「オーバーナイト・センセーショナル/サム・ムーア」
(ワーナーミュージック・ジャパン/WPCR-12433)
のっけからいきなり胸ぐらをつかまれ引きずり込まれてしまった♪アン・ピーブルスでおなじみ「アイ・キャント・スタンド・ザ・レイン」だ。元サム&デイヴのサムの見事な復活ぶりを高らかに宣言するにはこれだけでもう十分過ぎるほど。少し前に見た映画「ソウル・サヴァイヴァー」で不遇時代を支えてくれた‘恩人’でもある奥さんに頭が上がらないもののいざ歌い出すと周囲を圧倒してしまう凄みを見せつけたサム・ムーアがついにメジャー・シーンに舞い戻った。スプリングスティーン、マライア、スティング、クラプトン、ウィンウッドにジョン・ボン・ジョビ...当代の大物たちや有力新人を従え堂々‘降臨’!刺激されて他の同世代のベテランたちも奮起すればまたおもしろい時代がやって来るかも♪ (上柴 とおる)
生まれて初めて体験したソウル・レビューは1969年3〜4月のサム&デイヴの来日公演だった。以来、何百回と海外も含めてSRのステージを味わっているが、ベストはサム&デイヴと翌年のアイク&ティナ・ターナーだ。そんな伝説のサム・ムーアが、まさに右手の拳を高々と上げてライド・オン!と、シャウトせずにはいられない素晴らしいアルバムを発表した。アン・ピーブルスの「アイ・キャント・スタンド・ザ・レイン」、ヴァレンティノズの「ルッキン・フォー・ラヴ」、ベン・E.キングやアレサ・フランクリンの「ドント・プレイ・ザット・ソング」などR&Bの名作が収録。ソウル/ロック界ばかりでなく、ヴィンス・ギル、ワイノナといったカントリー・スターも参加。アルバム最後の故ビリー・プレストンとの「ユー・アー・ソー・ビューティフル」(ギターはクラプトン)は涙なくしては聴けない・・。サムの久々の4度目の来日公演、実現して欲しいものだ。(Mike M. Koshitani)
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