライヴから
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Popular CONCERT Review |
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「カーラ・ボノフ」 5月11日 Billboard Live TOKYO
1970年代、ミズ・アメリカ、リンダ・ロンシュタットに多くの曲を提供し77年に自身もシンガー/ソングライターの名乗りをあげ一世を風靡したカーラ・ボノフが来日。彼女の健在ぶりのライヴを楽しんだ。カーラはデビュー・アルバムが出た直後にニューヨークのボトム・ラインでステージを見て以来、初来日や何度か見ている。ウエスト・コーストだけの人でない大きさがあり、上品な情感や知性が感じられ、今も変わらず。それ以上に、今回が最も声がよく出ていたと思った。ギターとピアノを弾き分け、「トラブル・アゲイン」「ベイビー・ドント・ゴー」「ウォーター・イズ・ワイド」などおなじみの曲を中心に14曲。ケニー・エドワーズとのコラボも懐かしく、暖かい雰囲気の1時間10分だった。(鈴木 道子)
写真:acane
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Popular CONCERT Review |
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「ザ・ベガーズ」 5月17日 クロコダイル
FJOレコード1周年記念ライヴ。「いきなりサンシャイン」でデビューした我が国を代表するローリング・ストーンズ・トリュビュート・バンドのThe Beggars(ベガーズ)がヘッドライナー。オープニングは同レコードでのアルバム・リリースが予定されているVESSE(ヴェス)、彼らはストーンズ、フェイセズはじめ村八分やRCサクセションに大きな影響を受けたまさにロックのメインストリームを歩む本格的ロッカーズ。そのパワフルで気骨あふれたロック愛をダイレクトに感じさせる演奏はこれからをおおいに期待させる。ミック・ジャガリコ 、キース・ハマ・リチャーズ、ロニー・テイラー・ジョーンズ、トビール・ワイマン、茶・リーワッツのベガーズはこの日、キーボードや3人の女性コーラス隊も加えてのステージ。山口富士夫プロデュースのデビュー・アルバムからのナンバーやお得意のストーンズ・カヴァーを交え、いつにもまして緊張感あふれたストーンズ・グルーヴを会場いっぱいに噴出していたのがとても印象的だった。アンコールは「悪魔を憐れむ歌」、そしてVESSEのヴォーカル、ジュンもジョイントしての「雨上がりの夜空に」・・・。(Mike M. Koshitani)
写真:加藤仁史
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Popular BOOK Review |
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「ポップ・アフリカ700 アフリカン・ミュージック・ディスク・ガイド/荻原和也・著」
(アルテスパブリッシング)
アフリカのポピュラー音楽のアルバムを700枚紹介したこの本は、CD時代以降のこの種のディスク・ガイドとしてはたぶん世界で唯一の本。アメリカに渡ってジャズ畑で活躍しているリチャード・ボナのような人から、クラブ系DJに再発見されたアフロ・ビートの創始者フェラ・クティまで、近年はアフリカのポピュラー音楽への関心の持たれ方が多様化しているが、この本はそんな変化も視野に入れつつ、20世紀のアフリカのポピュラー音楽動きを地域ごとに概説し、バランスよく幅広くアルバムを紹介している。アフリカ音楽入門の決定版。(北中 正和)
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Popular BOOK Review |
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「マイケル・ジャクソン裁判/アフロダイテ・ジョーンズ著 押野泰子・訳」
(ブルース・インターアクションズ) 冤罪。1982年の『スリラー』以来、宇宙一のスーパースターとなったシンガー、マイケル・ジャクソンはさまざまな事件で訴えられ、裁判での争いとなった。その裁判をほとんどすべて傍聴し、公式の証言記録を丹念に集めた資料本がこの著作だ。厚さ3.5センチ、528ページに及ぶ膨大な量のものを、各証言者ごとにその発言をまとめている。2004年から始まった裁判の当初から2005年6月13日の判決までの裁判記録だ。いかにして、この訴因が作り上げられ、そして、結局無罪を勝ち取ったかが、一ジャーナリストの手によって明かされる。このジャーナリスト(女性)も、当初は他の多くのメディア同様、マイケル有罪をまったく疑っていなかった。それが無罪となり、自分がどこで判断を誤ったのか、反省し、結局この著作を書き上げた。この裁判には史上最大の費用と、注目が集まったといわれる。ひょっとするとこのマイケル裁判は、史上最大の冤罪だったのかもしれない。一メディアの人間としてそれを反省したのであれば、ひじょうによろしいことだ。いずれにせよ、この詳細な裁判記録は、読み物としても強烈におもしろい。(吉岡 正晴)
