例年よりも長く感じられた今年の冬もようやく終わりの気配を見せ、穏やかな光を浴びた桜のつぼみが一気に膨らみ始めた4月6日、東京・神保町にある“ダイニングカフェ・エスペリア”に於いて『第24回ミュージック・ペンクラブ音楽賞贈呈式』が催された。音楽賞も回を重ねること実に24回。第1回目の開催は、ミュージック・ペンクラブ・ジャパン(以下MPCJ)が“音楽執筆者協議会”という名称であった1988年(昭和63年)にまで遡る。当初は会を構成する3部門(クラシック、ポピュラー、オーディオ)が、それぞれ一組(あるいは一作品)のみを賞の対象として選定してきたが、名称をMPCJと改めた1997年(平成9年)度以降、賞に対する注目度が高まるのに比例して徐々に賞の数も増え、現在ではクラシックとポピュラーが、それぞれ5部門、オーディオが3部門、そして特別賞を合わせると全部で14部門という、より内容の濃い音楽賞となっている。
 なお、MPCJ音楽賞に関しては、HP上のこちらのページ(http://www.musicpenclub.com/prize.html)にて詳しく述べられているのでご一読願いたい。

 MPCJでは、毎年この時期に贈呈式をおこなっていたが、昨年度『第23回』は「東日本大震災」発生直後ということで開催を見送ったという経緯がある(MPCJは、国内外のアーティストから寄せられた被災地への応援メッセージを「MUSIC POWER」としてHPに掲載。また少額ではあるものの、主催イベントで集められた義援金を寄付するなどの活動も行った)。そのため今回は2年ぶりの開催となった。また、一昨年まで使用していた会場から、この“エスペリア”に変更された事に伴い、スタイルも立席から着席へと変わり、落ち着いた雰囲気の中での贈呈式となった。

 午後3時を過ぎた辺りから、受賞関係者とMPCJ会員が続々と会場に集まった。エントランスの横には、今年度の受賞作品を紹介するパネルが設置されており、多くの方が足を止めていた。

 贈呈式は午後3時30分過ぎほぼ定刻どおりに開始。MPCJ会長である岩浪洋三の挨拶に始まり、クラシック、ポピュラー、オーディオの順に、各賞の受賞者へ賞状及び記念の盾が贈られた。

 贈呈式は一時間ほどで滞りなく終了。その後は、引き続き同会場において受賞関係者とMPCJ会員の懇親会が設けられた。例年より多い、総勢60名以上が参加という大変賑やかな会となり、着席スタイルではあったが、思い思いに席を移動して歓談に興じる様子が見られた。懇親会は午後6時過ぎまで続いた。

 来年、MPCJ音楽賞は『第25回』という節目を迎える。今後も会員一人一人が意識と自覚を持って投票し、MPCJ音楽賞の価値をより高いものにするよう努めなくてはならないと考える。
(記:町井ハジメ)



























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