「HARD TO FIND 45s ON CD, Vol. 9: 1957-1959/Various」(ERIC 11527)*輸入盤
「HARD TO FIND 45s ON CD, Vol.10: 1960-1965/Various」(ERIC 11528)*輸入盤 イギリスのエイスが出している「ゴールデン・エイジ・オヴ・アメリカン・ロックンロール」と共に、オールディーズ・ファン必携のシリーズがアメリカのエリックが出している「ハード・トゥ・ファインド・45s・オン・CD」だ。最近は発売頻度が減ってもうネタ切れかと思っていたが、23曲入りのVol.9、24曲入りのVol.10が4月に発売された。カメオ・パークウェイの原盤がついに去年CD化され、CDで入手できない全米のヒット曲の数はぐっと減った事は間違いないが、ヒットした当時のシングル盤と同じヴァージョンとなると、まだまだCD化されていないものが数多くある。なかにはオリジナルと聴き比べてもほとんど違いがわからない程よく似ている録音もあるが、それが別テイクだという事を知ってしまうと、どうしてもオリジナルが欲しくなるのものだ。そんな例がアダム・ウエイドのチャート・ヒット3曲。今回、嬉しい事にその中の「テイク・グッド・ケア・オヴ・ハー」のオリジナル・ヒット・ヴァージョンがVol.10で初めて収録された。また、ダニー・ブルックスの「ミッション・ベルズ」も、これまでのような余計なエコーがない、オリジナルの音が聴けるようになった。さすがに初CD化の曲は少なく、なかにはチャートの60位以下とか、ホット100にもランクされなかった曲が混じり、いささか水増しの感はあるものの、これまでタイム・ライフの通信販売CDにしか入っていない曲が多く収録されているので、やはりお薦めだ。(宮内 鎮雄)
Popular ALBUM Review
「ワム・バム/スティーヴ・マリオット」(MSI/MSIG 0371〜2) スティーヴ・マリオットのハンブル・パイの1973年来日公演はローリング・ストーンズを初めて体験した時と同じくらい感激した。このアルバムは故スティーヴ・マリオットの未発表音源を専門に発掘しリリースしているワッピングワーフ・レコーズからの4作目、2枚組だ。1枚目は76年にグレッグ・リドリー、ヴィッキー・ブラウン、クレム・クレムソン、イアン・ウォレス、メル・コリンズ、ブラックベリーズからなるオールスターズと録音したセッションから。2枚目はアレクシス・コーナーほかで客演したヴァージョン。ディラン、ストーンズほかの多くのカヴァーも収録されている。(Mike M. Koshitani)