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「TOKYOを照らせ!ストーンズ・ナイト!!」
DVD/Blu-ray「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」リリース記念、ストーンズ1981・最新ライヴ映像上映 & トリビュート・ライヴ。我が国を代表するストーンズ・トリ ビュート・バンド、ザ・ベガーズを中心に、世代、ジャンルを超えたストーンズ・フリークがザ・ドアーズに集結。ザ・ベガーズとジョイント・ミュージシャンとのセッションも大いに期待される。(MT)
日時:2009年7月3日 18時開場 18時30分開演
会場:東京・初台The DOORS
出演:THE BEGGARS(我が国を代表するストーンズ・トリビュート・バンド)鮫島秀樹(The Sons)ichiro(The Sons)ドン・マツオ(ズボンズ*予定)藻の月(ヴォーカル&ギター/ジョージ ex.自殺、ウィスキーズ)Pyano(ギター/オス ex.ルージュ)西仲美咲(沖縄出身ストーンズ大好き新鋭ジャズ・フルート奏者)VESSE(ストーンズ&フェイセズを敬愛する本格派ロックロール・バンド)α:Vout(ストーンズ大好きヴィジュアル系バンド)
チケット:The DOORS(6月10日から前売り)
ローソンチケット(6月10日から前売り) Lコード:75107
チケットぴあ(6月14日から前売り) Pコード:328-254
お問い合わせ:03-5350-5800(The DOORS) http://www.livebar-the-doors.net/
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Popular INFORMATION |
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「イル・ディーヴォ」
クラシカル・クロスオーヴァーというカテゴリーを超越して、独特のスタイリッシュな音楽表現でミュージック・シーンの頂点に立ったイル・ディーヴォの来日公演が決定した。新作『プロミス』リリースに合わせた来日プロモで公約していたワールド・ツアーの一環として行なわれるコンサートとなる。ソールドアウトにした2007年の初来日公演でもパワフルなパフォーマンスでオーディエンスを魅了したものだが、今回は『プロミス』で挑戦した内面的な表現も大きなポイントとなるはずだ。(UM)
* 9月9日 10日 大阪城ホール
* 9月14日 15日 17日 東京・日本武道館
いずれも開演は19時
お問い合せ:ウドー音楽事務所 03(3402)5999 http://udo.jp/
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Popular INFORMATION |
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「ドゥービー・ブラザーズ デレク・トラックス・バンド」
ベテランのドゥービー・ブラザーズ、ドゥービーズがその名を知られるようになってから7年後の1979年に生まれたデレク・トラックスのDTBの共演が決定、アメリカン・ロック&ブルース・ロック・ファンの大きな注目を集めそうだ。ドゥービー・ブラザーズは72年の「リッスン・トゥ・ザ・ミュージック」以降、次々とヒット作を放った。グループは82年に解散するが、89年に復活。これまでに30のチャート・イン・ナンバーも発表している。デレク・トラックスは、音楽ファミリーの中で幼い頃からギターを始めている。ファースト・ネームはエリック・クラプトンのデレク&ドミノスから・・、そんな若くして本格的に音楽活動に入った彼がクラプトンのツアーに参加したことはよく知られている。スライドの名手、デレク・トラックとドゥービーズのジャム(競演)もぜひ実現してほしいところだ。(MK)
*9月25日 19時 東京国際フォーラム ホールA
*9月26日 17時 東京国際フォーラム ホールA
*9月28日 19時 グランキューブ大阪 19時
*9月29日 18時30分 名古屋/愛知県芸術劇場大ホール
お問い合せ:ウドー音楽事務所 03(3402)5999 http://udo.jp/
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「ブルース・ブラザーズ・バンド」
1970年代から活動、80年の映画『ブルース・ブラザーズ』で世界的にその名を知られるようになったブルース・ブラザーズ・バンド。リズム&ブルース/ブルースを21世紀に伝える形で元ブッカー・T&MGsのメンバー、そして忌野清志朗とも交流のあった伝説のギタリスト、スティーヴ・クロッパーを中心に現在も着実に演奏を続けている。そんなBBBの久々の日本公演が決定した。1960年代のメンフィス・ソウルを中心としたエキサイティングなステージは、往年のソウル・フリークから若いR&Bファンまで、幅広い音楽愛好者をホットにさせてくれることだろう。(MK)
*7月13日 14日 15日 16日 Billboard Live TOKYO いずれも2回公演
お問い合わせ:03(3405)1133 http://www.billboard-live.com/
*7月18日 Billboard Live OSAKA 2回公演
お問い合わせ:06(6342)7722 http://www.billboard-live.com/
*7月20日 21日 Billboard Live FYKUOKA いずれも2回公演
お問い合わせ:092(715)6666 http://www.billboard-live.com/
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Popular INFORMATION |
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「ナ・レオ」
カメハメハ・スクールの同級生だった3人がフラ・コンボを結成してもう25年以上がたつナ・レオ。『ローカル・ボーイズ』の大ヒット以来、ハワイはもちろん、我が国でも多くのファンから注目されている。3年前にはキース・オルソンをプロデューサーに迎えてのアルバム『フィール・ザ・スピリット』がブレイク。昨年の『エ・フラ・マイ・カコウ』に続くニュー・アルバムもこの7月に登場。そんな新作をフィーチャーしながらのトラディショナルからコンテンポラリーな作品を鏤めてのステージに期待が膨らむ。(HM)
*8月19日 20日 Billboard Live TOKYO いずれも2回公演
お問い合わせ:03(3405)1133 http://www.billboard-live.com/
*8月21日 Billboard Live OSAKA 2回公演
お問い合わせ:06(6342)7722 http://www.billboard-live.com/
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Classic ALBUM Review |
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「モーツァルト:セレナード第7番ニ長調K.250〈ハフナー〉から第1楽章、ピアノ協奏曲第21番ハ長調K.467、交響曲第41番ハ長調K.551〈ジュピター〉/ピート・クイケン(フォルテピアノ)、有田正広指揮、東京バッハ・モーツァルト・オーケストラ」(Denon、コロムビアミュージッエンタテインメント/COCQ-84619)
2008年の東京芸術劇場でのライヴ録音だが、オープニングの〈ハフナー・セレナード〉第1楽章には有田正広によるティンパニのパートが加えられている。ハ長調コンチェルトは、ピート・クイケンの繊細にして大胆、しかもモーツァルトに様式をわきまえたフォルテピアノが新鮮な耳の悦びをもたらす。カデンツァも興味深い。ピートはガンバ奏者ヴィーラントの子息。〈ジュピター〉は堂々として荘厳。国際的に通用する立派な演奏だと思う。なお、1989年に創設され古楽器演奏に大きな足跡を残したこの「東京バッハ・モーツァルト・オーケストラ」は20年目を迎えた2009年、発展的解消を遂げ、「クラシカル・プレイヤーズ東京」としてロマン派時代の作品もレパートリーに加えた活動を開始する。(青澤 唯夫)
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Classic ALBUM Review |
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「シマノフスキ&ブリテン:ヴァイオリン協奏曲/フランク・ペーター・ツィンマーマン他」(SONY、ソニー・ミュージック ジャパンインターナショナル/ SICC-1160)
現代有数のヴァイオリン奏者の一人であるF.P.ツィンマーマンの、ソニー移籍後、3枚目となるアルバム。今回は、20世紀前半に生み出された3つの協奏曲を収録。シマノフスキのヴァイオリン協奏曲第1番、第2番は、シマノフスキのスペシャリスト、クラクフ生まれのA.ヴィト指揮のワルシャワ・フィルとの演奏。そしてブリテンのヴァイオリン協奏曲Op.15は、ウィーン出身のM.ホーネック指揮スウェーデン放送響との演奏。3曲ともツィンマーマンは、音にも表現にもすみずみにまで神経を通わせながら、優れたテクニックで自在にうたいあげて、名演を響かせており、彼の真価が発揮された魅力的なアルバムである。ヴィトもホーネックもそれぞれのオケとともに、各自の美質を最高度に発揮しあった演奏といえるだろう。(横堀 朱美)
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Classic ALBUM Review |
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「ヴィヴァルディ:《四季》/ピーナ・カルミレッリ(Vn)、イ・ムジチ合奏団」(Decca、ユニバーサル ミュージック/UCCD-80002)
このところ世界のレコード業界では以前には考えられなかった程の再編が進んでおり、録音当時はフィリップスだったこのCDも、2001年にフィリップス社のレコード部門からの撤退により、すべてのフィリップス・レーベル・カタログは再発を含め今年からデッカ・レーベルでの発売となった。これを機にこれまでにリリースされたフィリップス・レーベルの名盤の多くがデッカ盤に衣替えして再発されるだろうが、それについても今後採り上げて行きたいと考えている。
さて、1959年以来、現在まで「四季」の録音を7回に亘って行ってきたイ・ムジチだが、1982年7月に行った4回目の録音が今回再発されたこのCDである。カルミレッリは当時68歳、その確かなテクニック、音の若々しさはまったく歳を感じさせない。溌剌とした演奏を聴かせるイ・ムジチのリーダーとしてまさに最適と言える。近頃多くなったハイブリットCDへのリマスタリングで以前のものに較べ、音は遙かに良くなっている。(廣兼 正明)
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Classic ALBUM Review |
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「バーエワ/現代ヴァイオリン・ソナタ・アルバム/アリョーナ・バーエワ(Vn)、ヴァディム・ホロデンコ(Pf)」(SIMC・仙台市市民文化事業団/SIMC-VN001)
仙台で2001年からヴァイオリンとピアノの2部門で行われている「仙台国際音楽コンクール」も2007年には第3回となり、この回より両部門の優勝者によるCDが一般発売されることとなった。ヴァイオリン部門ではカザフスタン生まれ、今年24歳のアリョーナ・バーエワが第1位を獲得、その結果今回プーランク、ドビュッシー、そしてプロコフィエフ第1番の3曲で、日本に於けるCDデビューを果たした。 バーエワは2001年のヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクールを制覇した若手だが、このCDを聴く限り、プーランクの軽妙洒脱さと優しさ、ドビュッシーの神秘的な音づくり、プロコフィエフの陰鬱で幻想的な曲の持つ性格のそれぞれに迫ろうとする気持ちは読めるが、今ひとつの物足りなさを感じる。そして日本で開催されるコンクールから、真のスターが輩出するようになることを望んで止まない。(廣兼 正明)
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Classic CONCERT Review |
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「ウィーン放送交響楽団」3月8日 ザ・シンフォニーホール
サンクトペテルブルク出身の指揮者ドミトリー・キタエンコがロシア音楽を携えて、やってきた。グリンカの歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲は、急速なテンポとリズミックな旋律で知られるが、引き締まった筋肉質の仕上がりであった。チャイコフスキー「交響曲第4番」では、あふれる情熱と哀愁に満ちた繊細さを見事に表現した。公共放送のオーケストラはあらゆる種類の音楽を演奏する使命を担っている。この要請に見事に応えてロシア音楽でも精緻な技をみせ、柔軟性に富む優秀な能力を証明した。若手ピアニスト、ヘルベルト・シュフはチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」を弾いた。豪勢に鳴らすところに才能の片鱗みせたものの、憂いに満ちたパートではやや表現が甘かった。(椨 泰幸)
(写真:ザ・シンフォニーホール提供)
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Classic CONCERT Review |
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「びわ湖ホール制作オペラ《トゥーランドット》」3月14日 びわ湖ホール
オペラ歌手が交流し、舞台装置などを共用する共同制作の動きが、ホールの間で最近広がっている。歌唱力の向上を図り、制作費の負担を軽減する狙いがあり、効果を挙げている。このプログラムもその一つで、東京二期会とびわ湖ホール声楽アンサンブルを主体に、神奈川県民ホールも参加している。沼尻竜典の指揮で、京都市交響楽団が演奏した。
「トゥーランドット」の背景は、権勢を誇る北京の宮廷で、雄大なスケールが要求される。栗國淳の演出はいわゆる「読み替えオペラ」の持つ軽薄さを排除して、正攻法で立ち向かい、装置や衣装にも抜かりはない。トゥーランドット姫の並河寿美は難易度の高いソプラノをうまくこなし、王子カラフの福井敬も、姫に寄せるひたむきな愛を情熱的に歌い上げた。王子を陰ながら慕う女奴隷リューは主役並みの役割を与えられている。歌唱と演技の力が問われるが、高橋薫子はやや力不足に感じた。(椨 泰幸)
(写真提供:びわ湖ホール)
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Classic CONCERT Review |
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「オランダ・アーネム・フィルハーモニー管弦楽団」 3月21日 ザ・シンフォニーホール
オランダ東部のライン川沿いにある美しい小都市からやってきた。創立以来110年の歴史を誇り、30歳代後半の若手楽員を主力にしている。小林研一郎が常任指揮者に就任して3年目を迎え、情熱を注いで育て上げた成果は出ていると思う。日蘭貿易400周年を記念して委嘱作品を初演した他、ロシア音楽を聴かせた。小林はオケのもつ若いエネルギーを存分に発散させ、さわやかなカタルシスを感じさせた。ムソルグスキー(ラヴェル編曲)組曲「展覧会の絵」では、ロシアの大地を思わせる部厚い響きのなかに、ユーモラスな味をブレンドして、肩の力を巧みに抜いている。リムスキー=コルサコフの交響組曲「シェエラザード」では細部まで気を配り、纏綿としたオリエンタル情緒を漂わせた。(椨 泰幸)
(写真提供:ザ・シンフォニーホール)
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Classic CONCERT Review |
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「東京佼成ウインドオーケストラ第101回定期演奏会モSomething Fourモ」4月24日 横浜みなとみらいホール
1960年に結成された佼成WOは100回の定期を越えた。その間1984年よりフレデリック・フェネル氏を桂冠指揮者に迎えるなどブロ楽団として数々の業績を上げてきた。今回名づけられたSomething Fourとはアメリカで結婚式に花嫁が幸運を願い身につけるOld, New, Borrowed, Blueを意味するように、様々の曲を取り上げたレイ・E・クレーマー氏を指揮者に迎えた。氏は現在世界的に権威あるミッドウエストの会長をしているが、1999年以降武蔵野音楽大学の客員教授を担当されているので日本人にもファンが多い。素晴らしかったのはジャンニーニの「交響曲第3番」である。繊細な色彩感に溢れ丁寧な仕上げであった。指揮者自身の編曲によるチャイコフスキーの劇音楽「雪姫」より「道化師の踊り」も快活で良かった。(斎藤 好司) |
Classic CONCERT Review |
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「東京吹奏楽団 第56回定期演奏会」4月23日 すみだトリフォニーホール
東吹は芸大の故山本正人教授を中心にして、東京で1963年にプロ吹奏楽団として創立された歴史と伝統を誇っている。近年、(株)グローバルに主管が移ってから益々活動が盛んになってきた。指揮は岩村力で、ホルジンガーの「エイブラムズ パーシュート」など熱演であった。やや音量が大きすぎてレスピーギの「ローマの松」などバツクステージのトランペットが聞こえないほどだった。パイプオルガンとのバランス感覚にもひと工夫が欲しかった。ただイタリアの古典の曲は色彩感があり綺麗だった。演奏者の技術水準はバンダも含めて最高である。特にクラリネットのソロ部分は表情も豊かですばらしかつた。(斎藤 好司) |
Classic BOOK Review |
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「指先から感じるドビュッシー」青柳いづみこ著(春秋社)
ドビュッシーのピアノ曲を弾くために役立つ知識満載といった興味深い本で、作曲者の人となり、作品の文化的背景、基礎的な指のトレーニング法、演奏技法、作品解釈にいたるまで、多角的な視点から語りつくされている。ドビュッシーが好んでいた名画が色刷りで掲載されていたり、さまざま奏法が譜例や指と腕の写真付きで詳細に説明されていたり、いづみこさんの授業や公開レッスンを受けているようなリアリティがある。MPCJ会員でもある著者15冊目の著書とのことだが、まさにドビュッシーを弾くという専門分野で存分に腕をふるった力作で、読み物としても面白いが、ピアノ学習者にとって実用的な価値も高いと思われる。いづみこさんはおそらく名教師でもあるのだろう。本書を読むと、ドビュッシーを弾いてみようかな、という気分になるかもしれない。(青澤 唯夫) |
Classic INFORMATION |
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「二期会ニューウェーブ・オペラ劇場《ウリッセの帰還》」6月6、7日 北とぴあさくらホール
オペラの始祖クラウディオ・モンテヴェルディの名作「ウリッセの帰還」が、二期会の主催で舞台にかかる。ギリシャ神話のユリシーズ(ウリッセ)の物語に基づき、神話色を残しながらも、人間くさい悲喜劇になっているのはモンテヴェルディならでは。完全な形で伝承されていない作品なので、今回は20世紀に入ってヘンツェが再構成した版による上演となる。キャストは若手中心だが、杣友恵子(6日、ペネロペ役)、大西ゆか(6日、ミネルヴァ役)、弥勒忠史(全日、人間のはかなさ)ら注目の歌手も登場。ベテラン、高関健の指揮と、俳優座出身でオペラ演出でも活躍する煌ン未朝の演出にも興味が募る。(K)
問い合わせ:二期会チケットセンター 03-3796-1831
ticket@nikikai.net
URL=http://www.nikikai.net
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藤原歌劇団公演《愛の妙薬》」 6月12、13、14日 東京文化会館
今年創設75周年を迎えた藤原歌劇団。2月には大作「ラ・ジョコンダ」に挑み、好評を博した。6月には、ドニゼッティの名作オペラ・ブッファ「愛の妙薬」が上演される。イタリア出身のマルコ・ガンディーニの演出は、伝統的な舞台を得意とする藤原には珍しく、物語を現代のショッピングモールでのできごとに設定する「読み替え演出」になるという。ベルカントものを中心に、イタリア・オペラのキャリアを国際的に重ねている園田隆一郎の指揮にも期待がかかる。同団のプリマで安定感抜群の高橋薫子(12日、アディーナ役)、日本きっての人気テノール中鉢聡(13日、ネモリーノ役)をはじめ、充実した歌手陣も楽しみだ。(K)
問い合わせ:日本オペラ振興会チケットセンター 03-6407-4333 URL=http://www.jof.or.jp/
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「新国立劇場公演《チェネレントラ》」 6月7、8、12、14、17、20日 新国立劇場オペラ劇場
新国立劇場今シーズン最後の演目は、ロッシーニの「チェネレントラ」。「セビリヤの理髪師」に次ぐ、ロッシーニ・オペラ・ブッファの人気作で、ちょっぴりセンチメンタルな物語を、華麗な歌唱技術を駆使した名曲の数々が彩る傑作だ。今回の公演には、ヒロインのチェネレントラにヴェッセリーナ・カサロヴァ、王子ドン・ラミロにアントニーノ・シラクーザ、ドン・マニフィコにブルーノ・デ・シモーネ等々、当代一流のロッシーニ歌手が集結。世界レベルの上演が期待できる。この春、カサロヴァを主役にした演奏会形式「カルメン」で日本の聴衆にも好評を博した、ディヴィット・サイラスの指揮も楽しみだ。
プロダクションは、バイエルン州立歌劇場で制作された故ジャン・ピエール=ポネルの演出による、名舞台と定評のある美しいもの。絶対に見逃すことのできない公演である。(K)
問い合わせ:新国立劇場チケットセンター 03-5352-9999
URL=http://www.nntt.jac.go.jp/
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「スペイン・ビルバオ交響楽団」 7月4日午後3時 ザ・シンフォニーホール
スペイン北部の年で1922年に設立された。一昨年東京で開かれた「ラ・フォル・ジュルネ音楽祭」に出席のため、当時の芸術監督ファンホ・メナとともに初来日し、好評を得た。同じ顔ぶれで今回二度目の来日となる。曲目はラヴェル「ツィガーヌ」(ヴァイオリン南紫音)、ロドリーゴ「アランフェス協奏曲」(ギター荘村清志)、ラヴェル「ボレロ」など。別荘村は昨年スペインを訪れ、このオーケストラと共演し、レコーディングした。
お問い合わせは同ホール(06−6453−6000)へ。(T)
(写真提供:ザ・シンフォニーホール) |
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「エレルヘイン少女合唱団」 8月7日午後7時 ザ・フェニックスホール
バルト海に面したエストニアから来日。1951年に創立され、欧州や日本(宝塚)などの国際コンクールで優勝や入賞を重ねて、100人を超える団員を擁して、今や「合唱大国」の顔となっている。指揮者のティーア=エステル・ロイトメはこれまでに日本の合唱団を指揮して、なじみが深い。エレルヘインはこの国に咲くサクラソウ科の花にちなんでいる。曲目はフォーレ「アヴェ・マリア」、日本古謡(武満徹編)「さくら」など。
お問い合わせは同ホール(06−6363−7999)へ。(T)
(C)Tiit Veermae
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